運び屋のレビュー・感想・評価
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家族
90歳の『運び屋』を描いた作品。
家族より仕事を優先してきた主人公のアール。
だがその仕事も手離さなければならない事に。
孫の結婚相手の友人から『運び屋』の仕事を紹介され…
最初は一回だけということだったが、
羽振りが良すぎるのですぐ次の仕事の依頼を受ける。
友人や麻薬組織からの待遇は良くなるが家族だけは振り向いてくれない…
デカイ仕事の途中で孫からの連絡で
倒れた奥さんの元に向かいようやく家族とも和解。
当然最後は捕まるが
結果としてはアールは大切なものを取り戻した。
CMを見て気になり鑑賞したけど、
もっとハラハラする展開かと思いきや、
運び屋で稼いだ金で楽しむ展開にビックリ。笑
どんどんリッチになってくし女と遊ぶし
これはいつ報いを受けてもおかしくないと思った。
だけど元軍人なので肝がかなり座っていて
ちょっとした脅しにはビクともしない。笑
悪口や言い返しにユーモアがあり、
ちょっとしたピンチを凌ぐことで
不信感を持っていた組織の連中からも
少しずつ好意を持たれる感じの人柄の良さが見ていて面白かった。
歌ってるシーンも和む。
クリント・イーストウッドは
基本的に無表情だったけど、
その演技も年齢設定も役にピッタリだった。
朝食で警察との会話のシーンがあったことで
捕まったシーンも心に残るものがあった。
教訓『金で時間は買えない!』『家族を大切に!』
イーストウッド久々のはまり役
クリント・イーストウッドって人は映画監督としては超一流で、なんでこうも傑作ばかり作れるんだろうと不思議に思える位物凄いお方です。しかしその反面、俳優としては大根もいい所で困ったもんでした。理由は表情に乏しく、喜怒哀楽が顔に出ないからです。だからニヒルで無表情な役はそのままでもとてもハマって見えます。昔のマカロニ・ウエスタンやダーティ・ハリーなんかはその好例です。しかし表情を必要とするシリアスな作品では、それはそれは酷いことになります。
ということで本作はイーストウッド主演と聞いて、即見る気が伏せました。だから劇場では見ず、WOWOWで放映されたので暇つぶしに見た程度でした。
しかしこれは大誤算でした。この主人公役はもう彼以外はあり得ない程のはまり役なのです。あの無表情さが年齢を重ねて怖い物無しの老人役にピッタリなのです。実際役通り90歳近くになったイーストウッドは痩せて背中も曲がり始めて、外観もこの役のままになっています。まさに演技をする必要もなく、彼自身をそのまま演じれば良いのです。
ストーリーもこの手のクライム物とは全く違う人間ドラマになっていて、若いチンピラギャングが慌てふためくようなハラハラする場面も、主人公の年齢からくる落着きで全て交わしてしまうのです。それはもう滑稽な程です。
周りから邪魔者扱いされ、家族にも見捨てられた主人公がギャングの麻薬の運び屋という仕事を得、徐々に信頼を勝ち得て、遂にはギャングの大ボスにまで気に入られてしまうという下りは全くお笑い物です。
特に本作の優れているところは、随所に主人公の人生哲学が散りばめられているところでしょう。またそれを演じるのが同年代のイーストウッドだからこそ言葉に重みがあります。その90歳の主人公でも自分の元妻の死に立ち会って初めて、この世の中で何が一番大切なのかを学ぶことになります。それはとても感動的なシーンになっています。
本作はテーマの重さも含めて、クリント・イーストウッドの演出・演技の集大成といっても過言ではありません。まさに名作の域に入っている傑作だと思います。
悔いがない人生にしたいと思える
いやーおもしろかった。
1回目運んでる時に陽気に歌を口ずさみながらドライブしている爺さんを観て「ただの爺さんのドライブを見せられてる笑笑」と思ってしまうくらい平和を感じるシーンだった。ま、麻薬を運んでたわけだが。
