劇場公開日 2019年9月27日

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「過去の精算なんて皆出来てない。」惡の華 ミッチさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5過去の精算なんて皆出来てない。

2019年10月2日
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原作は何度も読み返してる。
漫画原作の映画化はやはり不安が大きいが、これは観たかった。

129分の尺でも原作のストーリーを追っかけるのは無理だよね。所々省いてしまい(特に中盤以降酷い)、映画としては???な展開になって感情移入しにくくなってしまったが、思った以上に仲村さんと佐伯さん役の二人がハマってて可愛らしくも変態で映画を盛り上げてくれた。

私も中高生の頃は妄想をよくしていたし、社会や学校のしがらみをどうにかしたいけど結局何もする力も勇気もなく、悶々とした日々を過ごした時があるだけに、この映画の彼らの行動には共感してしまう所がある。
こんな風に自由を求めて足掻いてみたかったとも思う。

一番好きな場面は春日君と仲村さんが深夜の教室で滅茶苦茶に暴れるところだ。
誰もいない夜だから出来る一見自由だが弱々しい二人が輝いている。昼間にやれるなら凄いけど、二人は出来ないよね。そこが弱くて脆い。

昨今の、主人公がやれ不幸になったり時間を行き来して人生を変えて盛り上がる安直なラブストーリーや青春映画より余程心をえぐられる。

いっその事180分くらいの長尺にして、省いた場面を盛り込んだ完全版を作ってほしい。
そうすればかなりいい作品になると思う。

そうすれば飯豊まりえの役も、佐伯さんがいきなり変態になることも無く、全てが浮かばれるんじゃないかな。

ただ、惡の華が空を覆うCGは全くもってセンスなし。もっとおどろおどろしくしなきゃ。
やり直し!!!

ミッチ