ミスター・ガラスのレビュー・感想・評価
全243件中、1~20件目を表示
観る人は選ぶかも知れないがだってシャマランだもの。
やッぱりシャマランだ!と嬉しさがあふれ出す自分のような種族には楽しくてたまらないが、なんだこりゃって呆れる人の気持ちもわからなくはない。ただシャマラン好きにだって、願っていた通りの映画かと言われれば違うのではないか。むしろ『アンブレイカブル』の続編を待ち望んできたわれわれこそ、この展開は予想もしなかったのではないか。 でもそれこそがシャマランなのだ。シャマランはいつだって「ほら、こうなると思ってたよ」という観客のしたり顔と戦ってきたのだと思う。ドンデン返しがトレードマークと言われると、今度はドンデン返さない映画を撮ってしまうのもシャマランだし、この映画も「シャマラン流スーパーヒーロー映画」という看板から類推される展開をみごとなまでに気持ちよく裏切っている。ああ、シャマランって本当に映画を作るのが大好きなのだなあ。そしてシャマランの飽くなき挑戦欲はいつだって刺激的なのですよ(いつだっては嘘、勢いでほめ過ぎました)。
鋼の檻と硝子の夢——禁断の英雄譚
人間の心の深奥に潜む欲望と、それを鎖で縛ろうとする現実の禁忌。その狭間で悶え苦しむ者たちの物語——「ミスター・ガラス」はまるで、我が筆にて描き上げた禁断の戯れのようではないか。 シャマラン監督の映像美は、まるで皮膚の下に埋め込まれた針のように鋭く、痛みを伴いながらも快楽を生む。ブルース・ウィリスの寡黙な強さは縄のように絡みつき、サミュエル・L・ジャクソンの冷徹な知性は鞭のように観る者の心を打ち据える。そして、ジェームズ・マカヴォイの多重人格が紡ぎ出す狂気は、まさに官能と恐怖の極致だ。 物語は三者三様の悲劇を描きつつ、最後には運命の檻という牢獄に彼らを閉じ込める。自由への渇望は、もがけばもがくほどその緊縛の強度を増し、解放の刹那をさらに強烈に感じさせる。観客はその果てに訪れる、甘美で残酷なカタルシスにひたすら飲み込まれるのだ。 「ミスター・ガラス」は、ただのスーパーヒーロー映画ではない。それは人間の弱さと強さ、破滅と救済が交わる、闇夜の中の濃密な戯曲である。そして私たちに問いかけるのだ——あなたの内なる異端は、果たして解き放たれるべきなのか、と。 この映画を観ることは、あたかも禁断の扉を開き、その向こうに広がる魅惑の世界へ足を踏み入れることに他ならない。果敢に飛び込む覚悟がある者のみ、その快楽と真実に触れられるだろう。
限りなく現実と地続きのヒーローもの
「アンブレイカブル」「スプリット」と続けて鑑賞。 全体的に地味だけど、それゆえリアリティがあり色々考えさせられる。 現実にも常人離れした特殊な能力を持つ人が稀にいるわけで(例えば大食いのギャル曽根さんは特異体質の持ち主であることが医学的に証明されている)、じゃあそういう人と超能力の線引きはなんだろう?とか。 集められた3名が自身の能力を妄想だと否定されていて、観客側としてはそんなわけあるかー!と思うけど、これは集団ストーカー妄想で有名なあの病気の患者達が感じている世界なのかなぁ、とか。 とりとめもなくそんなことを考えていた。 ヒューマンドラマとしても見応えがあるし、色々な見方のできる面白い映画だと思う。
面白い話
アンブレイカブル、スプリットに続くシリーズの完結編にあたる作品だと思ってます。 ミスターガラスがしたかったことが、最後にわかる点でいい終わり方だなと思いました。ラストの終わり方は好きです。 スプリットを見てからかなり時間が空いていたので、アニヤが出ていたことをすっかり忘れてました。 いい感じの役どころで、今後も期待したい女優さんです。
glass
2024年8月9日 映画 #ミスター・ガラス (2018年)鑑賞 スーパーヒーローを研究する精神科医のもとに特殊な能力を持つ3人の男が集められる 不死身の肉体と悪を感知する能力を持つ男 凶暴で超人的な“ビースト”を含む24の人格を持つ男 非凡なIQと94回骨折した壊れやすい肉体を持つ男 なんか中途半端
終盤にはこのストーリーがすべてある人物によって仕組まれていたことが判る。 劇中でフィラデルフィアの街にできた 最も高い(架空の)ビルの名前がオオサカタワーというのは謎だ。
動画配信で映画「ミスター・ガラス」を見た。 2019年製作/129分/G/アメリカ 原題:Glass 配給:ディズニー 劇場公開日:2019年1月18日 ブルース・ウィリス サミュエル・L・ジャクソン ジェームズ・マカヴォイ アニャ・テイラー=ジョイ スペンサー・トリート・クラーク サラ・ポールソン シャーレイン・ウッダード M.ナイト・シャマラン監督の 「アンブレイカブル」、「スプリット」を見たオレは 3部作のこの3作目をずっと見たかった。 ロードショーは気づかないうちに終わっていた。 今回やっと見ることができた。 フィラデルフィアで乗客131人が死亡するという悲惨な列車事故で 唯一生き残ったデヴィッド(ブルース・ウィリス)。 イライジャ(ミスター・ガラス)(サミュエル・L・ジャクソン)は 非凡なIQと、生涯で94回骨折した壊れやすい肉体を持つ。 ケビン(ジェームズ・マカヴォイ)は 一人で24人もの人格を持つややこしい人物。 彼らの共通点は、自分が人間を超える存在だと信じていること。 フィラデルフィアの精神病院にこの3人が収容された。 エリー(サラ・ポールソン)はこの3人を治療する医者だが、 他に真の目的があった。 終盤にはこのストーリーがすべてある人物によって仕組まれていたことが判る。 劇中でフィラデルフィアの街にできた 最も高い(架空の)ビルの名前がオオサカタワーというのは謎だ。 この映画の世界観は3部作を全部見てこそ判ると思う。 満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
シャラマン監督版ヒーロ映画!
