「風化させてはいけない事象だけに賛成」Fukushima 50 トシくんさんの映画レビュー(感想・評価)
風化させてはいけない事象だけに賛成
書き手のイデオロギーに対しては置いておいて、3.11福島第一原発の事故に対しては風化させてはいけないし、作品の出来は良し悪しにかかわらず発信し続ける必要があるであろう。
作品としても団塊の世代させたらピカイチの渡辺謙、佐藤浩市のw主演が素晴らしい。社会派映画を作ることには上手な若松監督が絶妙なさじ加減で物語を展開している。無駄な前置きもなく地震発生となる演出も全く飽きずラストまで集中力を維持できた。
観ていない人は東電賛辞はおかしいぞとか、現政権をかなり支持している右寄りの作家の書いた作品ではないかと懸念するかもしれないが、思いほか中立的に描かれているし東電幹部や本部の描かれ方も辛辣である。
臨場感もありキャストの生かし方もいい。未曾有の大災害ではあるが最悪の結末をギリギリの状況で回避できたことに対してこんな戦いがあったのだと、この事実を風化させずに伝えていくことは必要だと思える。
左右関係なく社会派エンターテーメンとして観ていただきたい渾身の一作。
コメントする