メアリーの最期のシーンが泣けた。今まで嫌なことされてきたけどやっぱり好きだったんだね。泣けた。
タイヤ屋の組織の人と楽しく会話をする爺さんをみて何故か微笑ましくもなった。
皆さんのレビューを見てたら、監督&主演ってまじかーー!!!すげ。グラン・トリノも見てみたい。
佇まいに涙
クリント・イーストウッドがグラントリノ以来の主演もすると聞いていたから、すこぐ楽しみにしていた作品。
最初スクリーンに出たとき、さすがに年老いたなぁと感慨深くなった。と同時に役柄に完璧になりきっていからこそ、老いた風貌を自分は感じたのだと思う。
運び屋として染まっていく一方で歌を歌いながら仕事を全うしていく姿に寂しと嬉しさが去来する。
多額のお金よりも大事なものが人生にはある、そして守り抜いていかなきゃいけないと言うことを、彼の人生すべてで教えてくれた。
もしかしたらスクリーンで見ることが最後かもしれないと思った途端、最後の法廷での立ち姿に役柄を超えてくる巨匠イーストウッドの佇まいにただただ感動して涙が溢れた。
タイトルなし(ネタバレ)
あなたは仕事と家族どちらが大切でしょうか。
日々暮らしていく中でお金が大事。仕事が大事。という場面が多々出てくると思います。ただ、それは家族を蔑ろにして得ても意味があるのでしょうか。
私は現代社会は仕事やお金というものを重視しすぎており、その仮想上に存在しているもの(仕事・お金)が領域(家族)を侵食していると感じます。仕事やお金は自分・家族の生活を助けるものではありますが、一方的に奪うものではありません。
この主人公は90歳という高齢であり運び屋をやっております。若い時は仕事を優先しており、家族を重視しておりませんでした。それは運び屋を行っても同じでしたが、最後に自分の命と妻の最後を見届ける2択に対して、妻の最後を見届ける方を選択しました。
これは今までの悔やみもあり、年齢的なものもあったのかもしれません。
ただ私たちはこの年齢にもなってないかもしれませんが、この映画から何が自分に大事なのか。何の時間が大事なのか。ということを考えさせられる映画になっていると思います。
そばにいるためにお金なんて必要ないわ
映画「運び屋」(クリント・イーストウッド監督)から。
ストーリー的には、メキシコ麻薬カルテルの「運び屋」で、
やや面白みに欠けたが、90歳に近い老人が
どうしてこのような仕事に足を踏み入れたのか、
大変興味があった。
その答えは、奥さんとの会話で理解できた。
「あなたはいつも外に生きてた。
各地での品評会や人付き合い、注目の的でいたいのね。
みんなを楽しませ、素晴らしい人と言われる。
家にいてもあなたは早く外へ戻りたがる」
「その通り、外で認められる方がずっと大事だと思った。
家での俺は役立たずだから・・」
そう、働いている男にとって、家の外と内では、
どうしても評価される「外」を選択したくなる。
だから麻薬の運び屋でも、評価される仕事を選び、
危険をおかして得た報酬で家族を喜ばせようとした。
ちょっと極端だけど、わからなくない。(汗)
それを知っている妻は、そっと囁く。
「そばにいるためにお金なんて必要ないわ」
外で評価されることが家族のため、と勘違いしていた。
しかし定年退職し、家族といる時間が増えたこともあり、
この台詞は、なぜか私の腑に落ちた。
今頃?と思うかもしれないが、今でも気付いてよかったな。
これから、やり直せるから。
レジェンド
クリント・イーストウッド
深く刻まれた皺、哀愁漂うスタイル、本当にかっこいい...
回を重ねる事に増えていく報酬にも驚かず、自分が運んでいたものが大量の麻薬だと判明した直後の麻薬犬や目付け役を助けてあげる機転が印象的でした。
悪事なのに応援したくなる
疎遠だった家族と運び屋を始めてから少しずつ歩み寄り妻の最期を看取れて裁判では優しい声を掛けてくれる家族たち。
刑務所内で大好きなお花をまた育てることが出来...
