ゴーストマスターのレビュー・感想・評価
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篠原信一さん、少しだけ活躍を期待してました。
映画の中で三浦貴大演じる助監督はトビーフーパーをリスペクトしています。昔のことであまり覚えてないけど、フーパーのスペースバンパイアは友達と笑いながら観た覚えがあります。ビール飲んで酔ってたけど。
本作も、麿さんにヅラ被せた時点でお笑い狙ってるんだろうけど、抜きどころがなくて笑えませんでした。若い役者さんの演技が暑苦しいのもあるけど、主に演出の問題だと思います。タランティーノ観て勉強して欲しいです。
そんな中、ひとり成海璃子さんが、凛としてて良かったです。
「僕に今日、天使の君が舞い降りた」
人気コミックを映画化、撮影終了目前に主演男優が壁ドン拒否、皆んなもうヤメた、感じになる。
必死に再開しようとする助監督(三浦貴大)だったが、映画化を目指しているオリジナルホラーの脚本が勝手に・・・。
これも映画でした。
借りたDVD間違えたのかと思ったが正解だった
B級ホラー
ホラーはだいたい古今東西B級なのでこれはC級ホラー
恋愛映画を撮っていたら主演俳優が壁ドン拒否
ホラーマニアの助監督が温めていたホラー映画の脚本が化け物になって主演俳優に憑依
ヒロイン役の若手女優が殺されてしまう
ホラーなのでグロいっちゃグロいが低予算丸出しなので面白い
なんか変だよ
シュールだよ
『樹海村』とか『事故物件』とか『鮫島事件』だってそれなりにしっかり作っていたよ
でもこれはそれらとも違う
悪趣味なコメディーとして受け止めた
くだらない
月曜ドラマランドのようなチープさを感じてしまう
特撮が大川隆法の映画を彷彿させる
『カメラを止めるな』と比較したくなる人も多いかもしれないが全くの別物で比べてはいけない
助監督の名前は黒沢明だがそれについて突っ込む人がいない
なぜか成海璃子が強い
と思ったらお前もかよ
特殊メイクがドリフのコント以下
ロサンゼルスに拠点を移したらしい柴本幸だが新型コロナが影響したのか日本に戻ってきたようで嬉しい
不機嫌な顔がたまらない
彼女を久々に観れただけで星3つ
くだらないけどどちらかといえば好きな部類
長嶋一茂と玉川徹どっちが好きかと問われ玉川徹と答えるような人にはこの映画は根本的に向いてない
こんな映画でもそれなりに楽しめる自分は幸せ者だ
スクリーンの前に座る人生最高!
この映画 大好きです🎬️
コロナ禍でヤングポール監督のデビュー作品も観そびれてました😫しかたなく本日ネット観賞。公開時の酷評を読みましたがとんでもない!僕には究極の映画愛が止めどなく溢れる最高の観賞時間でした(*^▽^*)トビー・フーパーやタランティーノの扱いに笑いこらえます。程よい力みの三浦貴大が◎、レジェンド麿赤児御大は神憑りだし、成海璃子は本当に美しく素敵な女優さんです。そういえば似たようなシチュエーションの映画「カメラを止めるな!」には私のココロは1ミリも動きませんでした。「ゴーマス」に世界中の映画フリークスが共感するのがよく解ります📽️ポール監督の次回作が早く観たいものです、がんばれー💥👊😃
映画つくるのに愛なんて使いません
コピーが、究極の映画愛、全シーン全カット命がけ──となっている。
三大映画祭を制覇したとのことで、トレイラーも、ものすごくつまんなそうだった。
これは、だめな日本映画のフラグを満たしている。
すなわち、1がんばったを強調する=根性論。2ローカル映画祭での受賞。3映画に「愛」を持ち出してしまう免罪符。すべてが、エクスキューズをもちいて強引に低評価を回避する日本映画の方法論を用いている。ので見た。
ちなみにポルト映画祭の審査員は、初期のピータージャクソンを思わせるVFXの完成度を評価した──と言っていた。当然これはバッドテイストやブレインデッドのことだ。
ファンタスティック映画祭系はモンドセレクション金賞受賞とおなじだと思う。協賛などの権勢で決まるのではないだろうか。出品がすくないし、妙なの受賞したら困る本物の作家は、そもそも出品しない。せかいじゅうで話題になったホラーが、ブリュッセルもシッチェスもポルトも取っていない──ことが、なにより雄弁な証拠。つまり、その受賞をセールスポイントとして誇らしげに掲げているホラー映画が、どんだけしょうもないか、みなさんもよくご存じのはずである。
世界広しといえども、とりあえず、庶民の娯楽に関係する映画祭はサンダンスだけと見ていい──と個人的には思っています。
この監督の最大の勘違いは、映画の登場人物らの驚きが、ひとつも観衆の驚きと呼応していないこと。
かれらは、怪奇現象に、いちいち身体をはって驚く。
ところが、それが見る者にとって、すこしも驚きにならない。白けまくる。まったくご苦労様なことだが、ホラーで人が殺されて、中の人たちが驚き、逃げ回る──われわれは、それに、どうやって感興すればいいのだろうか?
