運び屋のレビュー・感想・評価
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しみじみとさせる、不思議な映画
町山さんが「たまむずび」で紹介していたとおり、好き勝手に生きてきたイーストウッド自身の半生を振り返る内容の映画。
主人公は、仕事や社交優先で、家族のことは放ったらかしであったが、仕事の転機などをきっかけいに変わっていくのであるが、観ている方も主人公の飄々とした姿に笑い、またしみじみとさせられ、またカーステ(死後)で好きな曲を口ずさみながら、ロングドライブにでかけたくなる。
ラブロマンスだこれは
この映画はやりたい放題の人生
それはマックイーン自身の家族への自戒込めてかも。
最後の妻とのやり取りが全て。
男には家に居場所が無かった。
女は家にいて欲しかった。
やがてすれ違うふたり。何処にでもあるだろ。
お互いに愛を求めて闘っていた。
そんな男女が相手が死ぬ淵に居るときにわかり合えた。
そんな時に捕まって安心した。男。
だからこそ有罪判決をみずからにかしたのでは。
運び屋も、花自体もこの映画から為ると
老齢でのラブロマンスだね。これは。
日本であげるなら内田裕也夫妻だな。
裕也さんコレ見たら何を感じたんだろ。
日本でこのての映画やろうとすると、如何しても
少しチャカシちゃう所有るけど
マックイーンは見事に男の哀しさ表現したな。
不器用だから愛される。そんな時淋しい男のストーリー
見終わったあとの最高の気分
グラン・トリノ以来の十年ぶりのイーストウッドの新作。いや〜いいねー!こんな年寄りになりたいと思ったよ。アクションシーンとかは特にないけど落ち着いた朗らかな雰囲気が常に漂っていた。ここで終わらないで死ぬまで撮り続けて欲しいなあ。
懐かしのイーストウッド
子供のころよく映画でみていたイーストウッド。
お互いに歳とりましたよね。
でも、まだ頑張っているんですね。
私も頑張ります。
映画はちょっと退屈で途中ウトウトしちゃったけど
ラストは家族とうまくいってよかったですね。
惹き込まれる
クリント イーストウッドの監督主演映画である「グラン トリノ」から早10年…今回は実の娘との共演。
素晴らしい映画人生だと思う。
「家族愛」をテーマに、今一番大切なものを世間に問いかける…
生まれた日を忘れて、いつだってやり直しができる。
お金よりも自由よりも大切なものとは何か…
それは愛と時間。
そして、人種差別ととる禁止された言葉や行動を自然にできるさまは、物事には善悪はない、もっと自然体で生き人を愛を持って同等に接することを掲示していたと思います。
鑑賞後、ドンパチ映画の内容とは裏腹に優しく穏やかで心が温かくなるのは、クリント イーストウッド監督の凄さだと思います。
人生は楽しもう
エンドロールがながれたとき、人生は楽しむためにある。なんとなく、そう感じた。アールみたいな爺さんが夫だったり父だったりしたら、妻や子供はたまったもんじゃないことは、重々承知しているが、「人生を楽しめ」なんてほざいて、ひょうひょうと鼻歌を歌いながらブツを運び、若い女性と戯れながら回春を謳歌しているアールを見ていると、「人生は楽しんでいいんだ」と思ってしまう。
こんなに軽みがあるクリント・イーストウッドにはびっくり。それでいて、凄みを見せるシーンもあり非常に楽しめた。
愚かな男の成れの果て
・もっと楽しめ…
あんたは楽しみすぎだ。その結果が今のあんただ…
・仕事は2番でもいいが、1番は家族でなきゃならない…
・家では役立たずだったから、外では認められたかった…
・金がいくらあっても、時間は平等に過ぎていく…
切ない物語。
彼は彼なりに必死に生きてきたはずだが、
家族の不満を省みなかったことの痛いしっぺ返しにあう。
気づきかけた時には、もう過ぎた時間は取り戻せない。
老年・壮年の男には、遠からず共感するところがあるのではないだろうか。
仕事、あるいは仕事上の付き合いを優先することを正義だと思ってきた男たち。
自分もそうだった。それが家族を養うためだと言い訳をしてきた…
最近は、自分中心で家族を省みない男はいても、家族より仕事を優先する風潮は薄れていると思うが。
元妻の最期に付き添ったことで、元妻の主人公への思いを聞くことができた。
詫びることもできた。
母の思いを知って、疎遠だった娘も許してくれた。
その矢先、遂に犯行の終焉を迎えるのだが、やっと戻りかけた家族との絆がこれによって再び瓦解するのかと思いきや、娘と孫は変わらない愛情を示してくれた。
