「会わないふたりを対話させる、映画ならではの話法」ふたりの女王 メアリーとエリザベス AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
会わないふたりを対話させる、映画ならではの話法
メアリーとエリザベス、史実では直接面会したとの記録はないそう。そんな予備知識から2時間も話がもつのかと心配したが、実際にあった手紙のやり取りに、家臣たちからの伝聞情報も加え、2人が心の中で互いに相手のことを思い語りかける形で「対話」させている。編集の巧みさもあり、スコットランドとイングランド、離れた場所にいる女王たちの距離を感じさせず、2人の対照的な点と共通点を効果的に示しつつ物語を構成した点に映画らしい趣を感じた。
シアーシャ・ローナンの強い目力と端正な顔立ちは、気高く意志の強いメアリーに適役。マーゴット・ロビーによるエリザベスは、白塗りの顔に赤毛のハート型ヘアスタイルが『アリス・イン・ワンダーランド』でヘレナ・ボナム=カーター演じた赤の女王みたい…というか、同作がキャラクター造形の際に16世紀英国の王族の髪形や衣装をモチーフにしたので、赤の女王の元ネタがエリザベス1世と言えるかも。
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