「答えのない映画」ばるぼら まんまるさんの映画レビュー(感想・評価)
答えのない映画
公開初日に初回観賞、翌日に舞台挨拶中継付で再度鑑賞。
原作漫画を読み、この作品の世界観を知った上での鑑賞でしたが、1回目ではまだ馴染めない部分も多く、2回目で少し近づけた感じでした。
好き嫌いが分かれるのは確実で、この作品に何を見るのかは個々次第。主演の稲垣吾郎さんが舞台挨拶で言った「ひとつ大きな答えが用意された娯楽作品とは違う」という言葉に集約されていると思います。
主演二人の演技は衝撃的で、確かに美しい。稲垣吾郎さんからは俳優として生きていく覚悟のようなものが感じられたし、二階堂ふみさんは実態のない感じをうまく表現し、この難しい役をこなしていました。二階堂さんのばるぼらなくして、この映画は成立しません。
この作品から何を感じるかは人それぞれ。なので、あくまで個人的見解として。
中盤の官能シーンはあんなに長くする必要があるのかな? 美倉がばるぼらに嵌まっていく心理描写にもう少し時間を割いてもよかったのかなと。
ただ、あのシーンで美倉の堕ちていく様と心情を表現しているのかもしれないし、美倉の心理をはっきり見せないことで「理解し難い感じ」をあえて残しているのかもしれない。
数多いる男たちの中から、ばるぼらがなぜ美倉を選んだのかも分からない。原作にも描かれていないから仕方がないのだけど。それが分からないということ自体が、ばるぼらの実態のなさなんだろうな。
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