劇場公開日 2019年3月8日

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「百戦錬磨のダーティーハリーは動じない」運び屋 カメさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5百戦錬磨のダーティーハリーは動じない

2019年3月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

個人評価:4.3
イーストウッド作品を見終わった後に、幾度となく訪れるズーンとくる心を揺さぶる感覚。イーストウッド感と呼んでいるが、それがしっかりと感じられる本作。
自身の作品で主演を10年振りに務めた理由は本作を見れば明らかだ。
この役柄はイーストウッドにしか出来ない。90歳の運び屋という人生の厚みと、積み重ねた経験。そして蓄積された後悔。全てが身体から発せられる雰囲気で、そのバックボーンを物語れるのはイーストウッドしか出来ないだろう。
そして警官やギャングにも動じない貫禄。その演技に説得力を感じさせるのは、役柄である90歳の長寿の貫禄もあるが、見る側は百戦錬磨のダーティーハリーなどのイーストウッドを重ねて見てしまい、違う意味で納得してしまうのが、物語の面白味の1つと言えるだろう。
最後のブラッドリー・クーパーと車越しに語ったやり取り。そのシーンに主人公の90年の人生と、イーストウッドが伝えたかったテーマが集約されていると感じ、込み上げるものがある。
御歳88歳のイーストウッド。作り手としても、プレイヤーとしてもまだまだ若いモンには負けない!
ありがとう。長生きして下さい。

カメ