劇場公開日 2019年1月11日

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「デンマークの至宝スリラー、4作目も安定の仕上がり。」特捜部Q カルテ番号64 よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0デンマークの至宝スリラー、4作目も安定の仕上がり。

2019年8月19日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

コールドケースを専門に扱う特捜部Qの活躍を描くこのシリーズも早いものでこれで4作目。大家が踏み込んだアパートにあった不審な壁を取り壊すとそこにあったのはテーブルを囲んで座っている3体のミイラ。テーブルの上には切り取られた性器がビン詰めされて置かれていた。身許はいずれも何年も前に失踪していた人物。アパートの住人ギテは何年も行方不明だが不思議なことにアパートの家賃は定期的に振り込まれていた。特捜部Q率いるカールは早速捜査に乗り出すが、そこには半世紀にわたる漆黒の闇が横たわっていた。

向こう見ずな捜査により特捜部Qとは名ばかりの書類整理部門に異動させられたカールが相棒のアサドを他部署へ異動させようとするところからお話が始まる。アサドはカールの真意が解らず困惑、納得いかないまま異動までの僅かな期間で捜査に協力するが、事件の真相が自分の身辺にまで及んでくる辺りのサスペンスが実にスリリング、秘書ソニヤの活躍も相俟って物語は欧州諸国が直面している問題に深く切り込んでいく。この辺のテーマは昨今様々な映画で描写されているもので、アジアの小国であるわが祖国とて決して他人事ではないもの、実にタイムリーなネタを一級のサスペンスに仕上げる演出手腕は見事としか言いようがないです。今回監督が交代していますが、シリーズに通底した冷たい色彩は一貫していて安心して世界観に浸れます。残念ながら本シリーズの知名度が全然低いのが納得いかないので、何かの機会でブレイクすることを切に望んでいます。

よね