「ガンダム初心者の自分には厳しかったかも知れない。」機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ 猿田猿太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
ガンダム初心者の自分には厳しかったかも知れない。
ファーストガンダム、逆襲のシャア、その2作品は知っているつもりでしたが、この映画を理解出来たかどうか、正直なところ自信がありません。ガンダムを知り尽くしている人限定だったのだろうか。と、言ってしまうと、どんな映画でも理解出来なければ意味は無くなってしまうのですが。
ともあれ、宇宙時代における戦争の姿、それを映像化する伝統的作品として、更なる進化をしたのだな、という理解で、見た甲斐があったと思いたい。では、その中でガンダムとはなんだろう、モビールスーツとは、ロボット兵器とは何なのだろう、などと、ガンダムを見る度に考えたくなってしまう。例えば、零戦や戦艦大和に人々が想いをはせた、それとは同じだろうか違うのだろうか、等々・・・。
一度見ただけでは理解しがたい、よく噛みしめたくなるのがガンダムという作品群なのでしょうね。先が続きそうだし、シリーズを通して再考を繰り返したくなる作品でした。
(再考)
少し見直した上で再考しました。とはいえ、全てをもう一回見たいと思ったのですが、時間が取れず、Youtubeで上がっている冒頭15分無料公開の見直しのみ。いや、それだけで「やっぱりすごい」と思いました。
宇宙空間に規則的に並んだ幾何学模様の建造物。それだけで、宇宙時代のお話だと理解可能。警備に当たるモビールスーツに見送られて航行する高級旅客機ハウンゼン。こういう説明があります。「余程のコネがあるか、大枚の金を支払わなければ搭乗できず、この船に乗船しているかぎり、どこのスペースコロニーでも、【地球】でも出入りのチェックは免除される」、この一文だけで、地球がどのような場所(つまり上流階級でしか住めない場所)であるか、それを踏まえた世界情勢を説明しきっていることになります。ケネス大佐が「若ければドキドキした」と讃える美しい客室乗務員、その彼女を冷静に抱き止め、安全確保する若き主人公・ハサウェイ。「マフティー」を名乗るハイジャックに巻き込まれ、パニックになる上流客。それらと対比して、沈着冷静にして勇猛果敢、華麗に立ち回り、次々と制圧するハサウェイ。何故、戦う? 何故、戦える? そう、彼こそ本物の「マフティー」だから・・・って、つたない文章で恐縮ですが、これだけでも本当に凄いと映画だと思う。その素晴らしい15分をYoutubeで無料公開しているという、太っ腹というか、余程の自信と誇りに満ちた15分であるのだろうか。
あれこれ長文で語ってしまいましたが、自分はそんな評論家でも無いし、理解している自信なんてありません。円盤がでたらさっそく購入して見返し、ついでに小説も読んでみないと。みんながガンダムを愛して止まない理由がよく判る、本当に素晴らしい作品だと思います。