他人ではないからこそ、許せなかったり強く結ばれてたりするのだなぁ。
老人は、危険な犯罪に手を染めていく中で、自分の過ちに気付いていく。
それは犯罪のことではなく、家族をないがしろにしたこと。
ある意味、命を懸けて元妻の病床へ駆けつける。
娘に感謝祭に招待され、嬉しかっただろうが、組織に殺される覚悟はできていた。
娘との約束をまた破ることになるが。
ブラッドリー・クーパー演じる捜査官の執念の追跡が、結果的に老人を救うことになる。
「あんただったのか…」
絶妙な物語構成。
運び屋を始めてから回を重ねていく物語の序盤は、ヤクザ者たちとの掛け合いも含めて軽妙なコメディのようで、可笑しい。
貫禄がついてきたアンディ・ガルシアに女をあてがわれて「楽しめ。だが無理をするな」と気遣われたりする。
捜査の手が伸びていることに老人が気付いくあたりから、組織のボスの転覆劇もあって、緊張感が出てくる。
家族との関係を示す場面が何度か挿入され、老人の心理の変化を微かに表現している様だった。
背中が若干丸まったクリント・イーストウッドを見るのは辛い面もあったが、銃を突きつけられても「俺は朝鮮戦争に行ったんだ。そんなものは怖くない」と平然としているようで怯んでいるようにも見える演技は、いぶし銀だ。
刑務所の花壇に花を植えるイーストウッドの姿は、決して好き放題に生きてきたわけではないが、数々の分かれ道で選択を過ってきた男の成れの果てなのだが、残された時間が少ない老人の憐れと安息が同居しているように見えた。
アメリカンちょいワルジイさん
イーストウッドが演じるにふさわしい役柄で本当に実話のように思えた。外に出てみんなにチヤホヤされたい男は気がついたら家族に見放された孤独な老人になっていた。最初は孫のため、友達のために運び屋でお金を稼ぐ。でも調子に乗って奥さんを愛しているのに女をかうわ、金のブレスレットするわでダメジジイ。
奥さんが病で死ぬ時にようやく気がつくのだ。何が大事か、どうするべきなのか。
最後の時間だけはお金で買えなかったというつぶやきが彼の本当の気づきかもしれない。
面白かった。おじいさんになっても渋くてカッコいいイーストウッド。そして久しぶりに見たアンディガルシアの可愛さも良かった。
年をとるのも悪くない
観たい、観たいと思って都合がつかず、やっと観てきました。
家族が大事、カネで時間は買えないが主なテーマであるのは間違い有りませんが、私はもう一つ大事なテーマが有るようにおもいました。
飄々と運び屋稼業をやるアール、ブツの受け渡し所のチンピラと次第に仲良くなってスマホのメールの仕方を教わったり、ボスが寄越したお目付役の身を案じて足を洗えとアドバイスしたり、遂にはそのボスからお招きされて極上の接待♡されたりと前半はゆるーい感じでしたが、ボスが内部のクーデター?によってヤられてからは一気に緊張感が増します。
そして「お前は奴隷なんだ。」と言われてしまいます。
奴隷、クリント イーストウッドには一番似つかわしくない言葉です。
ここに私は反応しました。
御大は人生、遊びゴコロが大切なんだよ、
ヒトを簡単に奴隷なんて言うもんじゃないよ、また簡単に奴隷に甘んじてちゃいけないよと言ってるのではないかと。
後から実権を握った奴らはコンプライアンスに厳しくなって思うような表現がやりづらくなっている映画作りに対する暗喩なのか、日本的にはブラック企業なんて見方もできるのかななんてね。
だから最後運び屋が捕まるんじゃなくてマフィアとドンパチするエンディングを少し期待してしまったけど、まあそれはそれで安っぽくなっちゃうよな。
やっぱりアメリカはロードムービーが似合う。 話は結構シンプル。構成...
やっぱりアメリカはロードムービーが似合う。
話は結構シンプル。構成もシンプル。
なのにこんなにも面白い。流石です。
御大のバツの悪い顔がなんとも魅力的。
人生の在り方
いい意味で退屈な映画だった
映画の満足度ってシナリオも重要だけどそれを誰が演じるのかって事にも左右されるんだなあと改めて感じた
勿論、無名な役者の方が功を奏する場合もあるけど、この映画だったらクリントイーストウッドじゃないとダメだ
自由に自分の思うまま生きてきた男が最終的に家族と向き合わざるを得ない現実に誘導される
その時に妻が、一緒にいてくれた方が嬉しいと言っていたが、失われた時間の本来の在り方は失われたからこそ願望としてこうあるべきと美化されるのでは?
