劇場公開日 2019年11月8日

「雰囲気を楽しむ映画」アースクエイクバード erimakiさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0雰囲気を楽しむ映画

2019年11月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

・ジャンル
何かと問われればサスペンスなんだろうけど、謎解きが気になって引き込まれるような要素は弱い。ルーシーのトラウマ、禎司の真意、口頭での説明が多かったりヒントが断片的、限定的だったりでモヤモヤっと見終えたが、原作の概要だったり解説を読んだりして初めて合点がいった部分もあった。

・日本
しかし舞台は日本ということで、海外の製作者にしては割と緻密でリアルな描かれ方がされていてその点は好印象だった。通勤の電車、都内の混雑する駅のホーム、誇張しすぎずありのままを映した佐渡の風景などなど。

・和とスウェーデン美女
そしてそんな日本の景色にアリシア・ヴィキャンデルがよく映える。佐渡の古来の建築物と童顔のスェーデン美女のコラボはそれだけでひとつのアートであり、神秘的な情緒を感じさせる。更に彼女と小林直己が並ぶとこれまた絵になる。切れ長の目を携えたいかにも日本男児といった凛々しい顔立ちでありながらも日本人離れしたその風体。キャスティングは素晴らしいと思う。

・結論
そう、これはスリルではなく雰囲気を楽しむ映画であった!
和×アリシア・ヴィキャンデル×小林直己=「独自の美」は、彼女らのファンならもちろん、海外の人々の目にもなかなか魅力的に映るのではのではないか。

個人的に思い出されたのは「ロスト・イン・トランスレーション」。ヴィキャンデルはあの時のスカーレット・ヨハンソン以上に和にマッチしていた。

erimaki