「妖しさと猥雑と美しさの純度が高まった映画」ばるぼら あやし太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
妖しさと猥雑と美しさの純度が高まった映画
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(文末の下3行はネタバレです。)
原作より、妖しさと猥雑さと美しさの純度が高まった映画だった。
どんなに街が進化しても、いつまでも内包しつづける普遍的な汚れ、
猥雑な部分をとても印象的に切り出していることで、時代設定が
現在なのか過去なのか曖昧になり、歪な世界が鮮やかに展開されていた。
主演の二人は原作に比べると、ばるぼらからは更に蠱惑的で浮遊感を、
美倉からは更に脆さと人間の業の深さが感じられ、実写化の良さが出ていた。
あと破滅の過程に美学があったので、それも観てて心地よかった。
ただ1つ、美倉がばるぼらの存在理由を認識するまでの過程においては
もう少し時間を割いてもとも思ったが、行間の解釈が色々できる
余白のある映画なので、それはそれで想像しがいがあり余韻も楽しめた。
ーー以下ネタバレ注意!!ーー
余談だが絡みとしては犬のところが特に気に入っている。
迫る犬の息遣いと、それに嚙まれてもそのまま性愛にもちこむ様が
後からじわじわくる。
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