惡の華のレビュー・感想・評価
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恐怖の無い狂気
原作などまったく未読です。
シュールですね。こういう狂気の空間をたゆたう作品、悪く無いですね。ともすると映像がグロかったり、原色バリバリの極彩色空間に振られたりしますが、そうした映像は無しで、日常の空間に役者陣の演技で狂気の彩りが構成されてるのは、なかなか素晴らしいです。玉城ティナの蔑みの目、伊藤健太郎のおどおどした感じ、秋田汐梨の暗い笑顔など、若い役者さんが頑張っていました。
思春期って、恐れおののきながら狂気にひたる時間ですね。怖いけど、怖いもの知らず。時折爆発したくなる時間をなんとかやり過ごして、閉塞感とうまく付き合い、自分を確立していく時間。そこにほんの少しの触媒があるだけで、狂気は爆発してしまう。本作ではそれが仲村さんで、狂気の依り代として、春日くんをおかしくしてしまう。
確かに、なんかよくわからないけど、「向う側」があると思ってた記憶がある。厨二病とはよく言ったものだ。
テーマの割に、それほど重くはならず、かといって軽薄でも無く、うまい塩梅で仕上がっている。他ではなかなか見れない物語だと思う。
そういえば、日本語だと「狂」の字でほぼ片付いてしまうけど、英語だと”insane”,”madness”,”crazy”,”lunatic”など、狂うにしてもいろいろありますね。狂うことについての豊かな表現が、英語がまさるのはなんでたろう。
ここではないどこか
ここではないどこか、
そんな幻想は無い!
→翔んで埼玉。
この幻想に関しては、翔んでの回をご覧下さい。
ここではないどこか、
とりあえずは、
あの山の向こう側。
→翔べない埼玉。
節目の描写やセリフが物足りないのは、
詳細は原作で、続きはマンガで、
という感じか。
例えば、
サワに◯◯から突き飛ばされた時の描写や、
高男くんの反応はそれでいいの?
原作がそうだから・・・?
まあ、いいのかな?
人生をあるがままに受け入れないものは、
魂を悪魔に売り渡す。
ボードレールと違ったっけ?
惡の華が、一部内容が発禁本という変態性に共感する登場人物と、
上記のあるがままを受け入れろのバランスは、原作を読まないとわからないのかな。
いずれにしても、翔ぶ、翔ばない、
そんな簡単な事では解決しないどん詰まり感が凄かった。
佐々木すみ江様
お疲れ様でした(泣)!
ルドン、ガンモンス、ヒャクメルゲw
惡の華の三白眼と、玉城ティナの三白眼、高男を挟んで空っぽ対決!
中学2年生で変態に目覚めるという設定も面白いけど、大人目線で見てしまうと単に同じ年代で惹かれあう幼稚園児と一緒のような気もする。フロイトの心理性的発達理論でいえば、口唇期、肛門期から抜け出せず、文学を愛好することや家庭環境によって性的鬱屈のはけ口を見いだせないまま頭でっかちになったイメージです。多分、玉城ティナ演ずる仲村佐和はオナニーをしたことがないため精神障害が現れているのでしょう。セックスという言葉を多用するのもそれが原因。
そんな中、春日高男は普通の人生を歩もうとしていた矢先に体操着をつい持ち帰ってしまい、仲村に目撃され脅迫まがいで隷属させられる。ある意味、SとMの関係になった二人だったが、アイドル的存在の佐伯と付き合いたいという衝動が勝り、最初のデートでOKをもらってしまう。こんな普通の人間じゃだめだと考えた仲村は自分の世界に高男を引きずり込むというプロットだ。
性の発散の仕方。最近の青春映画でも大概登場するオナニーシーンがこの作品にはない。ますます性的鬱屈状態が深まるばかり。それが深夜の墨汁事件へと発展するのですが、このシーンは実にいい!どうなってもいい!いや、それでどうなったんだ?このままエンディングを迎えたらもっと高評価になったと思う。
夏祭りの事件とか、ちょっと危ないと思うし、高校生になってからも淡々としていて、変態ぶりを閉じ込めてしまっている。高男が不幸にした佐伯と同じように、また人気の常盤文をも不幸にするのでは・・・などと、佐伯目線で三角関係を確認してしまう。とにかく高男と仲村がそろってしまうとブラックホール化してしまい、世の中の普通の人々をも吸い込んでしまうかのよう。惡の華もそんな映像だし、とてつもない変態パワーが渦巻いているのだ。
そんな色々と考えさせられる作品ではあるのですが、中盤以降が長く感じられ、最後の海での戯れはかつてのATG映画の雰囲気そのものだった。ただ、ちょっと大人っぽい常盤はそんな無邪気な変態にはなれないんだろうな・・・と想像してしまいます。「あーーー!」叫ぶ高男が『デビルマン』をも彷彿させるし、冗長気味の後半と、切れの悪い脚本も好きになれない。また、墨汁事件や夏祭り事件の罪はどうなったのかも知りたい。
結局小説の中身はどんな話だったの?
