特捜部Q カルテ番号64のレビュー・感想・評価
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シリーズ4作目もレベルの高い作品でした。
古いアパートの一室で白骨化した遺体が発見されたことが始まる、遠い過去の犯罪と現在進行している犯罪が明るみに出て・・・と言うストーリー。
地味ながら魅せてくれるサスペンスシリーズの4作目。今回は実際にあった収容所をベースにしたストーリーで、しっかりと骨太のサスペンスでした。
主人公と相棒のすれ違いや、主人公の気持ちの不安定さも上手に描かれていて、より深みを増しているように感じました。
過去と現代を交錯させる見せ方は、余り好きではないのですが、本作では気になりませんでした。過去が犯罪に大きな影響を与える事件でしたし、大戦直後と現代では映像的にも区別し易かったのが要因だと思います。
何れにせよ、一見に値する作品だと思いました。
巨大な陰謀と壮絶な復讐
デンマークの暗い過去
コペンハーゲンの古いアパートの壁を壊したところ、三体のミイラ化した遺体がテーブルに向かって座っている状態で見つかる。
身元を調べると1950年代にあった女性の収容所が浮かび上がってくる。
この収容所は本当にあったようで、デンマークの歴史に暗い影を落としているようだ。
デンマークの至宝スリラー、4作目も安定の仕上がり。
コールドケースを専門に扱う特捜部Qの活躍を描くこのシリーズも早いものでこれで4作目。大家が踏み込んだアパートにあった不審な壁を取り壊すとそこにあったのはテーブルを囲んで座っている3体のミイラ。テーブルの上には切り取られた性器がビン詰めされて置かれていた。身許はいずれも何年も前に失踪していた人物。アパートの住人ギテは何年も行方不明だが不思議なことにアパートの家賃は定期的に振り込まれていた。特捜部Q率いるカールは早速捜査に乗り出すが、そこには半世紀にわたる漆黒の闇が横たわっていた。
向こう見ずな捜査により特捜部Qとは名ばかりの書類整理部門に異動させられたカールが相棒のアサドを他部署へ異動させようとするところからお話が始まる。アサドはカールの真意が解らず困惑、納得いかないまま異動までの僅かな期間で捜査に協力するが、事件の真相が自分の身辺にまで及んでくる辺りのサスペンスが実にスリリング、秘書ソニヤの活躍も相俟って物語は欧州諸国が直面している問題に深く切り込んでいく。この辺のテーマは昨今様々な映画で描写されているもので、アジアの小国であるわが祖国とて決して他人事ではないもの、実にタイムリーなネタを一級のサスペンスに仕上げる演出手腕は見事としか言いようがないです。今回監督が交代していますが、シリーズに通底した冷たい色彩は一貫していて安心して世界観に浸れます。残念ながら本シリーズの知名度が全然低いのが納得いかないので、何かの機会でブレイクすることを切に望んでいます。
わたしにはあなた達2人が必要ですぅぅぅ
堪能した
カールついにデレる!
シリーズのファン
これで最後だなんて言わないで!
コペンハーゲン警察で未解決事件の書類整理を扱う窓際的部署“特捜部Q”。
カールとアサドのコンビが未解決事件に挑む、北欧ミステリー小説を映画化したシリーズ4作目。
いつぞや前3作を一気見してハマり、第4弾が作られると聞いて期待し、レンタルを待っていた!
カールとアサドの今回の捜査は…
アパートで発見された凄惨な事件。
テーブルを囲む3体のミイラ化した遺体。
程なく身元や共通点が判明。有力容疑者も浮上。
皆、ある施設の関係者。
その施設というのが…
スプロー島の女子収容所。
遺体も容疑者も、そこの元医師や看護師や患者。
表向きは非行少女の更正施設だが、実際は、違法な避妊治療や“ふしだら”のレッテルを張られた少女たちを…。
衝撃と驚愕なのは、スプロー島とその女子収容所が実在していたという事!
そこで何が行われていたかは、先にも述べた通り安易に想像付く。
強いる者、虐げられる者…。
隠蔽、事実は闇に葬られ…。
加害者は現在社会的な地位におり、被害者は苦しみ続け…。
惨劇と事件はそこから始まり、悲劇と哀しい復讐へと今また続き…。
シリーズでは前にも似たような題材があった。
忌まわしき過去や歴史、社会悪を許さない。
社会派メッセージを踏まえつつ、エンタメ・サスペンス/ミステリーとして安定の面白さ、見応え。
事件を追う現在とスプロー島での過去が交錯する展開だが、こんがらがる事は無い。
いつもながらの地味な作風…と言うより、じっくり系だが、今回ちょいと派手な見せ場もあり。
でも、ドラマ部分で一番気になってしまうのが…
アサドが特捜部Qを異動。
コンビも後一週間。
それまでに事件を解決したいのは勿論だが、カールが相変わらずぶっきらぼう。
素直じゃない。
それ故、今回は最初から関係がぎくしゃく。
しかし、最後は…。
この二人がコンビであってこその“特捜部Q”!
もう一人のメンバー、ローセも好サポート。
今回も面白かった!
ただ残念な事に、小説はまだシリーズあるが、映画はこれで最後だとか。
最後だなんて言わないで!
特捜部Q、カムバック!
北欧の人種問題は根深いですね
過去の事件から現代への警告
相変わらず面白かったなぁ
人気の北欧サスペンス 特捜部Qシリーズ第4弾
1980年代に失踪した女性を調べていくうちに、同時期に5人の行方不明者が出ていることがわかる
その後、捜査を続けると、そこから、ある事件にたどり着く…
「特捜部Q」シリーズを知らない人のために説明すると
アメリカの「コールドケース」のようなもので
デンマークの首都コペンハーゲンを舞台に、特捜部Qが過去に未解決となった事件を再捜査していくサスペンスシリーズ
この第4弾では、1980年代に起きたある女性の失踪事件を再捜査する
この映画はサスペンスで、その先に何が起きるのかを言ってしまうと、その全てがネタバレになってしまうので、気になる人は、ぜひ、映画を観て欲しい
その物語のベースにあるのは、
第二次世界大戦の終戦直後から、1960年代のデンマークで実際に起きていたできごと
その社会的な問題点を、再度、この特捜部Qに掘り起こさせる
では、なぜ、その問題を「今」再び掘り起こすのかと言えば、現代もまた、その当時起きていたことがまた起きてもおかしくない状況にあるから
その社会的な問題点とは、ヨーロッパで起きている右傾化と排他主義
白人が最も優秀だと考える人たちや、移民排斥主義、LGBTの排除など…
そういう排他主義がエスカレートすると、どんなことが起きるのかについて、過去に実際に起きた事件を交えながら描いている
そして、これは決して対岸の火事ではなく、日本でも起こり得る話だなと思いながら観ていた
その、過去に実際にあった話と、現代の社会問題をリンクさせて描いているのが、特捜部Qならではで、とてもお見事だと思った
人間は進化を続けて賢くなっているかと思いきや、科学技術は進歩しても、残念ながら、人間性はちっとも進歩していないということをヒシヒシと感じる作品だった
とても面白い
陰謀説
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