ただ、かれらの労をねぎらうほかに、われわれが感じることはない。そして労をねぎらわなければならない──だけな映画ほど、つかれるものはない。
映画は、ホラーのアイデアをひとつも持っていない。まったくただのひとつも無い。シチュエーションと躁的オーバーアクションだけがコメディを体現している。シチュエーションは、撮影現場。こきつかわれる下っ端ADと女子高生、そこへはらわた風の死者の書が絡む。気の利いたジョークもない。ホラーコメディを謳いながら、百歩ゆずったとしても笑えるところはひとつもない。完全に桐島の前田涼也が撮ったと言っていい。むしろ桐島のスピンオフである。
およそ、監督がアピールできるのは、ものすごく大変だったということであり、俳優さんたちと併せて、全シーン全カット命がけ──のようなエクスキューズ=自己弁護でしか、映画をアピールする術はない。それが日本映画界である。映画をけなしたら「必死で味噌汁をつくっている裏方の苦労なんかおまえたちにはわからんだろうな」と言うのが関山ではなかろうか。たしかに、そんなご苦労はわからない。
海外の気鋭の作家たちが、映画撮影の苦労を、これ見よがしにアピールするだろうか。世界広しといえども、そんなエクスキューズで、喧伝せしめるプロダクトスタンスの映画人は、日本にしかいない。
ところが観衆は作家のクリエイティブスタンスにしか用がない。われわれはサポーターでもなんでもない、たんなる娯楽を享受している庶民に過ぎない。
つまり、こんなことは、言うまでもない人生の法則なのだが、命がけとか、がんばったから──それがどうしたの?ということなのである。
それは過酷な要求でもなんでもない。あなたもわたしも、世の会社員、労働者、庶民たちは、がんばったこと──などでは評価されない。それなのに、なぜ日本映画界の人たちはがんばったことを評価対象だと考えているのだろう。ぜんぜんおかしいのである。
そもそも「愛」というのが、個人的には幻影でしかない。作り手も、批評する側も、映画愛と言った途端に、個人的には眉がつばで溶ける。映画をつくるのに、また映画を見るのに、愛なんてぜんぜんいらない。そういうたわごとを言うのは、架空の人物、桐島の前田涼也だけでいい。
もっとつかれることに、感動系の演出をしてくる。
戦い、決めぜりふを叫び、ただひたすら「おれたちがんばってます」が強調される。
その、いじましさの空気感を想像していただけるだろうか。
がんばりをけなしたら人でなしだと思われかねない──だけで乗り切ろうとする姑息。があふれている。それがどれだけ苦痛か想像していただけるだろうか。
さらに、ねたがふるい。ADの名が黒沢明とか、壁ドンとか、スペースヴァンパイアのオマージュとか、おかしいな、このひとおれよりふたまわりは若いはずなんだけど。愛と平成の人物像なのはなぜですか?文明と隔絶したところで映画撮っているんだろうか。
もはや日本映画に求めたいのは謙虚さだけだ。がんばったという承認欲求と、えたいのしれない気取りをふるい落としてもらうだけでいい。たんなる仕事とわりきって映画を撮ってほしいと切に思っている。
ホラー映画というものが、むしろ映画の主潮流になったこんにち、ローカルなファンタスティック映画祭が意味をなさなくなっている。