大昔18以下が脱いでも良かった時代はよくATG映画でこんなのよくあったけどどう見ても中学生には見えないしエロシーンが無ければ高校と大学の設定にした方が良かったかも 3人の女に振り回される文学少年の物語なんだけど 中高生の物語じゃないね!!!
過去の精算なんて皆出来てない。
原作は何度も読み返してる。
漫画原作の映画化はやはり不安が大きいが、これは観たかった。
129分の尺でも原作のストーリーを追っかけるのは無理だよね。所々省いてしまい(特に中盤以降酷い)、映画としては???な展開になって感情移入しにくくなってしまったが、思った以上に仲村さんと佐伯さん役の二人がハマってて可愛らしくも変態で映画を盛り上げてくれた。
私も中高生の頃は妄想をよくしていたし、社会や学校のしがらみをどうにかしたいけど結局何もする力も勇気もなく、悶々とした日々を過ごした時があるだけに、この映画の彼らの行動には共感してしまう所がある。
こんな風に自由を求めて足掻いてみたかったとも思う。
一番好きな場面は春日君と仲村さんが深夜の教室で滅茶苦茶に暴れるところだ。
誰もいない夜だから出来る一見自由だが弱々しい二人が輝いている。昼間にやれるなら凄いけど、二人は出来ないよね。そこが弱くて脆い。
昨今の、主人公がやれ不幸になったり時間を行き来して人生を変えて盛り上がる安直なラブストーリーや青春映画より余程心をえぐられる。
いっその事180分くらいの長尺にして、省いた場面を盛り込んだ完全版を作ってほしい。
そうすればかなりいい作品になると思う。
そうすれば飯豊まりえの役も、佐伯さんがいきなり変態になることも無く、全てが浮かばれるんじゃないかな。
ただ、惡の華が空を覆うCGは全くもってセンスなし。もっとおどろおどろしくしなきゃ。
やり直し!!!
こんな女はどこにでもいる
こんな酷い女は私の周りにも掃いて捨てるほどいます。
もっと酷いです。
でも、これを喜んで受け入れる男はいるのでしょうか。
そんなマゾがいるんでしょうか。
あまりに、女が現実的で、男が非現実的でやりきれない。
マインドコントロールでしょうか。
とても嫌な映画でした。
全てにおいて井口昇監督節がありません・・・・残念です
毎年1本、井口昇監督の作品を楽しみにしています。
本作品も半年程前から知っていて、公開を楽しみしていました。
「電人ザボーガー」の時も余すことなく井口節を炸裂してくれたので、本作品にしても何の心配もしないで見に行きました・・・・
正直、本作品、全てにおいて井口昇監督節がありません・・・・残念です。
本作品、コミックの原作があるのだが、井口さんがとるのなら、井口さんなりの解釈で撮って欲しかったな・・・
これだと、誰が監督しても良かったんじゃないかな・・・・
井口作品の良い所は、松田優作さんの「探偵物語」やビートたけしさんや明石家さんまさんの「ひょうきん族」のように、作り手も楽しんで作って、それを見るこちらもその楽しさを感じながら見れる不思議感がいいんだけどね・・・・
井口監督をよく変態監督と言われますが、変態監督と言うよりも、上手く言えませんが、ギャグマンガを作るニュアンスで映画作る。
そこが彼の良い所・・・・・
とにかく、井口節はない、何時も脇役はいない、上映時間は長い・・・・残念の一言・・・・
井口監督の次回作品に期待します・・・・
原作のドロドロ感は薄いです
原作の大ファンです。
原作をリスペクトしている姿勢が感じ取れて好感が持てた一方、
数ある名エピソードをとにかくシナリオに詰め込まなきゃ、という落ち着きのなさも感じました。
中学生編はそんな感じですが高校生編は一変、相当端折られてます。僕は原作の常盤さんが大好きなので常盤さんの魅力を伝えるパートを丁寧にやって欲しかったです。常盤さんの魅力を語らずして仲村さんと対峙するラストは成立しないと思うんですけどね。
演出は教育テレビの道徳のドラマを見ているような気楽さがありました。期待値が低い分、これだけ楽しませてくれたら満足、みたいな。(決してディスりではないです)
春日君の所々に現れるアホっぽさも好きな演出です。
仲村さんが徐々に可愛く見えてくるのも原作ライクな感じで良かったですが、よく見るとスタイルよくて可愛すぎるんですよね。自分磨きをしてきた人の可愛さでしょあの可愛さは。自分磨きなんか絶対しない役回りなのに。仲村さん役はちょいブスくらいがちょうどいいと思います。
エンドロール終わった後のシーンは解釈によると思いますが、自分はバトンタッチしたんだな、と解釈しました。
できればドラマ形式でじっくり時間をかけて撮ってほしい作品でした。アニメが秀逸なのでどうしても比べてしまいますね。
悪の華
って、青春にある何かモヤモヤしたものなのかな。体は大人になっているけど、色んなものに規制をかけられ、また自分自身も今一歩踏み出せない、そんなものの表れでしょうか。秋田汐梨ちゃんは可愛いですね。「青夏」も「賭けグルイ」の時も感じてましたが、今回で再認識しました。
迷走する世界観が好き
原作未読。心の拠り所を求める少年少女の心の葛藤や行き場のない衝動が痛々しく伝わってきて心が揺さぶられる。予期せぬ展開にグイグイ引き込まれて最後まで目が離せない。エンドロール後のワンシーンも印象的。
玉城ティナの演技も素晴らしく、観ているこちらまでリビドーに目覚めるような感覚に陥った。
迷走する世界観がたまらなく好きな作品です。
2019-209
クソムシだけじゃなかった
めっちゃ共感出来てしまった(-。-;
が素直な感想...
