「良きタイミングで観れて良かった。」運び屋 コータローさんの映画レビュー(感想・評価)
良きタイミングで観れて良かった。
映画好き先輩のライブラリーから。
再生してまずクリント・イーストウッドがあまりに歳を取っていることにビックリ!!
昔は地上波で『ダーティハリー』を良くやってた印象で小さい頃何度も観た記憶があるんですが、冷静に考えたらそれ以外のイーストウッドの出演作は公開当時レイトショーで彼女と観た『マディソン郡の橋』以来かも?!
本作公開時は88歳?すごい俳優、すごい監督です!
アール「デイリリーは時間と努力が必要だ」メアリー「家族だってそうよ」
園芸家だったアール、当時軽く見ていたネットの台頭などで仕事、家族関係ともに悪くなり、アメリカ中を走った経験と切符を切られたことのないマークされにくさを買われて、そうとは知らず麻薬の運び屋を引き受け多額の報酬を得ますが、トラックを新車に買い替え、孫娘の披露宴資金援助、自宅と農園買い戻し、火事に遭った退役軍人クラブの復活など使い道が微笑ましく「もっとゆったり生きろよ 人生を楽しめ 俺みたいに」いい歳になって若い者にこう言える老人、憧れます。実際仕事中何度もヤバい場面に遭遇しますが、その経験値、年の功でうまいこと切り抜けていきます。
「あなたはいつも外に生きてた そばにいるためにお金なんか必要ないわ あなたは私の人生で最愛の人 そして最大の苦痛の元…ぜひあなたに…知ってほしい 何よりうれしいの 来てくれて」死期を迎えた奥さんメアリーの言葉ですが、なんか私もアール同様、仕事>家族の生活だっただけに自分に言われているようで。。。
捕まったアールがベイツ捜査官に「間違ってばかりの人生だった (家族との関係)それが一番大事なことだよ あんたと家族のためにも 他のことはどうでもいい」「時間がすべてなんだ 何でも買えるのに時間だけは買えなかった」胸に沁みます。
裁判でも弁護士を遮り自ら有罪を申し出る潔さ、カッコいいです。
実話を元に作られたこの作品、私も基本給がカットされる歳になり今まで蔑ろにしてきた家族に少しずつでも恩返しをと思っていた矢先に、人員削減により給料カットされたまま重責を担わされることになって腹立たしい思いでしたがアールを見習って、ゆったり楽しみながらやってみるかという気持ちになれてこのタイミングで観れて良かったです。
なんかアールと同じ道を辿りそうな予感さえしていますが、これもまた人生か。。。
イーストウッドの娘さんがまさに親子役での共演で素敵だったこと、久々に見たマトリックスのモーフィアス役ローレンス・フィッシュバーンの貫禄が更に増していたことも追記しておきます。
コータローさん
特別の共感です。僕もあと4カ月で定年。そのまま嘱託で残れることにはなりました。でも「半年ごとの更新」でチョンボすればジ・エンド。まるで“執行猶予”のような再雇用でして。
イーストウッドの映画は、人生のその時々に、時間をおいて再度観なおしてみると、新しい発見と衝撃がありますね。
きりん拝