「ドルビーシネマ、だからこそ」機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ zem_movie_reviewさんの映画レビュー(感想・評価)
ドルビーシネマ、だからこそ
自分のガンダムは逆襲のシャアで終わってます。以降は全く食指が伸びません。そういう中でドルビーシネマのフォーマットでアニメを作ってくれた、という理由だけでドルビーシネマで鑑賞しました。
・ストーリーは三部作なんですね。いい導入パートでした。玉ねぎの皮が剥かれていくような展開、人間関係の構築と説明、社会情勢・組織的な建て付けがすんありと頭に入っていきます。ギギ・アンダルシアからハサウェイにズレていく話の進み方は上手に組み立てたものだと感心します。キャラ立ちがいいのです。MSの戦闘シーンがもう少し観たかったなくらいですが、食傷気味にならず、次に期待させてくれるということでいいでしょう。
・声優はぴったりでした。特にギギ・アンダルシアを演じた上田麗奈はエキセントリックを含んだキャラの表現がうまくてゾクゾクしました。
・ところが、映像はダメ。ドルビーヴィジョンなので映像の透明感、立体感、鮮明度が格段に上がるため、テレビアニメレベルでの作画だと手抜き、やっつけ感が非常に目立ちます。群衆の服装だったりキャラの指先、表情の雑な省略、何よりも幼稚園児のような爆発表現は正直ゲンナリです。多分、通常館ならそんなに気にならなかったかもしれませんが。一方、遠景だったりMSの格闘シーンだったりは良かったです。それで余計にいいところとダメなところがハッキリしてしまったのかもしれません。あ、劇場版Zガンダムの旧作画と新作画が入り交じる感じを思い出しました。
・それから音響もダメ。いや、ダメということではくドルビーアトモスの力を大して使ってないです。サブチャンネルが弱すぎて周りの音が走らない(走らせていない)、ウーハーって殆ど使ってないでしょ。戦闘シーン、爆発シーンでの迫力が皆無です。ドルビーアトモス作品はガルパン、BLAME!、シドニア、ニンジャバットマンとかたくさん観てきましたが、それらと比べると落第です。ひょっとして立川とか川崎なら違う、、、いや、それは話が違うな。
BGMもシーンと合っていないような気がします。雰囲気と違うというか、、、
内面、本質のところは非常に面白いので次回以降も観に行きますが、なんとも非常に勿体ない。もっと上手くやれるはず。期待しています!