「凄く良かった」機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ akamurasakiさんの映画レビュー(感想・評価)
凄く良かった
とてもとても良かった。
若い人には気取っていて、退屈な作品に感じるだろうか?と思ってたら受けているみたいで良かった。
ハサウェイ、ケネス、ギギの、立場はそれぞれ違いながらも、旧世界を引きずり硬直化した世の中を何処か諦めている感じが時代に寄り添っている気はする。
大画面で見ることに意味のある映像でもあった。
どちらかと言えば富野原理主義者としては、やはり「シャアの反乱から…12年」でうるっとなりました。EDの安彦、大河原両氏のクレジットにも、ファーストへの敬意を感じました。歳を取ると…
作品中でグッと来たのは、あの「生きることに固執していない」ギギですらパニックになるのがわかる、夜間の市街戦シーン。生々しい演出でした。次の瞬間、自分が(そのキャラが)死んでいる可能性を「ありうる」と思わせる。「なるほど、わかる」ではなく「感じられる(!!)」。しかも「(富野さん以外の)ガンダムで!!」って悔しいけど思いました(笑)。残酷な描写こそ無いものの、村上龍の「5分後の世界」の戦闘を思い出します。
この「感じられる」はギギも同じ。富野さんのやらしさ(良い意味)が、原作とは言え第三者の作品で感じさせられてしまった!!その監督の手腕に正直舌を巻きました。エレベーターのシーン前後のシーンあたりでは苦笑してました。
原作もそうなんでしょうが、ギギの言葉がことごとく「そのタイミングで言うか!!」とバッチリハマっていて、あざといながらハサウェイが突き離せない気分まで皆が体験出来ていたのではないでしょうか?この、「体験させる、体感させる」こと、こちらの感情を動かすのはなかなか難しいはずなのに…と感心してしまいます。このタイミングの良さは、クエスの回想シーンやアムロのセリフの挟み方でも同様に感じられました。
原作未読なので想像ですけど、パトロンはマイフェアレディ的にギギを扱っていたのではないか?でも、パトロンの取り巻きを見ていれば富裕層の醜さはイヤでもわかる。だからマフティーを「間違っている」という理由で否定はしてないのかなー、とか思ったり。
あと好きなシーンでは、ガウマンが対クスィー戦でレーンにあれこれアドバイスしてるのがカッコいいやらおかしいやら。まあ根がいい人なんだとも思いますが(いや死にたく無いだけか)、レーンとお似合いのコンビなんだよなあ。クラピカと師匠の関係みたいで。(顔がなんとなく似てるし…似てない?笑)
3部作がこのまま好評に終わったら、バンダイ様は「ガイアギア」を持ち出してくるだろうなとそちら方面にも震えています(笑)。
御大が「映画に向いてない」と言われているらしい次回作が監督の真価の発揮しどころか。
もう少し先へいけるか?
期待しています!!
(追加)
パンフやらBDの豪華版やら、姉妹には4DXまで見てしまい、結局2万くらい注ぎ込んでしもたやんけ!!どんだけ好きやねん…
あと、他の方らかの指摘ですが、「自分たちが殺す閣僚の顔を見ておきたかった」ってハサウェイのセリフ、さらっと言われるとそんなにどうこう思わないんだけど(思わなかった)、こうやって字に起こしてみると確かに壊れてる感が強いですね…