エリカ&パトリック事件簿 踊る骸のレビュー・感想・評価
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ナチスの血筋が徹底的に嫌われていた背景
これぞミステリーサスペンスという王道的演出と展開。満足度はかなり高し。
第2次大戦でナチスドイツに翻弄蹂躙された北欧舞台ということでリアル感も弥増し、北欧的生真面目で真摯な映画づくり手法も相俟って、しかもテンポの淀みなさも加味されグイグイ引き込まれていった。
「そうか、彼が真犯人だったのか・・・」という全く予想がつかなかった着地点も良かったし、クリーンな収束の有様にも安堵。
正しくスマッシュヒットの秀作でした。
残りのシリーズ作品もDVD化を望む
原作はスウェーデンの女流作家カミラ・レックバリの同名小説で、「エリカ&パトリック事件簿」シリーズとしては5作目、邦訳も出ているようです。
小説家のエリカ(クラウディア・ガリ)と警察官のパトリック(リカルト・ウルフセーテル)の夫婦に初子が生まれる。
出産後の祝福にエリカの両親もやって来たが、エリカと母親は疎遠だったようだ。
初孫の顔をみた帰り道、両親は自動車事故で急逝してしまう。
両親が残した田舎町の家を相続したエリカのもとに、兄を名乗る初老の男性が訪ねてくるが、エリカは母親からそんな兄の存在を聞いたことがなく、偏執的なファンだと思って追い返してしまう。
ほどなくして、その男の変死体が滞在先のホテルで発見される・・・
というところからはじまる物語で、変死した男のDNA鑑定をしたところ、エリカの肉親であることが極めて高い結果が出たことから、エリカは母親の過去、第二次大戦終盤の過去を調査することにした・・・と展開する。
とにかく登場人物が多い。
第二次世界大戦終盤の出来事は、エリカの母親を中心にして5人の男女が絡んでおり、当然のことながら彼らは皆、年老いている。
なので、名前は同じだけれど、相当の年月を経ているので、過去のエピソードと現在のエピソードの人物が「すぐには」結びつかない、ということになってしまう。
なかなか工夫を凝らしているので、この人が若い時はこの人、というのは判るのだが、出てきたとたんに死んだりするので、もう、ちょっとでも油断するとなにがなんだかわからなくなってしまう恐れあり。
そういう点を除けば、たぶん膨大な原作をかいつまんで巧みに脚本化し、演出もしているので、なかなかの出来栄えといえる。
ただし、60年近い第二次世界大戦時の秘話&悲話なので、いまさら・・・と思わなくもないのだけれど。
なお、WOWOWで放送した際のタイトルは『ヒドゥン・チャイルド 埋もれた真実』、DVD化にあたってのタイトルは既出版の原作小説に拠っている。
また、「エリカ&パトリック事件簿」は本国で7作品映像化されており(残り6作品はテレビムーヴィ、またはミニシリーズ)、そのうちエリザベス・カールソンがエリカを演じた4作品のうち「説教師」 「悪童」 「死を哭く鳥」 の3作品が日本でも放送済み。
本作と同じくクラウディア・ガリがエリカを演じたミニシリーズが2作品あるので、DVD化されたら観てみたいと思います。
淡々と人間を掘り下げて真実に近づいていく、北欧ドラマのならではのミ...
淡々と人間を掘り下げて真実に近づいていく、北欧ドラマのならではのミステリー。面白かった。
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