悪い事ではあるけどやって良かったことなんだなーと(ダメだけど
イーストウッドの演技は「運び屋の老人」そのもの
【字幕版】運び屋
鑑賞日 2019 3/12
クリント・イーストウッドが監督・主演を務めており、麻薬の運び屋の老人の生涯を描いた話。全体的にテンポが良く、主人公の老人も陽気でジョークが上手で境遇も共感できるものだった。最初は何も考えず荷物を運び大金を貰うのだが、徐々にそのリスクと貰う金額が増えていき、最終的には破滅の道へ……。というストーリーで、なかなかバットエンドだった。カイルはとても人がいいのでカイルを脅していたギャングでさえも変えてしまうというストーリーや警官に家庭についてのアドバイスをするストーリーも面白いし、体の先まで悪人というわけではないことを表していた。だが運び屋になる→警察に捕まるというだけの話を映画化する必要性はあまり感じなかった。
ああ、よかった。と思えました。
口が悪くて嗅覚のいいおじいちゃんがかわいい。
花を愛している。ということで全てのうまく行っちゃう出来事も、まあ、いいか。と思えてしまいました。
何もかもは手に入らない。でも、最後に、よかったかも。と思えるくらいが丁度いいんじゃないかと思っている私にはぴったりしっくりでした。
平和すぎる!うまく行きすぎだろ!映画かよ!!と感じられる方もいるかもしれません。
ハードボイルドを装った少女漫画です。
癒されます。
万人に勧められる作品かと思います。
現代人への揶揄
人は寂しさが引き金で色んなことを引き起こしてしまう。老人だからこその寂しさやそれを埋めるためのお金の必要性。そこに麻薬組織のニーズと合致した面白さがある。それが単なる転落ではなく自分の愚かさを認知したことにより、家族を求める自分の気持ちに向き合う行動に繋がった。長くない余生にも関わらず自分の罪を認め逃げることをせず、また刑務所でデイリリーを咲かせる、その場その場での自分の生き方を最後まで諦めないところにどんなに歳であっても自分を生き切る強さを感じた。ところどころに散りばめられる、差別とは何か、義理人情のなくなった現代人への揶揄も小気味が良い。トリノとは違う老人の格好良さを見せてくれる。
切ない物語なのかと思いきや
90歳で麻薬の運び屋になる話なので、多分切なくて暗い話なのかと思いきや!
なんとユーモアに溢れた作品!
銃を突きつけられた主人公アールが「俺は戦争に行ってるんだ。お前なんか怖くない。若造が」って、軽くあしらうシーンがたまらなく好きです。かっこよすぎます!あと、ギャングが銃をつき付き合って一触即発のシーンなのにリップ塗ってるところも大好き。思わず、吹き出しちゃいました笑
農場の仕事も失敗し、家を差し押さえられ、家族にも嫌われ、それでも自分のダメなところをすべて受け入れて、軽やかに、腹をくくってドンと生きる主人公にとても感動しました。
アールが病気で倒れた妻の元に、運び屋やそっちのけで駆けつけるところは涙なしでは観れません。
最終的には捕まってしまったけれども、家族との関係が深まって、わたし的にはハッピーエンドでした。
クリントイーストウッド監督の作品はバットエンドが多く、わたしの中で嫌煙しがちでしたが(ミリオンダラーベイビーとか鑑賞後しばらくヘコんでたし笑)
この作品は良かった。
人生の、様々なことを経験した人だけが出せる、重みのある演技は本当に素晴らしいとしか言えません。
とても、満足のいく作品でした。
最後は爽やか
まず言いたいのが「吹替版で観た時の完全さ」
みなさんご存じのように山田康雄さんはもうこの世にはいらっしゃらないのに、多田野曜平さんの完璧な吹替で、昔のゴールデン洋画劇場や日曜洋画劇場などで観ていたイーストウッドの映画が戻ってきた気分で本当に何の違和感もなく観られました!
DVDレンタルで観たのですが、この吹替がどんなものか観てやろうという気持ちで借りて内容にあまり興味なく借りたのですが、ストーリーも良く見方によってはハッピーエンドではないかも知れないけど、すごく良かった!
是非沢山の人に見てもらいたい作品
運び切った生きざま
前作も実話、次回作も実話。
ハリウッドの生き神様にして、すっかり実話の名手となったクリント・イーストウッド。
本作も実話だが、特別感が。
『人生の特等席』以来6年振り、自身の監督作では『グラン・トリノ』以来10年振りに主演。
俳優業は半ば引退して監督業に専念…と思いきや、やはり“銀幕スター”なのである。
そんなイーストウッドが役者復帰を決めた実話の内容は…
90歳で麻薬の運び屋となった老人。
NYタイムズ誌に掲載された驚きの記事をベースにしたクライム・ドラマ。
まるで「世界仰天ニュース」か「アンビリバボー」のような話自体にも興味惹かれるが、久々の“役者イーストウッド”に尽きる。
イーストウッドが演じる役柄は、言ってしまえばほとんど似たり寄ったり。
頑固、偏屈、孤高。
己の生き方を貫き通し、かなりの確率で家族と疎遠。
本作も例外に漏れず。
デイリリー栽培の仕事一筋。園芸界では人気者の有名人。
が、家庭を顧みず、娘の結婚式にも出席せず。元妻や娘に心底嫌われているが、孫娘だけは唯一の味方。
散々好き勝手やって来たしっぺ返しか、馬鹿にしていたインターネットに負け、失職。仕事も家族も失う…。
そんな時、人生の晩年で一大事。
出席した孫娘の結婚式で、とある青年から何かを運ぶ仕事の話を持ち掛けられる。
軽い気持ちで引き受け、巨額の報酬にびっくり!