夫は社交的にふるまうのが好きで、見栄をはってお金を調達する手段として年老いた身で運び屋という仕事に偶然だけどありついた
これは社会悪に加担した老人を批判的にみる映画ではない
この老人は紛れも無い悪人であり、観客が思う典型的な悪人と温度差があるとしたらクリントイーストウッドが演じているからだと思うし、映画本編で憎めない役柄を設定してしまったから一見矛盾を感じる
埋め合わせをどこかでするのだろうか?という期待はあったかもしれないがそうじゃない
悪に加担した者は法によって裁かれるというアンサーを結末で明確に示したからもうそれでいいのです
ドラッグが蔓延しているのは「純然たる現実」で、その一幕がこの映画だったというだけ
なので手を替え品を替えというやつだが実は運び屋とかホントは関係ない
実話を元にとしているが完全に脚色されてるし、人生の在り方を振り返るってやつをクリントイーストウッドがやってみせただけだ
だけどそれがいい
そういうオヤクソクがあっていいし、これは"そういうジャンル"の映画だと思うからです
それとは別に映画として、登場人物らの会話も味わい深かった
特に個人的にツボだったのは、イーストウッドがマフィアのパーティで「お前の事なんか屁とも思っちゃいない」とアドバイスをした時「当時何にも無かった俺を拾ってくれたんだぞ!」と言い返されて退散するシーン
そりゃ信奉させて手駒にするなら有能でスペックの高い人材なんかじゃなくてその真逆の人材を選ぶよね
だってそういう人間には選択肢がない
この映画の老人にも当てはまる
違いは残された時間と可能性だけだがそこは伝わらない
クリント・イーストウッドたる魅力あふれる映画で、私の感想は、、
クリント・イーストウッドの数年ぶりの監督さらに出演作品であり、
そして何より、90歳の麻薬運び人という題材すごく興味深い!
日本では高齢者の運転免許証の自主返納が推進されている中、
海の向こうの国では、90歳のご老体が麻薬運び人として暗躍しているのか!?
しかも、マフィアのボスにまで気に入られて、その女を侍らして(しかも二人も相手に!)一夜をともにする、というそっちのほうでもまだま現役のスーパーおじいちゃん!
ただ、役としての彼特有の人当たりのよさ(マフィア仲間に「タタ」という愛称(?)で慕われ、自分の差別的な発言に対しても「ごめんごめん」でとばしてしまえたり、自分を追ってきた捜査官に対しても同情と親しみを感じさせてしまうところ)と、
役者としての渋みと貫禄で、
この老人の、女好きのだらしなさや、お金や家族にたいしてルーズなところが決して下品には見えてこない。
それどころか、哀愁と格好良ささえ感じるところがすごく魅力的だった。
(最後の、窓から差し込む光に顔が照らされる場面が印象的)
ただし、一歩引いた目でみれば、そう見せることがこの物語を語るうえで最適だったのか。
つまり、もっとダメな老人で、これまで仕事一途で家族を顧みず老いを迎えた成れの果て、
そして、麻薬運び人としての(そこから抜け出せない苦悩というよりかは)自業自得、
という捉え方をすれば、この老人は見栄えが良すぎる。
(私には少なからずそういう風に見えた)
かといって、更にもう一度裏を返せば、
あくまでこの物語は、最後のエンドロールで流れた通り、"ニュースから着想を得た" ドラマ(創作物)であることから、
実年齢に近い老人役として、いまの彼がもっとも魅力的な作品であることは間違いない!
古き良きアメリカ
家族より仕事を優先していた主人公が、家族の大切さに気付いていくまでを描いた映画です。
犯罪に手を染めながらも、徐々に大切なものに気が付いていく展開が秀逸でした。
個人的には、主人公が「退役軍人」であることが、この映画に緊張感をもたらしている一つの要素ではないか、と感じました。
「俺は戦争に行ったことがある。お前なんか怖くない。」
依頼主であるメキシコ人に脅された際、主人公が言ったセリフです。このシーンは中々印象に残りました。
対照的に、「運び」の最中に流れる音楽は、映画に癒しをもたらしてくれています。
久しぶりに、アメリカの王道の映画を見た気がしました。
多面的に楽しめる素敵な作品でした
かっこういいです!
クリントイ-ストウッド監督・主演!いくつになっても本当にかっこういいです!
実在した麻薬の運び屋を題材にしていて、始めは何も知らずに、いざ自分が何をしているかに気づいてもしれっと正当化して呵責を感じないままどんどんはまっていってしまうのが、何とも不思議なのですが、人間のご都合主義と正当化の上手さを年齢に絡めてさらっと描くのがまた何とも言えず良くて。そして家族と妻との関係を気づきなおしていく様子が切なくていとおしくて。
ヒューマンドラマとしてもスリリングなところも刑事ものとしても、どの面からも楽しめる素敵な作品でした。
ツボをわきまえたカッコイイ映画
実話をベースにした脚本らしいが、魅力的なユニークなジジイ像を示すエピソードがテンポ良く語られ、それが映画文法を踏まえて且つおしゃれで、全体的に実にかっこいい映画の印象。
ちやほやされるのも若い美女も大好きで、運びによる大金取得でどんどん調子こいていく様の描写が実にうまく、二グロと人種的偏見言葉使いながら困ってるカップル助けるエピソードがさリげなく秀逸。そして、組織の人間達がだんだんとイーストウッド・ジジイが好きになっていくことに実に説得力が有るのが、演技力と演出力のなせる技か。
ブラッドリー・クーパー捜査官との一対一のやりとり、組織のボスが手下に殺されてからの大きな展開、そして命かけた妻の看取りは実に映画的で、シンプルながら心を打つ。そう幾つになっても人間は学びやり直し、更に成長できる!その普遍的なメッセージが観る人間に力を与えてくれる。クリント・イーストウッド監督の知性とパワー、さらにその匠の技の更なる向上を実感させられて、とても嬉しく思えた。
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