「ガンダムという事。「?」と思う事全てに答えがある。」機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ 高畑和幸さんの映画レビュー(感想・評価)
ガンダムという事。「?」と思う事全てに答えがある。
ガキん頃からガンダムは見てたがいまいちストーリーがわからんけど、主人公が勝つんだから良いんだろうくらいだった。スレッガーや、マチルダ中尉や、ハヤト・コバヤシ、カミーユの最後に「?」と思いながら。
良くわかるようになってから見たらとんでもない救いのない話じゃねぇか。
閃光のハサウェイはそれを確信させる素晴らしい映画になった。(NTも悪くないが、ガンダムの持つ複雑さを和らげようとして煮え切らない。)
そもそもガンダムに「めでたしめでたし、未来はハッピー」はありえない。現実がそうでないように。
どっちが正義で、どっちが悪か。閃光のハサウェイに至っては主人公がテロリストなんだから救いようもない。いったい何を求めてガンダム観てるんだと。
閃光のハサウェイが優れていると思うのは、シーンシーンの違和感、「あれ?なんでその言葉?その表情?」に全て根拠があるからだ。過去作、設定、がちゃんと反映されていて納得できる。名前のある登場人物全てに反映されていて、名前のないキャラまでも細部手抜かりはない。
心理描写が優秀なら、人物動作、セリフも優秀だ。モビルスーツの市街戦など、本当の戦争を彷彿とさせる迫力がある(画面が暗いという人は居間のテレビじゃなくて、部屋でパソコンで見たら良いですよ。すごく作り込まれてますよ。)。
一回見ただけじゃ、大量の「?」で終わっちゃうので、やっぱりサブスクの動画配信で見るのがふさわしい。何度かみて細部が気になって、ストーリーと演出の細かさに夢中になる。
最後のモビルスーツ戦は一瞬で終わるが、見直してみると、その一瞬の駆け引きの深さに何度も見直したくなる魅力がある。
ガンダムのアムロがドムを10機落としたシーン。ただ主人公が活躍しただけと「かっこいい」しか当時は感想が無かったが、今に思えば、この閃光のハサウェイのやりとりの重ねがけなんだなと。
ファーストも見直して、この「?」を探さにゃならん。
閃光のハサウェイ。何度も見てます。
1番感心したシーンは死にかけて動けないほど我を失っていたのに朝からステーキ食うギギです。コイツ普通の人間の身体だがヤバいヤツや、がすごくわかる。