「惡の華の三白眼と、玉城ティナの三白眼、高男を挟んで空っぽ対決!」惡の華 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
惡の華の三白眼と、玉城ティナの三白眼、高男を挟んで空っぽ対決!
中学2年生で変態に目覚めるという設定も面白いけど、大人目線で見てしまうと単に同じ年代で惹かれあう幼稚園児と一緒のような気もする。フロイトの心理性的発達理論でいえば、口唇期、肛門期から抜け出せず、文学を愛好することや家庭環境によって性的鬱屈のはけ口を見いだせないまま頭でっかちになったイメージです。多分、玉城ティナ演ずる仲村佐和はオナニーをしたことがないため精神障害が現れているのでしょう。セックスという言葉を多用するのもそれが原因。
そんな中、春日高男は普通の人生を歩もうとしていた矢先に体操着をつい持ち帰ってしまい、仲村に目撃され脅迫まがいで隷属させられる。ある意味、SとMの関係になった二人だったが、アイドル的存在の佐伯と付き合いたいという衝動が勝り、最初のデートでOKをもらってしまう。こんな普通の人間じゃだめだと考えた仲村は自分の世界に高男を引きずり込むというプロットだ。
性の発散の仕方。最近の青春映画でも大概登場するオナニーシーンがこの作品にはない。ますます性的鬱屈状態が深まるばかり。それが深夜の墨汁事件へと発展するのですが、このシーンは実にいい!どうなってもいい!いや、それでどうなったんだ?このままエンディングを迎えたらもっと高評価になったと思う。
夏祭りの事件とか、ちょっと危ないと思うし、高校生になってからも淡々としていて、変態ぶりを閉じ込めてしまっている。高男が不幸にした佐伯と同じように、また人気の常盤文をも不幸にするのでは・・・などと、佐伯目線で三角関係を確認してしまう。とにかく高男と仲村がそろってしまうとブラックホール化してしまい、世の中の普通の人々をも吸い込んでしまうかのよう。惡の華もそんな映像だし、とてつもない変態パワーが渦巻いているのだ。
そんな色々と考えさせられる作品ではあるのですが、中盤以降が長く感じられ、最後の海での戯れはかつてのATG映画の雰囲気そのものだった。ただ、ちょっと大人っぽい常盤はそんな無邪気な変態にはなれないんだろうな・・・と想像してしまいます。「あーーー!」叫ぶ高男が『デビルマン』をも彷彿させるし、冗長気味の後半と、切れの悪い脚本も好きになれない。また、墨汁事件や夏祭り事件の罪はどうなったのかも知りたい。
kossyさんへ
毎度です!ボードレールで…ポジティブな意味なら嬉しいです!
パーンティ達の件、気づいたのはkossyさんだけですw ちなみに俺、「脱ぎ終わった後」のパーンティには、興味も用も無いのでw
確かに、そのシーンがなかったのは、不自然かなあと、思います。事務所的にNGかもしれません。「みんなエスパーだよ!」の池田エライザちゃんも微妙に
ぼかしていました。
不思議とテーマとか設定とかちょっとしたディテールが被ることありますよね。
私もこの作品の翌日に鑑賞したパリに見出されたピアニストでボードレールの詩一片が出てきて驚きました。
まあ惡の華を観ていなかったらボードレールという名前に引っかからなかったですけど。
bloodtrailさんは頭を過ぎりましたけどねw