「怪奇的で文学的な漫画」ばるぼら Kusakanさんの映画レビュー(感想・評価)
怪奇的で文学的な漫画
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男が女に堕ちていく話か
堕ちた男が女と出会い足掻く話か
それはさておき
文学への情熱を持て余す美倉がバーバラさんに導かれ
段々と人が変わっていく様を丁寧に描いている
空恐ろしい程に拘った画作りとステレオタイプなキャラ達で
わかり易いはずなのに
映っただけで空気を変える陰陽師のときのような演技が終盤では見れるけど
抜け殻のような美倉のラストカットで締められる
ただただカッコいいだけの安易なキャラは見れないのかと
好きな役者の円熟ぶりを見せつけられつつも寂しい限り
売れない座付き作家が検閲官相手に必死になる滑稽さが
最後にガラリと空気を変えてみせた笑の大学の単純明快さとは真逆の作品
手塚治虫作品で映像化不可能といわれるものは色々あるけれど
宗教を扱ったブッダや、ナチスやヒトラーのような現代のタブーを扱うアドルフに告ぐと違って
ただただ漫画での描写や雰囲気を損なわずに映像に落とし込むという難題をやってのけている
エンタメ作品ではないので繰り返し見たいとは思わないけれど
何年かしたらふと見直したくなる作品で
できれば手元に残せるようパッケージ化して欲しい
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