配信開始日 2018年12月21日

「『殉教』に通底する地獄絵図」バード・ボックス よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0『殉教』に通底する地獄絵図

2019年1月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

身重の画家マロリーは病院で見かけた女性が自らガラスに激しく頭をぶつけて絶命するのを目撃してしまう。何かを見た人達が次々と自ら命を絶っていく地獄絵図の中でマロリーら数名の生存者は視界を遮ることが唯一の生存方法と知るが、死屍累々の街にはまた別の脅威が迫っていた。
何かを見てしまった人達が自ら命を絶ち、街には死者達の声が溢れる・・・星新一のショートショート集『ようこそ地球さん』の大トリだった傑作『殉教』を彷彿とさせるプロット。音が命取りとなる『クワイエット・プレイス』との類似点が嫌でも気になる作品ですが、直接的にはほとんど語られないもののマロリーはあからさまにPTSDに苦しんでいるという点が個性的。寄り添い助け合わなければ生きていけない世界もまたマロリーには地獄そのものであり、それでも人間として母として生き延びようとする様は圧巻。『ゼロ・グラビティ』で宇宙から生還したサンドラ・ブロックの熱演も素晴らしいですが、ジョン・マルコヴィッチが久し振りに見せる血も涙もない冷徹な演技も見事でした。

よね