つまりアスターのような賢人は、ホラーで映画界入りした、とはいえその自在な筆致を見れば、ホラーでなくてもいけることが明白なのである。
ポルト映画祭は、これに授与しているけれど、ジャクソンのBraindeadとの対比はあまりにも強引すぎる。Braindeadは宝石のようなカルト映画であり、世界中の人々が愛する驚きのNZ映画だった。ただ、なんらかのコメントを残さなければならないポルトの審査員は、やむなくジャクソンの初期と述べたわけである。とうぜんそこから第9地区やラブリーボーンやロードオブザリングへ繋がっていくジャクソンとこの監督にはなんの共通点もない。
ジャクソンがスプラッターから入ったのは、こんにち、アスターやピールやミッチェルがホラーから入ってきたのと同等の理屈なのである。
つまりファンタスティック=ホラーはいまやもっとも面白い映画の主潮流になっているゆえに、今後ブリュッセルやシッチェスやポルトは、この前田涼也くんと心中してしまわないように、方向性の変換を余儀なくされるだろう──と思ったのである。
大げさでもなく皮肉でもなく腹立ちまぎれのすてぜりふでもありません。心からほんとうにつまらない、つかれる映画でした。0点。
何が究極の映画愛やねん
グロさに品がない。
究極の映画愛と見て、地獄でなぜ悪いとカメラを止めるなを思い出した。
上記2作品が好きなだけに、楽しみにしていたのに残念。
映画はおもちゃじゃない。
正直に言うてよろしいですか?
アホだろ
この映画(笑)
絶対ホラーちゃうわ(笑)
明らか笑い取りに来とるわ。
ただそれで言うほど笑えるもんでないのはすぐ分かる。
そこそこにパロディを散りばめているものの、それでどうなるほど、出来が良くない。
ホラー演出とは思えない、チープな演出でコメディとして観ることが出来る。
助監督がスペースバンパイア好きなんも分かる。
トビーフーパーバカにされて腹立つんも分かる。
が、喚いた所でお好きな層にしか響かんからアカンわ。
そんだけホラー愛拗らせてショボいパクり演出を連続させる意味があるんか?よーわからん。
ゴーストマスターの台本の「死霊のはらわた」感は分かるんだが、どうにも安っぽい。
篠原信一とか使ってるけど、スカート捲ってるだけだったり、驚くシーンでも半笑いだったり演技力は皆無でコメディには合っているが…。
愛とコメディとチープなホラーがくっついたらこうなると言うのが答えか?
小豆アイスが硬いのは分かる。
武器にするのはどうなんだ?
アイスが舌にくっついて皮膚が剥がれるとかなったら良かったのになぁ。
リアルに唇の皮持っていかれた人もいるんじゃなかろうか?
コメディなのに特殊メイクは頑張ったで賞。
内容もB級だからこれでよし…と思う。
アクションは全てを救う。あずきバーは命を救う。
いや、同人誌でしょ、これ。もしくは、青少年マンガ雑誌の一発もんとか。にわかには信じてもらえないかも知れませんが、わたくし、常識的な生活を送る、スーパー一般人です。頭の中には「常識」が詰まってます。Common manです。こういう、わたくしの様な者には突拍子が無さ過ぎて、全てが。だから、これコメディ?映画関係者の自虐コメディ?何なんですか?
