「リアルロボットの正当進化」機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ 杉本穂高さんの映画レビュー(感想・評価)
リアルロボットの正当進化
ガンダムシリーズはリアルロボットアニメと呼ばれた。リアルということを検討したときに、本作が示した進化の方向性は必然だったのかもしれない。ライティング等々、極めて写実的な映像の中にモビルスーツがそびえたつ。人から見上げた時のその威圧感、暗闇に光る一つ目の恐ろしさ。モビルスーツが市街で暴れる中を逃げ惑う人々と同じ目線で主人公たちが行動する。巨大なモビルスーツの戦闘は、従来のシリーズのほとんどがモビルスーツの目線で描かれてきたが、本作は地上の人間目線を重要視する。市街戦での被害は、これまでのシリーズでもしばしば出てきたことがあるが、本作ではその説得力が大きく異なるのは、やはり映像面でのリアリズム描写が大きく進化している点にある。
主人公はテロリスト側の人間だが、そのテロを巡って、市民の意見が様々あるのが自然と主人公の耳に入ってきてしまう展開もすごく良い。割り切れない正義を巡る戦いは、ガンダムシリーズの十八番であるが、そういう複雑なリアリティもリアルロボットものとしてのツボだ。
あと、諏訪部順一さんの芝居がすごいエロかった。びっくりするくらいエロかった。
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