劇場公開日 2019年9月13日

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「ダメ男だったんですね」人間失格 太宰治と3人の女たち M hobbyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0ダメ男だったんですね

2022年6月6日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

怖い

興奮

日本文学というものに全く触れてきてない私にとって、太宰治って人は国語の教科書のメロスの人ってだけで、どんなにすごい人だったのかも、どんだけ人気のあった作家なのかもぜーんぜん分からない。

それでも、名前は知ってるし。
小栗旬と、女優3人。それもベテラン、ちょっといろいろやっちまってます、どんな役でもドントコイ系。のお三方。宮沢りえ、沢尻エリカ、二階堂ふみ。
このキャストだけで見てみたいとわされ。
結果、鑑賞してまぁまぁ良かったかなと。

宮沢りえに対しては、特別好きなわけじゃないのに、映画のどこかで必ず感情移入してしまうような、幸薄い感じがたまらない。なぜかなー。
本作も、好き勝手する夫に呆れているような、でも突っぱねることができないような。ただ、作家としての夫を奮い立たせた途端、愛人家に上げて家の中触られて、心がわけからなくてなって、でも子供達の前では泣き崩れることもできない母親。←めちゃくちゃ感情移入してしまって、思わず泣いてしまったよ、辛すぎる。悲しすぎる。殺生だわ太宰さん。

沢尻エリカはな〜、うまいなー。演技やっぱり好きなのよねー。そして、この静子って役も好きだわー。。。"恋が悪いものなら私は不良でいい。もともと不良が好きなんだから"だってさ。
ってね。そうよ、そうなのよ。
私もこの太宰治ってダメ男みたいなやつに結局惹かれるタイプよ。
ただ、そのダメ男が私みたいなんを好きにはなってくれないのよねー。。。余談ですね。
とにかく!ずっと好きでいてもらえる愛人になりたいだなんて、可愛いこと言うなって思っちゃったよ。

二階堂ふみちゃん。体張ってたなー。
濡れ場。蜷川実花監督の映画は濡れ場がポイントの一つになると思うけど、もはや富栄とのシーンはほぼほぼホラーやなと。
怖いよー怖いよー。とひたすら言っちゃうくらい、執念と執着を感じて恐ろしかった。

いやー、人選ミスるととんでもないことになりますね。くわばわくわばら。

本作は賛否両論ありますが、実在の人物、それも有名でファンが多くいる人を描くってのは大変だなと。蜷川実花監督のそもそもの世界観で描かれる太宰治を、観て楽しめる人もいればそうでない人ももちろんいるだろうし。
私が楽しめたのはホラーやなと思いながらも、蜷川監督の得意なお花の演出を単純にキレイだと思えたからかな。

とにかく太宰さん、こんなにダメ男であっても、好きになる女性は必ずいる。ちょっと鑑賞しながら、この時代にタイムスリップして、太宰治本人を見てみたくなった。

M hobby