「面白かったです」運び屋 映画官さんの映画レビュー(感想・評価)
面白かったです
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この映画はイーストウッドがある新聞記事に載っていた実在の事件を元に着想を得たとのことですが、自分の人生とリンクするとこが多かったのでしょう
もはや演技云々ではなく自身を曝け出すかのようなナチュラルなあり方で挑んでいます
一番買いたかったのは時間だというセリフの通り、そこには葛藤や成長といった要素はあまりなく残りの人生をどう生きるか、どのように生きるべきだったのかに焦点が当てられています
また作中で印象に残ったのはポークサンドのシーン
「人生は遊ぶことも大事だ」
「遊んでたから今運び屋なんだろ」
この会話の不可逆的などうしようもなさ感は作中で一番考えさせられました
自分が同じ歳になった時そのセリフを他者から言われることがどんなに恐ろしいことか
また捜査官達の追い詰め方には緊迫感はなくまるでじわじわ忍び寄る死神のようで、1人の老人の贖罪のためのタイムリミット的な役割だったため予告編のイメージで観ると肩透かしを食らうかもしれません
ですがこの映画の終末感から生まれる余韻は他の映画ではなかなか味わえないものだと思いました
観て良かったです
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