それが麻薬とは知らずに…。
ファミリー・マンとしては失格。口も悪く、時々差別的な発言も。
ろくでもない男でダメ人間かもしれないが、何故か憎めない。
性格自体は気のいい爺さん。孫ほど歳の離れた新しい仕事仲間ともすんなり打ち解ける。
マイペース。運びの仕事中も呑気に歌を歌ったり。
道中、パンクした車を見掛けたら手助け。
保安官に止められても年の功でやり過ごし、時には麻薬カルテルのお目付け役やDEAすら振り回す。
ルールに従わず、カルテルを苛々させるが、仕事はきっちりやり、ボスには気に入られる。
パーティーに呼ばれ、若いセクシー美女とイチャイチャ。
う~ん、人生楽しんでる!
イーストウッド自身も楽しそうに演じているのが見てて伝わってくる。
ある時、遂に積み荷が麻薬である事を知る。
さすがに動揺するが…、それでもこの仕事を辞めない。
どんな仕事であれ、まだまだ仕事を出来る事が男として誇りを感じるのだろう。
巨額の報酬も魅力なのだろう。
でもそれ以上に、家族。得た報酬で家族に大盤振る舞い。
失った関係や時を、今お金で必死に埋め合わせしようとする…。
しかし、やってる事は違法。DEAが本腰を入れて動き出す。
やり手の運び屋の存在を知るが、なかなか網に掛からない。
素性を知らず、ある時顔を合わせる。
DEA捜査官役のブラッドリー・クーパーがいい役回り。
ここ数年のイーストウッドとブラッドリーの師弟関係が何だかいい。
『アメリカン・スナイパー』では監督と主演、『アリー スター誕生』では企画を引き継ぎ、そして本作ではいよいよ初共演。お互いの身の上話をするシーンがしみじみさせる。
順風満帆だった仕事にも暗雲が立ち込め始める。
ボスが変わる。変わった経緯は…、つまりそういう世界。
これまでのマイペースが通用しなくなる。ルートもルールも命令も時間も全て厳守。もし、破ったら…。
しかし、これがかえって逮捕の近道に。
ルートも時間も厳守という事は、マークされ易くなる。これまでのマイペースの方が予測出来ずにマークされ難かったと言うのに…。
そして、孫娘からある報せが。元妻が余命僅か。
駆け付ける事が出来るのなら今すぐにでも駆け付けたい。
が、今運びの真っ最中。厳守しなかったら…。
再び家族を失うのか。
選んだのは…、言うまでもない。
最後に行き着く先は、家族。
最期のひと時とは言え、元妻と過ごせた蜜月の時間。
12年もろくに話していなかった娘との和解。この娘役がイーストウッドの実娘で、何だか説得力とリアリティー有り過ぎ。
運び屋稼業も遂に終わる。
逮捕。以前、素性を知らず顔を合わせた捜査官との“再会”…。
裁判。判決。
が、男は、末路も実刑も全て自ら受け入れる。
自業自得。罰を受けて当然。
でもその代わり、欠けがえのない家族を取り戻せたのだから…。
もう人生終盤と思った爺さんの思わぬ現役バリバリ。痛快なコメディ調。
DEAや麻薬カルテルとのやり取り。スリリングなクライム・サスペンス。
一人の男の山あり谷ありの生きざま。
そして、贖罪と家族愛の物語に、最後は胸打たれた。
道外れを行き、寄り道ばかりして来たが、最後に運び切った人生。
『ハドソン川の奇跡』『アメリカン・スナイパー』も見応えあったが、ここ数年手掛けた作品の中ではBESTってほどではないが、一番愛着沸いた。
それもこれも奇想天外な実話ならではの面白味もあるが、ユーモアも哀愁も感動も滲ませるイーストウッドの佇まいと魅力。
老いても尚。…いや、老いを迎え入れない。
懐かしのイーストウッド
子供のころよく映画でみていたイーストウッド。
お互いに歳とりましたよね。
でも、まだ頑張っているんですね。
私も頑張ります。
映画はちょっと退屈で途中ウトウトしちゃったけど
ラストは家族とうまくいってよかったですね。
アメリカンちょいワルジイさん
イーストウッドが演じるにふさわしい役柄で本当に実話のように思えた。外に出てみんなにチヤホヤされたい男は気がついたら家族に見放された孤独な老人になっていた。最初は孫のため、友達のために運び屋でお金を稼ぐ。でも調子に乗って奥さんを愛しているのに女をかうわ、金のブレスレットするわでダメジジイ。
奥さんが病で死ぬ時にようやく気がつくのだ。何が大事か、どうするべきなのか。
最後の時間だけはお金で買えなかったというつぶやきが彼の本当の気づきかもしれない。
面白かった。おじいさんになっても渋くてカッコいいイーストウッド。そして久しぶりに見たアンディガルシアの可愛さも良かった。
人生の在り方
いい意味で退屈な映画だった
映画の満足度ってシナリオも重要だけどそれを誰が演じるのかって事にも左右されるんだなあと改めて感じた
勿論、無名な役者の方が功を奏する場合もあるけど、この映画だったらクリントイーストウッドじゃないとダメだ
自由に自分の思うまま生きてきた男が最終的に家族と向き合わざるを得ない現実に誘導される
その時に妻が、一緒にいてくれた方が嬉しいと言っていたが、失われた時間の本来の在り方は失われたからこそ願望としてこうあるべきと美化されるのでは?
