「現場」Fukushima 50 もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
現場
①「Fukushima 50」って何のことか、この映画で初めて知りました。当時、福島第一原発の事故中継はTVで観てましたが、あの時に発電所内に所員さんたちがいて必死に事故の対応をしていた事になど全く思い至っていませんでした。遠く離れた奈良県(災害少ないんです)に住んでいるからとは言え、同じ日本人としてホント申し訳なさ一杯になりました。②同じ時代に生きる日本人として東北大震災のことも福島第一原発の事故のことも忘れてはいけないとは思っています。いまでも完全に復興したわけでないことも(果たして元通りになるとは思えないし)、原発問題が解決出来ていないことも判っていますが、阪神大震災ほど肌感覚として身近に感じられないことは確かです。心にもないのに同情っぽいことを言うのは却って失礼だと思いますし。③福島第一原発の場合は未曾有の事故ではありましたが、私たちが肌感覚で解るのは、一番大変なのはいつも現場であるということ。東電であろうと、うちの会社であろうと、本社で椅子に座っている連中は現場の大変さが判っていないのは何処でも同じだと、それは良く伝わってきました。特に現場を知らない人間が上に立つと。④映画としては、最後まで緊張感が途切れなかった点で演出的には合格かなとは思いますが、一番山場であろう2号炉の圧が下がらないところをもっとサスペンスフルに盛り上げれば、圧が下がったところにもっとカタルシスを感じられただろうとは思います。あっ、これで終わりなんだというちょっと中途半端感が残ったので。⑤しかし、当時も思った事だけど、何で首相がノコノコ出ていくのだろう。そのパフォーマンスでどれだけの人が迷惑を被るかわかんないんだろうか。⑤力作だと思います。被災している方には甘いと笑われるだろうけど、最後に涙が出たのは確かだし。