私にも仲村さんの様な人が近くに居たのを思い出した
もしかしたら、自分が仲村さんだったかも...
嫌なこととか都合の悪いこと
諸々、大人になってく途中でフタをしてきた物事がある
春日の様にキチンと向き合って解決してないかも...
『変態』の定義は人それぞれで
必ずしも性的な物だけでは無いと思います
多感な年頃に自分の感情に素直になればなる程、世間との間に隙間がある様に感じてしまって
得意げになる人も居るし、誰にも理解されないと嘆いて自分で解決出来ない事となると仲村さんや春日の様に自暴自棄となる若者も...
何があっても、自身の経験となり将来の糧になるんだよ
と、あの時の自分に言ってあげたい
マイナスポイントはどうしても中学生に見えない事ですかね笑
玉城ティナちゃんの春日へ振りえりながらの冷たい視線を送る時の顔や
健太郎さんの恍惚とした表情やスライディング土下座(笑)最高でした!
青春の後ろ姿を人はみな忘れてしまう
先ず最初に言っておきます。私は原作の漫画も
アニメも知りません。
皆さんのレビューも一行も読んでいません。
だからそれは違う、とかその話は聞き飽きたとか、それは別のレビュアーさんの話と一緒だとか思われる方もいると思います。
ですから、最初に謝っておきます。
ごめんなさい。
私はクソ広い関東平野に住んでいます。山は見えません。田舎に行くと駅前にささやかな商店街があり、畑があり、古民家カフェがあり、神社仏閣がある。
そして山が必ず見える。あの山に見守られている感じ。ゆったり時間が流れている感じ。
たまらなく好きです。しかし・・・
それは一方的な見方です。実は山が見える風景。それは地方都市のデフォルトです。あの山は自由を阻害する象徴。あの山の向こうに自由があるかもしれない。少年ジャンプが金曜日に売っている店があるかもしれない!
山の中の平地で生きている事。全てがそこで完結している事。息詰まる感じ。
そっちがデフォルトだった!
さてこの映画は群馬の地方都市が舞台です。
ここが大事です。海無し県。埋め立てで土地を
増やす事はできません。
ここ試験に出る所と先生が言う。それくらい大事です。
逆に群馬県人に言ってはいけない言葉があります。
「群馬って山しかないよね」
ダメです!それをいっちゃあーおしめえよ!
群馬県人を手なずける言葉があります。
「上州かるた知ってる?」
群馬県人のソウルゲームだから絶対知っています。そこで、鶴、舞う、かたちの・・・
「群馬県」(一緒に言ってくれます)
これで群馬県人を手なずける事ができます。
多分群馬県人は閉塞感を持っている人の割合が高いでしょう。離島に住んでいる人の次くらいに多いでしょう。
そういう空気をこの映画から感じました。
一応言っておきますが、ディスってるようですが私は群馬県が大好きです!温泉最高!松本城最高!
それは長野県だよ!
私はこの映画を観て、ある映画を思い出しました。その映画とは・・・
「月光の囁き」
京都の地方都市が舞台の青春映画。かと思いきや変態映画。主人公は極めて普通の男子高校生です。憧れの人と、良い感じになる。
所が憧れの人の物を盗み始め、さらに家に呼んだ時、トイレに録音機をしかける。排泄音まで!
そしてそれが全部ばれてしまう!そこから物語はヒネリ出します?体操の白井選手くらいヒネリます、ゴール地点が見えない。機会があれば見てください。
多分、多くの人はキモイ!観たくない!
