ANON アノンのレビュー・感想・評価
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何かのピースがはまっていない?
記録と記憶
人体とネットデバイスが同化したような設定に惹かれた。
近未来的な世界観の中、街並みや建物の造形は今とさほど変わらず、むしろ少しレトロな雰囲気も漂っていたり。
目で見たものが映像の「ファイル」として記録され、データとして扱い送受信したり盗まれたりハッキングで弄られたり。
メールも電話も出来るし、仕事をするにも側から見ればただデスクに座ってるだけで十分。
現在パソコンやスマホでやってることが全て自分の脳と視界内で完結しているので、なかなか便利だなと思う反面、その処理をするためのエネルギーでなんだか疲れそうだなとも思った。
個人の能力によって処理速度や性能がバラついてきそう。
それとも脳とは別にチップのようなものを埋め込まれているんだろうか…。
現在進行形の視界までいじられるとハッキング一つで何でも有りな気がしてならないが。
記録と記憶は別に扱われていて、映像を消そうと加工しようと思い出には傷が付かないところが面白い。
設定を頭に入れて整理しながら観るので面白みはあるけど、ストーリーの大筋はわりと普通のサスペンス。
登場人物は常にローテンションで、あまりにも淡々とした進み方に途中で飽きが出てきてしまった。
話になかなか上手く乗れず、肝心の物語を全然楽しめなかったのが残念。
犯人の目的もなんだかピンと来ない。
一人称視点を組み入れたりAR的な映像はスタイリッシュで楽しめるけど、それも段々とわざとらしく感じてくるのが辛かった。
ブルーグレー系に統一されたトーンで、冬に観るには寒々しい。わりと好きなんだけども。
頻繁に挟まれるベッドシーンが好き。
無機質な世界に肉体的で生っぽい描写が入るので良いアクセントになっていたと思う。
状態だけ見ればアンドロイドと変わりない人間たちの欲望を描くことで、動物的な「人間」であることの主張なのかなと思った。
マイノリティ・リポートは、未来。この映画は過去。
冒頭、ミステリアス感のあるSci-Fi映画として成立していたが、観ていくうちにものに対しての解析の数値や情報がチラつきいらいらしてくる。とにかくだらだらとした映画であることは間違いない。しかしながら、パツ金やブルネットのスタイルグンバツなお嬢様が出演されているので良い刺激となった。
ミステリアスな謎の女性を演じたのが、「マンマ・ミーア!」や「レ・ミゼラブル」に出演していたアマンダ・サイフリッド、今回はブルネットというよりは真黒く髪を染めている。
REELVIEWSという映画専門サイトは、「この映画のシナリオはすぐに忘れることが出来る。なぜなら、混乱や予知ができることを満足できないミックスされたものとなっている。」とか香港の英字新聞SOUTH CHINA MORNING POSTの記者は、「単にちょっと熱意を付け加えたテクノロジーとグラフィックを使った生ぬるい犯罪映画。」と述べているが、評論家はもちろんのこと一般の視聴者からも不評であるということは大体推し量れるものとなる。スタイリッシュな映画とされるが主演のクライヴ・オーウェンのイギリス英語が鼻につくし、映画のスタイリッシュさを打ち消している存在となっている。
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