夫は社交的にふるまうのが好きで、見栄をはってお金を調達する手段として年老いた身で運び屋という仕事に偶然だけどありついた
これは社会悪に加担した老人を批判的にみる映画ではない
この老人は紛れも無い悪人であり、観客が思う典型的な悪人と温度差があるとしたらクリントイーストウッドが演じているからだと思うし、映画本編で憎めない役柄を設定してしまったから一見矛盾を感じる
埋め合わせをどこかでするのだろうか?という期待はあったかもしれないがそうじゃない
悪に加担した者は法によって裁かれるというアンサーを結末で明確に示したからもうそれでいいのです
ドラッグが蔓延しているのは「純然たる現実」で、その一幕がこの映画だったというだけ
なので手を替え品を替えというやつだが実は運び屋とかホントは関係ない
実話を元にとしているが完全に脚色されてるし、人生の在り方を振り返るってやつをクリントイーストウッドがやってみせただけだ
だけどそれがいい
そういうオヤクソクがあっていいし、これは"そういうジャンル"の映画だと思うからです
それとは別に映画として、登場人物らの会話も味わい深かった
特に個人的にツボだったのは、イーストウッドがマフィアのパーティで「お前の事なんか屁とも思っちゃいない」とアドバイスをした時「当時何にも無かった俺を拾ってくれたんだぞ!」と言い返されて退散するシーン
そりゃ信奉させて手駒にするなら有能でスペックの高い人材なんかじゃなくてその真逆の人材を選ぶよね
だってそういう人間には選択肢がない
この映画の老人にも当てはまる
違いは残された時間と可能性だけだがそこは伝わらない
ツボをわきまえたカッコイイ映画
実話をベースにした脚本らしいが、魅力的なユニークなジジイ像を示すエピソードがテンポ良く語られ、それが映画文法を踏まえて且つおしゃれで、全体的に実にかっこいい映画の印象。
ちやほやされるのも若い美女も大好きで、運びによる大金取得でどんどん調子こいていく様の描写が実にうまく、二グロと人種的偏見言葉使いながら困ってるカップル助けるエピソードがさリげなく秀逸。そして、組織の人間達がだんだんとイーストウッド・ジジイが好きになっていくことに実に説得力が有るのが、演技力と演出力のなせる技か。
ブラッドリー・クーパー捜査官との一対一のやりとり、組織のボスが手下に殺されてからの大きな展開、そして命かけた妻の看取りは実に映画的で、シンプルながら心を打つ。そう幾つになっても人間は学びやり直し、更に成長できる!その普遍的なメッセージが観る人間に力を与えてくれる。クリント・イーストウッド監督の知性とパワー、さらにその匠の技の更なる向上を実感させられて、とても嬉しく思えた。
良かった
実際にあった報道記事を参考にしているらしい。家族をないがしろにし、孤独になった老人が、麻薬の運び屋をする話。クリントイーストウッドって、こんなに爺ちゃんだったかな?って思った。ちょっと丸くなった背中が、老人らしさを現してた。オープニングの後、ヨボヨボ過ぎて心配したけど、運び屋を繰り返すうちに、自信を持ち始め、元気になっていく、その変化も良かった。やっぱり、彼は、仕事人間なんでしょうね。仕事をしている時は、輝いていたもん。とても良い作品だったと思う。でも、運び屋をしている老人には同調できないし、何が、どう面白かったのか、うまく伝えられないな…。
全85件中、21~40件目を表示