そんな感じだろう。しかし・・・
私は共感してしまった。わかってしまった。
青春ってそんなもの。キラキラしてるだけじゃない。
例えば魔法の鏡であなたの暮らしを覗いてみたいとか偶然を装い帰り道で、待ってますとか。
微妙に腹黒い考えを持っている。
青春はそんなに美しいだけではない。不都合な記憶は削除して甘酸っぱいものにしている。
青春の後ろ姿を人はみな忘れてしまう。
私はこの映画に共感した。好きになってしまった。賢者になった。
賢者にはなりませんね。
この映画はまごうかたなき青春映画です。
着地点が見えません。何回も
そうきたか! と思いました。
キャストの熱演も凄い!
特に玉城ティナちゃん!エキセントリックにも
程がある。こういう美女に翻弄され、罵倒され
殴られ蹴られ。最大公約数で言うと、全男子の
憧れだろう。
最後の場所にも意味がある。正直傑作だ!
見事な雰囲気の演出
原作も何も見ずに鑑賞
あまりに人が少ないので外したのか・・・と思いきや
だんだん引き込まれてゆく
独特の雰囲気の中、落ちてゆく子供達
仲村さんを演じた͡娘の魅力が大きいのかな
しかし、中学生の設定時は無理があったような・・・・・
だいぶ屈折した恋愛映画❗
星🌟🌟🌟🌟🌟ストーリーが難解だと言われてます根本は仲村さんと春日くんの恋愛映画のような気がします❗仲村さん役の玉城ティナも良かったけど春日役の伊藤健太郎のヘタレ役がハマり役でハマって観れました❗過激過ぎて共感はあまり出来ませんでしたがラストがいい感じで終わったので意外とスッキリした気持ちで映画館を後にする事ができました❗個人的には凄く面白かったです❗
井口監督
デッド寿司、ヌイグルマーZ、電人ザボーガー。
正直、井口昇監督はB級映画のイメージが強い、いや完全にB級映画の監督だ。
そして今作、悪の華はとても素直に、言わば無難に、忠実に原作を再現するかのように、丁寧に描かれて行くストーリー。
押見先生の原作がとてつもなくパンクで、文学で、物語の推進力を持っているため、そのままを映像化すればいいだけなのかも知れない。
が、しかし。
が、しかしだ!
春日クンが、仲村さんが、佐伯さんが、常盤さんが、井口昇監督が!
俺達を殺しに来たぞ!!
シーンの、カットの、セリフの一つ一つが刃物で、鈍器で、人の心をえぐるための尖ったスプーンだ。
痛みと記憶と涙で殺されそうになる。
別に映画はエンターテインメントが全てじゃない、人を刺し殺す装置で有ってもいいと思う。
井口監督で良かったと思う、つたなさを含め最高に。
クソムシが!
見掛けとセリフで装おうだけで伝わるものが何もない。
まさに空っぽ。
ただ写してるだけのカメラ、象徴の役割を果たさない目玉。劇伴のセンスは皆無。
70年代後半〜80年代のダメな日本映画を観た後のやるせない思いが蘇る。それが一番切なかった。
佐伯さんと常盤さんは普通っぽい可愛いさでよかった。
青の時代の鬱屈した感情をエロティシズム、フェティシズム満載の映像で露わに表現する
初っ端、制作陣のある想いがテロップで流れる。(期待高まる)
冒頭の数シーンでの映像に、<この映画PG12じゃ駄目だろう?>と感じた程のエロティシズムの妖しいオーラが画面から漂い出す。
仲村(玉城ティナ)の下から舐め上げるように春日(伊藤健太郎)を見る大きな目が又、禍々しいほどに妖艶。
ある出来事を見られ、春日は仲村の下僕となっていく過程も刺激的。嫌だいやだと言いながら、春日はどんどん仲村の言いなりに・・。
<この映画、本当にR指定じゃないのか?>
仲村は自らを一般社会に馴染めないと感じており、”向こうへ行きたい”と繰り返し口にする。春日は徐々に仲村に自分と同じ匂いを感じ始める。
春日の中学時代(こんな中学生いるかい?)と高校時代を行き来しつつ、物語は刺激的シーン、セリフ満載で進む。
異形でダークな青春映画の怪作。
邦画にしては頑張った方か
原作があるから仕方ないけど、思春期によくある話しが都合よく進行していく話です。
結論から言うと邦画としては頑張った作品だと思います。主人公はとてつもなく弱っちくて、物理的に女の子のなすがままになり、何かと言うと叫ぶ演技に終始します。アニメだけ見ていたのですが、アニメでギリ許されていた描写も実写になると非現実的でファンタジーですね。ラストは原作通りなのでしょうか?
しかし何かパワーがあり、「愛のむきだし」を見た時に近い気持ちになりました。ただ全員中高生に見えなかったかな。
全101件中、61~80件目を表示