劇場公開日 2019年2月16日

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「不公正を強いてくる社会でいかにフェアな関係を取り結べるか」金子文子と朴烈(パクヨル) jinminさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5不公正を強いてくる社会でいかにフェアな関係を取り結べるか

2019年3月16日
iPhoneアプリから投稿

関東大震災下の東京。政府の先導したデマによって煽られた朝鮮人虐殺。それを糊塗するために大逆事件の容疑者に仕立て上げられた「不逞鮮人」とアナキストのカップルは、法廷を彼らの演説会場に変える。やるせない怒りにかられるストーリーながら、国家による不当で理不尽な差別に、なんとか一矢報いようとする、痛快で切ない青春活劇としても見ることができた。
言語を交換した求愛シーンや、それぞれが自分の言語で話す尋問シーンは、
上等な人/下等な人、上等な言語/下等な言語という、不公正な関係を押し付けてくる社会、十五円五十銭という発音の正しさで人が選別される状況下で、いかにフェアな関係を取り結びわかりあう事ができるかという試みのように思えた。

jinmin