映画愛、映画愛って叫ぶなよ、そんな露骨に。なんか根本的に少し違う感がぬぐい切れず。が、ニヤニヤケタケタしながら、バカやってんなぁ、楽しいんかなぁ、なんて思いながら見てました。成海璃子のスーパー戦隊ものとかも、良いかも知れませんね。
クソッタレな世界を超えて行け。って、成海璃子、そんなクソッタレな世界に最初からいなくない事無いですか?人生は走馬灯。人が生きた歴史は映画。的な終わり方も、今一つ響かなくって。これが¥500円なら拍手したい、C級だった。
この映画こそトビー・フーパーに謝るべき
印象的なシーンやセリフが予告編で全て使われてしまっていて、それ以上ではなく、キワモノ映画にしても冒険が足らず、『東京残酷警察』や『片腕マシンガール』の様な逆輸入キワモノ映画には、ほど遠いレベルで一昔前のビデオ映画の様だ。仮にそこを目指していたとしても、日本では受け入れられないし、世界にこれが日本映画の最先端と思われても困る。
劇中に度々、トビー・フーパー監督作品『スペースバンパイア』をモデルにしているというワードが飛び交うのだが、実に薄っぺらい。劇中で数々の映画の監督に謝れというシーンがあるが、この映画こそトビー・フーパーに謝るべきである。
この映画で勿体無いのは、ホラー映画オタクという設定であれば、もっともっとコアなオタク設定にして、ホラー映画ネタを大量に盛り込んだ作品なら、パロディ&ネタ映画としてこのクオリティでも成立させられたのではないかと思う。
そして何より残酷なのは「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM」選出作品の特徴として、主演は新人や無名俳優ではなく、それなりの俳優がキャスティングされるという点だ。
主演の2人に加え、脇役には手塚とおるや麿赤兒などの名脇役俳優もキャスティングされているため、無傷では済まないのだ。
バランスがむずかしいなー。
ホラーでコメディか。どちらにも半端な踏み込み具合になってる気がする。主演ふたりが笑いの空気になっていないんだよなー。死霊のはらわたみたいな手作り感なグロ感は良いけれど。スペースバンパイアとか映画ネタもわるくはないんだけど全体的にフッキレ感が弱かった。
究極の映画愛。
と、堂々と言えるのも映画の魅力で。
ホラー。コメディ。SF。アクション。
ジャンルなんて映画愛があれば関係なくて。
三浦貴大というサラブレッドは、大河だったり、ひとりキャンプだったりと、とんでもないハイブリッドなわけで。
何が言いたいかというと、
一般的に超ドB級と思われても、映画愛があれば、間違いなく超大傑作になるということ!
映画好きだから楽しめる映画バカたちの映画
これは剥き出しの映画愛に思わずニンマリする愛すべき作品。映画の撮影現場で助監督の黒沢明(三浦貴大)が書いた「ゴーストマスター」の脚本に悪霊が宿り、撮影現場がパニックになるという、決してシリアスではないホラーなドタバタ。
何しろトビー・フーパーに師事する黒沢の映画愛が愛おしくて仕方がない。成海璃子のセーラー服も全然ありで、元AKBの永尾まりやのやさぐれた佇まいも見逃せない。
やっぱ俺も映画好きなんだなぁと改めて思った。
ある程度は
183本目。
ある程度のチープ感は否めないのは計算し観賞。
時折、オッと思わせる所がある。
何だろうね、もう少しで自分の中で突き抜けそうな感じはあるんだよね。
演出だろうけど、声は大きく芝居は分かりやすくと舞台みたい。
エンドロールで監督外人?と思ったら栃木?まあどっちでもいいんだけど。
このレベルの完成度にするのは凄い
ところどころ台詞に甘さがあったり、悪ふざけが完成度低いから「悪ふざけだな」と思ったりするんだけど、とにかく遊んで、それでも一応の作品に仕上げるのは凄いと思うね。
これだけ適当なシナリオなのに、きっちり仕上げる成海璃子がやっぱり凄いと思ったよ。
映画のいけにえ
『年末には魔物が潜む』なんて言葉を聞くが――
「2019年もあとは『スターウォーズ』あたりで
盛り上がって終わりかねぇ」と思い始めていた
矢先に、文字通りの怪物映画が登場!
『死霊のはらわた』『遊星からの物体X』等の往年
のアナログ感溢れるVFXホラーが好きな方なら、
この作品はオススメです。くわえてそれらの傑作を
製作した作り手をリスペクトしている方であれば、
もう全力でオススメです。
(ただし上記作品のような血みどろ描写がニガテなら注意)
地獄のように甘々な学園ラブコメが始まったかと思いきや
それが血みどろパニックホラーコメディへと転じ、最後は
映画制作への愛憎入り雑じる想いが炸裂して謎の感動に
襲われるという、前方伸身宙返り3回ひねりみたいな
(ちょっと何言ってるかよく分かんない)作品でした。
...
