運び屋のレビュー・感想・評価
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金で買えないものは、そこでずっと待っていた。
死を目前にしたメアリーの言葉が心に滲みた事を除くと、少し中途半端な感がして、感動には至らず。もっとメリハリあった方が良い気がしますが、このサラッとした具合がイーストウッド流なんでしょうね。
社交性に長け、花造りに没頭し、家庭の外を居場所にして来たアールの能天気な軽さ。と、麻薬を巡るクライムものの重さの対比。
前者は程よい演出で楽しかった。と言うか、テンポ良く、スラスラと話を進めてくれるので好きでした。後者の緊迫感は薄い印象。狙いですかね。
金より時間。時間は金なり。メアリーとマフィアの異なる価値観は、イーストウッド世代の「後悔」の表明なんかなぁ、と思いながら。家族を蔑ろにしたい訳じゃないベイツと、家より外に出るのが好きなアールじゃ、罪深さが全然違うじゃん、と思ってしまった自分を反省しながら帰って来ました。家族からすれば、どちらも一緒かも知れない。
ダイアン・ウィーストが良かったです。イーストウッドは言わずもがなです。
家族が一番、仕事は二番、三時のおやつはサンドイッチ
90歳という老人を表現するのに、これでもかこれでもかと演技力を発揮したイーストウッド。さらに携帯の無い時代を生きてきたことを強調し、デイリリーを育ててきた園芸一途の男だったのにインターネットに仕事を奪われてしまったのだ。ケータイ絡みのシーンはほのぼのさせられるし、麻薬カルテルの人たちもなぜだか親近感を覚えてしまう前半部分。
一回運んだだけで新車も買えるし、差押えられた家をも買戻し、退役軍人会の建物だって直してしまうくらいなのだ。老人だということで、警察やDEAの捜査網からも逃れることが出来てしまい、ついつい止められなくなり、メキシコまで飛んで麻薬王ラトン(アンディ・ガルシア)からも可愛がられる始末だ。
好きなシーンはそこでフリオに対して「こんな仕事辞めなさい」と親心で諭そうとするところ。自分も家族を顧みなかったことから、反省し始めてたから出た言葉なんだろうけど、「孤独な俺を拾ってくれたファミリーなんだぜ」と切り返される。血のつながった家族と麻薬組織のファミリーの対比も面白い。
家族というキーワード以外にもいろいろと工夫が見られるものの、それがちょっと空振り気味だったのが残念。タコス野郎とかニグロとかの人種差別だったり、バイク姉ちゃんたちだったり、どちらも中途半端だったのだ。また、DEA捜査官たちもブラッドリー・クーパーやローレンス・フィッシュバーンといった有名俳優を使う中、マイケル・ペーニャがいまいちはじけてなかったのも残念。
監督と演者の二つの才能を持つ男
(´ー`)あーいい映画見た。
沁みるなぁ
本当は、早めに仕事を切り上げて、映画館に向かうはずたった。なんせ、クリント・イーストウッドが銀幕に返り咲くのだ。初日に観に行かねば、男がすたる。
が、よりによってこんな時に、急ぎの要件がたて込む。まぁ、そんなものだ。結局、レイトショーに駆け込んで、ようやく着席…。こんな時に、彼ならどう言うのだろう。"遅いな。だが、サボり魔のクソ野郎にしては上出来だ"かな。
冒頭でいきなり、ヨタヨタ歩く老人が出てきた。彼だ。
「ダーティハリー」あたりからだから、かれこれ40年以上、彼を見続けているのだと、改めて感じた。歳をとったな、ヨボヨボじゃないか。
しかし、すぐにあの、口汚い軍隊式挨拶と軽口で、昔の彼に戻った。彼の演じる主人公は、大抵退役軍人で、ものに動じず、ユーモアを忘れない、人生を楽しんでいるタフガイであり、いわゆる良きアメリカの頑固オヤジなのだ。
古い友人に「生きてたのか? 死んだと思ってた」、井戸端会議のおばあちゃん達には「場所が違うぞ。ミスコンの会場は3階だ」てな挨拶を声をするわけだ。それと同じ感じで、ピストルを突きつけるギャングに、「俺は戦場に行ったんだ。指図は受けない」と返す。あまりに格好良すぎる。しかも、そうしたギャングの若者に対しても、優しく心を寄せ、老人のアドバイスだと人生を諭す。もはや、眩しくて目が開けられない。
監督としても、彼の作品には、何かしらの信念があり、タフで優しい。大抵苦難を笑い飛ばして弱者を助けるような、粋な人物がいて、信じたことのためには徹底的に戦い、友人のためであれば命も惜しまず、法や権力さえも彼(彼女)を止められない。こういう強さに裏打ちされた優しさが背景にあって、母国に誇りを持っている。アメリカはそういう良き人々が暮らす、偉大な国だよな、というのが彼のメッセージであり、アメリカ・ファーストと叫んで歓心を買うような必要は無いはずだ、という自信が感じられる。
さて、なんだか映画の感想になっていないが、私にとっては、無条件に観なければならない作品だった。予定通り、イーストウッド節が心に沁みる、心地よい時間が過ごせた。この余韻をそのままに、家で「グラン・トリノ」でも観ようかな。
最高!
