劇場公開日 2021年6月11日

「ガンダムの枠組みを越えて」機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ A・ガワゴラークさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ガンダムの枠組みを越えて

2021年7月1日
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びっくりするぐらい良かった
後年、エポックメイキングな映画と言われるのではないか。
今回は「玩具のコマーシャル」としてのガンダムの枠組みを越え、ロボットよりも人物ドラマにフォーカスし、ドラマを描くために海外ドラマ・洋画のルックを導入するという挑戦的なフィルムとなっている。

特徴としては以下の点が挙げられるだろう。
・色調設計、光源の設計をイメージボードを使って検討し、美しい色彩を提示している。
・ファーストクラスや、高級ホテルや、フィリピンの雑多な街並み、海など豊かな光景。そのに属する人々の描写。
・3Dマップを使った動的なカメラワーク。
・筋肉や柔らかさをもった身体で男女とも色気がある。脚も長く現代的な体型。
・テロの否定が主人公に向かって行われ、それでも社会構造に対してテロを行わざるを得ない主人公の危うさが、ドラマを駆動していく。
・ロボットは3DCGと手書き併用。ロボット戦に巻き込まれる町を描くことで、私たちの現実世界とSF世界を架橋している。

ただ、原作小説を読んだことのないガンダムファンからすれば、ロボット戦をもっと観たいという批判は可能だろう。
同監督の「虐殺器官」にも本作演出との類似が見られるので、参照しても良い。
海外では2021/7/1よりNETFLIX配信される。

A・ガワゴラーク
かせさんさんのコメント
2023年7月9日

『虐殺器官』、演出冴えてましたね。

かせさん