「金で買えないものは、そこでずっと待っていた。」運び屋 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
金で買えないものは、そこでずっと待っていた。
死を目前にしたメアリーの言葉が心に滲みた事を除くと、少し中途半端な感がして、感動には至らず。もっとメリハリあった方が良い気がしますが、このサラッとした具合がイーストウッド流なんでしょうね。
社交性に長け、花造りに没頭し、家庭の外を居場所にして来たアールの能天気な軽さ。と、麻薬を巡るクライムものの重さの対比。
前者は程よい演出で楽しかった。と言うか、テンポ良く、スラスラと話を進めてくれるので好きでした。後者の緊迫感は薄い印象。狙いですかね。
金より時間。時間は金なり。メアリーとマフィアの異なる価値観は、イーストウッド世代の「後悔」の表明なんかなぁ、と思いながら。家族を蔑ろにしたい訳じゃないベイツと、家より外に出るのが好きなアールじゃ、罪深さが全然違うじゃん、と思ってしまった自分を反省しながら帰って来ました。家族からすれば、どちらも一緒かも知れない。
ダイアン・ウィーストが良かったです。イーストウッドは言わずもがなです。
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