「いろんな意見がありますが、「観るべき作品」なのかと思います。」Fukushima 50 マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
いろんな意見がありますが、「観るべき作品」なのかと思います。
この作品だけは東日本大震災が起こった3月11日に鑑賞したくて、この日を待っていました。
感想は面白い、面白くないを簡単に語れないぐらいに見応えがあり、個人的には観るべき作品で、あの震災を知っている者は観なければいけない作品かと思います。
冒頭から劇中で鳴り響く緊急地震速報のアラームはやはり心臓に悪い。
いきなりドキドキの心拍数が上がり、その後の余震や第一原発での爆発が起こる度にビクッとします。
渡辺謙さん、佐藤浩市さんを始め、様々な豪華キャストで固められた作品は極上の作品として見応えがあり、
1号機、3号機と爆発していく描写はキリキリとする痛みを感じるくらいに胸が締め付けられます。
佐藤浩市さん演じる伊崎利夫を始め、現場を担当する職員のギリギリでの奮闘とそれを管轄する所長の吉田昌郎を演じる渡辺謙さん。
現場と本社。そして政府との葛藤。
最悪の状況下、東日本壊滅が過る中で職員の奮闘には涙腺が緩みます。
原発の現場での緊張感が半端無いのですが、そんな緊張感が続く中での時折入る緩急の「緩」が上手く、エンターテイメントとしても一級の作品かと思います。
今から7年前に「週刊モーニング」で不定期連載されてました、竜田一人さんの「いちえふ 福島第一原子力発電所労働記」で震災後の福島原発の撤去作業の様子が描かれていたので読んでましたが、それでも得た知識は微々たる物です。
東日本を襲った未曾有の大災害で様々な被害が出て、沢山の犠牲者が出ました。
当時どんな事が起こったかはそれなりに知っていたつもりでも、まだまだ知らなかった点もあり、震災に合われた福島の方々に比べればまだまだ勉強不足な点も多々あるかと思います。
いろんな意見があって、この作品に東電の福島第一原発の現場の人達を必要以上に美化していると言う意見もあるかと思います。
それでも思うのは、この作品は映画であり、事実を元に製作されている事。
東電の第一原発での現場の方々の決死の奮闘があったからこそ、あれ以上の被害が出なかったと考え、考えうる最悪の事態に行くまでに食い止められたと自分は考えます。
事実を淡々と述べ、検証するだけならドキュメンタリーで良いかと思います。
必要以上の脚色がなされていると言う意見もあるかと思いますが、自分は映画としてのヒューマンドラマの範疇は越えてなく、そうは感じませんでした。
あの日あの時にあの地震が起こった事は紛れもない事実で、当時東京に居た自分でも東日本大震災の出来事は風化はさせてはいけないと思いますし、まだ9年しか経ってないのに既に風化しつつある事を感じます。
先日、常磐線が全線開通したとニュースを聞き、9年経ってやっと開通した事にあの震災の規模の大きさを改めて痛感し、また現在も多くの方々が避難生活を送られていると言う現状に復興したとは言い難いし、風化するには早すぎると感じます。
様々な意見があるにしても、この作品が出た事が大事であり、この作品で改めて震災に備えての準備と心構え、平和の尊さ、震災の怖さを知りました。
だからこそ、この作品は意義があり、不謹慎な言い方かも知れませんが、映画としても感動し、楽しめた一級の作品かと思います。
当時様々な状況下の中で被害に合われた方は沢山いて、誰が悪いと言うのではなく、劇中で渡辺謙さんが述べられていた「自然をナメてた。慢心していた」もうこれに尽きるのでないかと。
だからこそ、いろんな形であの震災が起こった事、あの震災で学んだ事を後世に残す事。
その1つがこの作品だと考えます。
またラストで描かれた「トモダチ作戦」も感動しました。
これもいろんな意見がありますが、素直に感謝を述べたいと思います。
今から9年前の2011年3月11日2時46分。当時専門学校の講師をやっていたのですが、その日はちょうど終業日でホームルームをやっている時に地震が発生しました。
幸い日頃の避難訓練のおかげで、慌てる事もなく避難し、無事に生徒は帰宅出来ましたが、一週間後に控えた卒業式は生徒の安全を考え、中止になりました。
安全を鑑みての中止ではありましたが、それでも学校生活を共にした生徒達を卒業式で送り出してやりたかったのでなんとなく心残りがある感じを覚えています。
先日、専門学校に通う知り合いの子が3月19日に行われる卒業式が中止になったと聞きました。
その子は小学校の卒業式は震災で中止になり、今回はコロナの影響で中止。
人生で卒業式を迎えるのは普通は多くても4~5回ぐらいかと思いますが、“人生で2回も自分が参加する卒業式が中止になると思わなかった”と言っていました。
福島の復興は着々と進んではいますが、完全復興まではまだまだでオリンピック・パラリンピックの聖火リレーが福島からスタートすると言うテロップは3月11日ではオリンピックが行われないかもしれないと言う現状が皮肉にも感じますが、それでも前を向いて歩んでいくしかないんですよね。
長文で拙く、まとまりの無い文章ですが、いろんな事を再び繰り返さない為にこの作品は「観るべき作品」と個人的には考えます。
観賞菩薩さん
コメントありがとうございます。
この作品は観賞後の今でもずっしりと余韻の残る作品で見応えがありましたね。
近くにMOVIXは良いですよね。会員カードで安くなるしw
お褒め頂きましてありがとうございます。
拙い文章の感想でいろんな細かいツッコミもありますが、お付き合い頂ければ幸いです。
また、お暇がありましたら、覗きに来て下さいね♪
マツマルさんとは少々違いますが、自宅から自転車なら10分の距離にMOVIXが在ります。本作は別の劇場で観ましたが、この状況で、暫くは映画を観なくても良いと思える映画でありました。
長文でも、全然読めますし拙く無いです、まとまりもある文章ですよ✨…共感しました。