「ガンダムを知らない一見さんには、分かりにくいがキレのある映像と最新音響などの演出により見応えある力作」機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ ミラーズさんの映画レビュー(感想・評価)
ガンダムを知らない一見さんには、分かりにくいがキレのある映像と最新音響などの演出により見応えある力作
冒頭の15分で3人の主人公たちを紹介してその後を暗示させる手際から風光明媚なリゾート地でのゲリラ的な市街戦の恐怖まで所々に設定背景を散りばめて描く村瀬修功監督の手腕は中々の出来映え。
戦争物アニメで散々とやり尽くされたと思った、市街地での襲撃も地に足の着いたリアル感で、描写して生身の人間が体験する恐怖をグロテスクにならない範囲内で観客に伝えている。
メカニックの描写も映像と音響がマッチして冴えており、特にマフティのモビルスーツのメッサーが、損傷して失速してゆく辺りの重厚感ある作画と金属が貫かれたり引き裂かれる音響には、制作者のこだわりを感じる。(あと撃破されても簡単に爆発しない機体描写も)
後半のガンダム同士の激突にも意外な展開と共にスピード感と質量を感じさせる映像と音で唸らされる。
メインの舞台となるオーストラリア近辺の設定美術や実写を意識した画面構成とカメラワークもリアルで作画も良好で、上映時間も90分ほどでタイトだが、満足感は高いと思う。
気になるのは、やはり一見さんには分かりにくい設定や人物像であり主役であるハサウェイの迷いや苦悩やマフティの活動の元になる地球連邦政府の横暴などを、もう少し見せてもいいかなと思う。(今後の続編で描かれる可能性はあるが)
ハサウェイが劇中でとる食事の場面が他の人達との比較になり、彼のある種のストイックな面を感じさせる演出は、最近の定番だけどうまいと思う。
ヒロインのギギの行動と描写に、若干違和感があり、裸を見られて羞恥するラブコメ的場面や彼女の肢体を腰下のアングル捉えてるところは、往年の日本のアニメ特有のカット割で、同時期のアニメ映画にも有ったが、ある種のあざとい印象を受ける。
アニメーター出身の村瀬修功監督は、見事な手腕でまとめてあり、のちの続編にも期待が持てる作品なので是非引き続き監督して欲しい。
ファーストガンダムの流れを組む最終章的作品で、ガンダムを知らない一見さんには、分かりにくい設定とストーリーではあるが、キレの良い映像と最新音響など演出により見応えある力作に仕上がっている。
観るなら出来る限りドルビー設備の整った映画館での鑑賞が必須だと思う。(まあ最新の海外大作映画にはどれも当てはまるが)
2021年10月追記
「彼女の肢体を腰下のアングル捉えてるところは、往年の日本のアニメ特有のカット割で、同時期のアニメ映画にも有ったが、ある種のあざとい印象を受ける」
上記にある同時期のアニメ映画とはシン・エヴァの事です。エヴァに関してはもっとエロ目線が露骨でオッサンが作ってオッサンが喜んでるんだなと感じた。
色々気になるところがあったので再版された原作を読んだが、とても忠実かつ整理された良質な映像化で、ガンダムにしてはスケールが小さいの批判は頓珍漢な意見で、自分が気に入らないから酷評してる人^_^もいるのもまぁ仕方ないが、問題はそれを踏まえてレビュー者の履歴もチェックせずに通り魔的なレビューアーにいいねをしてる人が多いのには色々心配になる。
補足で、自分のレビューの点数は、嫌がらせ行為に近い低評価をつけているレビューアとは逆に、レビューする作品には高評価をつけて、なるべく語りをキチンとして場合によっては酷評もしてますが、何箇所か良いところや好きな場面があれはOKなのもあります。
映画が好きですから。
続き
ちなみに補足ですが、アニメのファーストガンダムのファンですが、ハサウェイの原作は読んでないので、今回の是非は、若干ぼかしてレビューしました。
whiteさんは逆シャアからのファンと書き込まれてますが、原作をお読みならそれと比較した検証や考察をお話しいただけると嬉しいです。
続き
レベルの物やただ闇雲に気に入らないので低い点数をつけるなどのモノまで様々です。
映画が好きな自分としてウンザリします。
好きでも嫌いでキチンと語る姿勢が欲しい。
まあこれは、食べログなどの評価サイト全体の問題だと思いますが。
リプありがとうございます。
自分の映画レビューのスタンスは、一般的に用いられる採点などの数値化を懸念してます。
何故なら映画は映像などで語る媒体なので、安直な点数化による酷評などが横行してると思います。
酷評レビューする事自体は構わないのですが、そのレビュー内容が映画をちゃんと観た?な