「現代人への揶揄」運び屋 ざーちんさんの映画レビュー(感想・評価)
現代人への揶揄
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人は寂しさが引き金で色んなことを引き起こしてしまう。老人だからこその寂しさやそれを埋めるためのお金の必要性。そこに麻薬組織のニーズと合致した面白さがある。それが単なる転落ではなく自分の愚かさを認知したことにより、家族を求める自分の気持ちに向き合う行動に繋がった。長くない余生にも関わらず自分の罪を認め逃げることをせず、また刑務所でデイリリーを咲かせる、その場その場での自分の生き方を最後まで諦めないところにどんなに歳であっても自分を生き切る強さを感じた。ところどころに散りばめられる、差別とは何か、義理人情のなくなった現代人への揶揄も小気味が良い。トリノとは違う老人の格好良さを見せてくれる。
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