安定のイーストウッドクオリティ
安定のイーストウッドクオリティと言って良いでしょう。本当に毎回、心に残る作品を生み出してくれます。
ドラッグの運び屋を行う高齢者という地味な設定に、もし他の監督だったら安直でつまらない作品になってしまうのではないかと思われる物語も、わかりやすいストーリー展開とイーストウッド自身の絶妙な演技にグイグイ引込まれていきます。とにかく味がある、その一言に尽きるのかなと。
人間、歳を取るとややもすれば説教じみた方向に進みがちな作家が多い中、決して地味ではなく押しつけでもなく、終始温度感を崩さずにスゥ~っと入り込ませてくる、そんな心地良い人間ドラマに素直に心が反応します。
今回もイーストウッドから多くの人生教訓を学ぶことができました。感謝の気持ちを持って劇場を後にできる希有な作家として、これからもできる限り作品を作り出してほしいと願います。
ストーリーはすごくシンプルだがセリフが素晴らしい
じんわり沁みるが、遅咲き⁉遅すぎでしょ
サスペンスぽい予告を期待すると駄目
デイリリー園芸農家一筋
家族の為と云いながら家庭に居場所を見出だせなかった時代遅れのワーカホリック
グラン・トリノの脚本家も参加、と言われて納得の久しぶりCイーストウッド主演&監督作品プロデュースも。
シカゴとニューメキシコを国道55線で行ったり来たり。
US Interstate 55 (I-55)
1500㌔以上。シカゴとルイジアナ州ラプレイスをつなぐ南北道
オールディーズの鼻歌。えぐい歌詞
職質の切り返し
Tバック
James Stewartはアメリカの良心と呼ばれた俳優
ポルカ
ポークサンド
ピーカン
フォードのトラック
メキシコ麻薬カルテル
人種による偏見は2017年にも如実
Lincoln Mark LTフォード
元ネタは「The Sinaloa Cartel's 90-Year-Old Drug Mule」レオシャープ
予告で、損してる!!
初日に劇場鑑賞
サングラス姿が似合う90歳をこなせるのはイーストウッドだけ
個人的に、近年のイーストウッド監督作にはハズレがない、という印象だが、本作もやっぱりハズレなかった。
運び屋となってしまった90歳の老人の日々を淡々と追いつつも、節々でユーモアも入れる手堅い演出。
必要最低限な描写で展開を分からせる手法も、もうお手の物。
実際の事件がベースなのに、自身の半自伝要素をサラリと入れて、すっかり自分の映画にしてしまう。
ジョークを言ったり、歌ったり、若い女性相手にハッスルしたり、おまけにサングラス姿が似合う90歳をこなせるのはイーストウッドしかいない。
とにかく気力がある限り映画を撮り続けてほしい、と願うばかり。
奇しくも本作公開日は、イーストウッド主演の『続・夕陽ののガンマン』を題材にしたドキュメンタリー『サッドヒルを掘り返せ』も同日公開。
2019年3月は「イーストウッド月間」となった。
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