ラブコメ映画の撮影現場で助監督を務める主人公・黒沢明。
不協和音だらけの現場をおさめようと必死に働く彼の夢は、
自分のB級映画愛を注ぎ込んだ脚本"ゴーストマスター"
をいつか自らの手で映画化すること。しかし、スタッフ
たちからの心無い仕打ちや冷徹な言動で彼は自分の
才能に絶望。行き場のない感情を爆発させてしまう。
だがそれをきっかけに、彼が肌身離さず持ち歩いていた
"ゴーストマスター"の脚本がおぞましい姿へと変貌!
黒沢の意思とは無関係にスタッフの1人を怪物に
変えたことで、撮影現場は大混乱に陥ってゆく――
キュン死じゃすまない究極の壁ドン!
OKが欲しすぎる役者馬鹿イケメン!
鋼鉄のあずきバー! 効力ゼロ梵字!
ジャミラ襲来! 自然なタランティーノDis!
そしてゲス過ぎる元柔道五輪メダリスト!
ザッツB級な脱力するような笑いがこれでもか!と
盛り込まれてるし、気合は入りまくっているのに
ズレたセリフの数々や、商業優先の映画に対する
皮肉みたいな冴えた笑いまで散りばめられていて、
もうずっと笑いを堪えるのに必死。
特殊メイク主体の血みどろアナログVFXは
かなりクオリティが高いが、ふよふよ飛んでく
"ゴーストマスター"のユルかわいさとか、
表現そのまま「目ン玉飛び出す」シーンとか、
そこもスットボケた笑いに一役買っている。
...
出演陣も魅力的。
「お前がキュンキュンすんのかい!」とツッコミたく
なる強面監督や、男前過ぎるケーコさん、クールな
仕事人の松尾カメラマン、熱苦しい轟先生と彼に
尽くす付き人など、脇役が皆立ちまくってて楽しい!
(付き人さんの最後の笑顔には笑いながらも感動)
一方、自分の才能に絶望していた黒沢が、段々と
死にもの狂いで脚本・作品に向き合おうと奮い立って
いく姿や、“親の七光り”とバカにされる若手女優・
真奈が自身のルーツに立ち返って闘いに臨む姿など、
現実の分厚い壁にぶつかりながらそれでも
足掻き進もうと成長してゆくドラマも熱い。
ツギハギだらけの作品を救う為、そして作品へ懸ける
自身の想いを遂げる為、全員がありったけの映画愛で
白紙の脚本を「上書き」してゆくのだ。
...
しかし……
「熱い映画愛が全てを救う!」という結末で終わる
映画は過去にも数多くある。だけど、この映画は
それだけでは終わらない。終わってくれない。
才能が無いと分かっていても夢を諦められない主人公。
偉大な親の呪縛から抜け出せず、輝き切れない女優。
映画を多くの人に見てもらう夢を諦められないと笑った人。
映画への憎悪を吐露しながらも、カメラを守ろうとした人。
「君は映画に愛されてる。僕じゃない。」
いくらこちらが映画を愛してみせても、
映画がこちらを愛してくれるとは限らない。
綺羅星のように輝く名作に心惹かれて道を志しても、
そんな名作を生み出せるのはせいぜい数万人に
一人の凄まじい才能と運に恵まれた人間だけだ。
(これは何も映画に限った話ではない)
そんなことは分かっているけど、諦められない。
その輝く星に憧れ続けずにはいられない。
そんな愛憎入り雑じる気持ちを抱えて生き続ける。
強過ぎる愛情というのは、呪いと何ら変わらない。
自分では諦めたつもりでも、決して本当には
心を去ってくれない、そんなものなのだろう。
...
そんな、愛しているが故の憎しみと、憎んでも
なお愛しているという想いが融け合うラスト。
最後に映し出される映像に怒涛の感動を覚えた。
愛だけで名作は創れないかもしれない。だけど、
愛がなければそもそも何一つ創り出せやしない。
浮かばれなかった多くの映画人たちが、“映画に
愛されている”人々へと託してきた想い。そんな
想いの積み重ねもまた、綺羅星のような名作を
生み出してきたのではないかと信じたい。
気合の入ったVFXとトボけた笑い満載ながら、
美しく残酷で、澱んで見えつつも純粋な映画愛に、
思わず胸が熱くなる。そんな怪奇な快作でした。
素晴らしいです。4.5判定で。
<2019.12.07鑑賞>
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