「あまりカッチョ良くないかも」機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)
あまりカッチョ良くないかも
自分の様なアニヲタが内輪だけで楽しみ盛り上がっていた時代は遠い過去、今やアニメコンテンツは日本の一大産業・文化として飛躍しました。日本だけでなく世界中に愛好者を増やし、幾つかの作品はブランドと化し親しまれ、そして中国に至ってはその覇権を奪い取るべく国を上げて取り組んでる様子。
そんな経済的価値を多大に孕む程に成長したアニメ、自分もアニヲタの端くれとして今尚楽しんでいます。ただ楽しみの基準が年々変化した感は否めずとも、根本は『面白い事』が大前提でソレは相変わらずです。さてガンダムブランドの今作はどうでしょうか。
当作品は全3部作の第1章、実は自分も事前まで知らず、また原作未読で事前情報や知識は寧ろ乏しい状態での鑑賞でした。従ってストーリーの細部はあまり理解できず、大まかな流れを掴むのが精々でした。ですが(自分だけかも知れませんが)ガンダムというコンテンツにはそんな巧みなストーリーを期待してないため、ソコはあまり重要視しません。
注目するのは寧ろモビルスーツ戦のメカニカル描写、リアリティや壮大な『ロボ』ビジュアルのインパクトなどの『観た目』です。この辺は昭和のファーストの時代から同じで、要するにカッチョ良いモビルスーツ・ガンダムが観たい訳です(富野節の様式美はどーでも良いですw)
その判断基準からして今作は割と物足りない感がありましたが、3分の1の内容ではこんなモンでしょうか? ですがサスガにシルエット然とした真っ黒なメカニカル描写には閉口です(或いは今後のためあまり細部を見せられないのでしょうか?)。
とにかく真っ黒クロスケでは何が何だか全然解らず、全然カッチョ良くありません。一方、市街戦の人間目線から見たモビルスーツ戦はナカナカの迫力でしたが、でもコチラも人間目線だと脚だけとか破損部品の落下とか、目前に迫り来る様子ではディテールなど見える筈もありませんし‥‥
結局監督が良かれと思った演出でこうなったのであれば、創り手との反りが合わなかった結果でしょう。
そんな訳で、第2章にはその辺が好転する事を期待したいのですが、やはりソレは難しいのでしょうか? ホントなら THE ORIGIN 相当のビジュアルクオリティを期待したいのですが‥‥
そして本文章冒頭の受けの記述ですが、海外の日本アニメファンには勿論、日本の『ガノタ』以外の一般の人にはオススメできません。こう云う観る人を選別するコンテンツは厳しい評価傾向になります。
ちなみに、ガンダムにストーリー(脚本)の秀逸さを期待しなくなったのは『ナラティブ』以降です。ORIGINは安彦氏本人の手がかかっている事もあり好みの内容でしたが、ユニコーンまではギリ許容範囲でナラティブは×です。サンダーボルトも1シーズンのみ、2シーズンはヘンテコに感じましたが、メカデザインの大河原氏のデザインが好みなのでビジュアルは良かったです(亀アッガイを除く)。個人的にはガンダムはココまで、でしょうか‥‥