「小栗旬の畳一畳大の白目がスゴイ!バカが寄ってたかって香港をグッチャグチャにする中国共産党結党100周年記念プロパガンダ大作」ゴジラvsコング よねさんの映画レビュー(感想・評価)
小栗旬の畳一畳大の白目がスゴイ!バカが寄ってたかって香港をグッチャグチャにする中国共産党結党100周年記念プロパガンダ大作
フロリダで怪しい装置が開発されていると陰謀論かぶれのバカっぽいエンジニア、バーニーにリークされたフロリダ州ペンサコーラに本社があるヘッポコハイテク企業エイペックス社の巨大施設。他人がトイレに立った隙に食べかけたリンゴを頬張りながらバーニーはセキュリティがガッバガバのシステムに侵入して怪しい装置と思しき映像をあっさり発見したところをゴジラが突如襲撃、避難命令が出た施設内で色気を出したバーニーは立入禁止エリアに不法侵入してさっき見たやつの実物を目撃。一体これは・・・という辺りでだいたい察しがついて、前作から続投のマディソンのバカ友ジョシュがジューダスのBreaking the Lawを爆音で鳴らしながらお兄ちゃんから無断で借りてきたバンで登場したところで確信すると思いますが本作は壮絶なバカ映画です。ということで以降は、
漂白剤ってそんなことに使えるの!?
ドアホンであっさり応答すんなよ、他の映画だったら蜂の巣になるぞ!
それコングが寝返り打つだけで沈没するだろ!
つか手話出来んのかよ。
民間企業の護衛業務で米海軍だけで何千人死んだんだよ!?
複数のヘリでコングを吊るして運ぶのはムリだよ!
重力が反転するって下向いてたのが上向くだけなんだけど何がタイヘンなの?
上も下も地面なのになんで明るいの?
タッチセンサーかよ!
充電式かよ!
その輸送システムの建設費何百兆円かかってんだよ!
つかそんなのに乗ったら即死だろ!
シンジかよ!
ゲンドウかよ!
香港って住民5人ぐらいしかいねえのかよ!
地質学者なのになんでそんなもん操縦出来んだよ!?
それAEDとしても使えんのかよ!
非接触充電かよ!
ログインパスワード問題にそれかよ!?
・・・てな感じで5分に1回程度スクリーンにツッコミを入れていればあっという間に114分暇が潰せます。真面目なものが何一つ映っていない中で特に際立ったバカを披露するのがクールジャパンをたった一人で背負った小栗旬が演じる芹沢猪四郎博士の御子息芹沢蓮。キャリアを重ねるにつれてどんどん演技がヘタになる珍しいタイプの俳優さんですが、事務所社長の山本又一朗がハリウッド人脈でねじ込んだ程度の役なので、セリフらしいセリフは殆どなく、IMAXスクリーン上だと畳一畳分くらいはある白目を剥く大熱演に大爆笑しました。
登場人物が全員バカなのでフロリダと香港が大惨事になるのは完全に人災。とんでもない数の人が死んでるはずですがケガ人一人映らない安全安心映像。CGのクオリティが前作を著しく下回る適当な仕上がりでモブシーンがひとつもないので大作感がごっそり欠けています。そういう中途半端な志が予告に滲んでいるのがバレたのかどうか判りませんが日曜昼間なのに小中高生の観客は綺麗さっぱりゼロでした。そんな阿鼻叫喚の代わりに滲んでいるのは民主主義に対するあからさまな悪意。本作がモンスターたちに体現させたのは中国共産党の強大な力であって、本作が怪獣映画のフリをした中国共産党結党100周年記念プロパガンダ作品じゃないのかという見方も綺麗に成立します。そもそもレジェンダリー・ピクチャーズの親会社は大連万達グループですしね。
ということで、個人的には結構笑わせていただいたので元は取ったつもりですが客席にいらっしゃった方でテンション上がってる人は一人もいませんでしたので、怪獣映画としては壮絶な大失敗作。エメゴジと肩を並べるヌルさで作られた『アルマゲドン』に匹敵するバカ映画がまだまだ作られるのかという明るいのか暗いのかよく判らない未来がはっきりと見えましたけど、ギャレゴジ以降をスクリーンで見守ってきた人間にしてみればお前誰やねん?と思ったアダム・ウィンガード、怪獣も人間もまともに描けないことがバレてしまってこれからどうするんだろうかとちょっと心配になりました。
個人的には大いに爆笑した小栗旬の白目、邦画史上最大のクズ映画である『ルパン三世』で共演した綾野剛演じる石川五エ門の白目に並ぶ迫真の白目だったので二人でピスタチオの映画作ればいいなと思いました、観ませんけど。