「綺麗です、でも難しいというか…」ばるぼら marimariパパさんの映画レビュー(感想・評価)
綺麗です、でも難しいというか…
高校時代、某先生の影響で手塚治虫先生の作品を読み漁りました。
有名な『ブラックジャック』や『三つ目が通る』『鉄腕アトム』なんかはもちろん、こんな大人向けの作品も読んでるんだぞ!的なノリで『火の鳥』『奇子』『きりひと讃歌』『空気の底』そしてこの『ばるぼら』ももちろんです。
当時のませた高校生たちには後半のアダルト向けビッグコミック作品が好評で、クラス内で回し読み状態になりなかなか戻ってこないため、最終ページに美術の授業で作った『蔵書印』を押してまぎれないようにしたのを思い出します。当時はこの手塚治虫作品のほか『キン肉マン』や『北斗の拳』『こち亀』なんかも回し読み対象でした。(最近まで連載していたのはまさに驚きです。)
そんな昔話もすでに40年以上も前のことでストーリーの記憶があいまいでしたので心配でしたが「たぶん大丈夫でしょう?!」とたかをくくって臨みました。
しかしながら表題の通り非常にきれいな画像と惜しむことなく二階堂ふみさんのきれいで大胆な裸体を堪能したのは言うまでもないですが映画全体としては「???」っていうのが正直な感想です。
『キントキント』って10回叫んでいる二階堂さんがこんなにも大胆に裸体をご披露されているとは驚きです。『半世界』で「やるじゃん、ゴロちゃん!」でしたが今回も倒錯する作家の苦悩を見事に表現されていましたね。渡辺えりさんの髪形は原作に忠実だったと記憶していますがとてもマンガチックで笑えました。石橋静河さんも最近めきめきと頭角を現しておられ流石サラブレッドって感じです。渋川清彦さんはもう少し怪しい役(閉鎖病棟のごとく)で味わいを出してほしかったでですね。ちょっともったいないお化けがでそうな…
いやあ、それにしても死んだ後も綺麗な裸体を(『裸体』表現3回目!)見せてくれた二階堂ふみさんに拍手を送りたいです。きれいでした!(ただスケベな気持ちと捉えられないよう必死です)
美しい絵画を観ているような作品で全体としては私には少しはまらなかったようですが。
蜷川実花監督作品同様、きれいな画像を観る意味では満足でした。ちょっと歯切れが悪いですが。