鑑賞中は、まずどんな展開になるのか全く想像つきませんでした。体が壊れない不死身なデヴィッド(善役)、24の人格をもつケヴィン=ビースト(悪役)の戦い映画だろうか?と思っていたら、早々に両者が施設に捕まってしまう始末です。この2人に加え、骨が壊れやすいが天才的IQのミスターガラスがどう彼らに関わってくるのか、重要かつ非常に面白い要素でした。 結局、この映画のテーマは何だったのだろうと考えます。善も悪も関係なく超人達が人間から特異な存在として扱われている、悲しきヒーロー達の姿が見えました。バットマンやX-MEN、そしてウォッチメンにも代表されるように、人間からは変り者として扱われ嫌われる、そんなヒーロー達を描くように。 本作でヒーローは活躍できたのでしょうか?いや全くそうではなかったですね。この映画で、ナイト・シャラマンが描きたかったのは、ヒーローの終わりではなく、ヒーロー達の始まりを描いているようでした。 いや~、シャラマン版アメコミヒーロー映画とくと見せてもらった気がします。今までのアメコミヒーロー映画に喧嘩でも売っているんじゃ?っと思えるほど一線を課した作品で、賛否両論な評価みたいですが、個人的には非常に面白く新しい形のヒーロー映画を見せてもらった気がしています。 監督あなたは、コミックが大好きなんですね!と、この作品の深さを知れば知るほどそう思う次第でした。
2回目の鑑賞になります
だいぶ前に劇場でみたのすっかり忘れてました やっぱりアンブレイカブルとスプリット見てるか見てないかで評価はだいぶ変わると思います これ単体でみたらわけわからんかと思う 世に能力者を広めるという目的は果たしたのかもしれないがあくまでタイトル通り主役はミスターガラスなんだなぁと納得 それが面白さに直結してるかというと疑問 まあ、アニヤも綺麗だしマカヴォイの演技もすごいのでそういう部分では楽しめるけど地味なのよねえ、せっかく3人の特殊能力者がいるのに ラストもなんか地味な終わり方
凄いストーリーでした…
シャマラン監督はここまで考えた上でアンブレイカブルとスプリットを撮ったのか。 前2作の全てはこの結末に繋がる3部作の最終章。 彼らは英雄か悪役か。 散りばめられた伏線をいかに見落とさないかが鍵。 相変わらず1人20役以上をこなすジェームズ・マカヴォイの演技力がまず凄い。 それに加えて物語の核となる根本的な謎と新たなる組織の登場など、サスペンス要素も増しているので見応えはなかなか。 結末の捉え方ひとつで見終わった後の全体の面白さが変わるかもしれませんが、私は素直にストーリーに驚きました。
条件付きシャマランの最高傑作
シャマラン監督はあまり好きではないので、「シックスセンス」「サイン」「ヴィレッジ」「アンブレイカブル」「スプリット」くらいしか観ていないが、その中では確実に一番面白い。 ただし条件があって、「アンブレイカブル」と「スプリット」は絶対に観ておかなければならない。出来ればなるべく直近で。 なぜなら、本作ではキャラクターの説明が一応されるものの、圧倒的に足りない。 この作品は三人の主要キャラクターと世界観をどれだけわかっているかにかかっている。 世界観とは、リアルな現代と考えて大体いいが、その中に非現実的な存在がポンっと放り込まれてリアルなのかファンタジーなのかあやふやな、現実世界で起こる可能性のある非現実のブレンド。 このあやふやさが序盤の物語をスリリングにしている。何かが起こりそうだという予感だけで、もうたまらんのだが、はっきりいって前半半分くらいは本当に何も起こらないと言っていいほどに何もない。 それを一番象徴する男がミスターガラス。作品のタイトルにもなっている彼は中盤あたりまで出てきません。やっと出てきたと思ったら一言もしゃべりません。おいおい、仮にもタイトルは「GLASS」だぜ、本作の主人公ではないのか?もっと頑張れよ、くらい思ってしまう。しかしこの不気味さこそ楽しむべきポイントなのだ。 終盤、三人が病院を脱出したあたりからは怒濤の展開。やっぱりミスターガラスは企んでたよ! そのあとクローバーのイレズミの謎の集団の目的が明らかになる。彼らのやろうとしていること、思想は理解できる。恐らく彼らは「正義」なのだろう。しかし特殊な人間を排除しようとする考えは、近年の映画でもよくある、性的や人種的マイノリティの排除は悪いことだという今の世界的「正義」に反することであり、正義の反対が悪であるならばクローバーの彼らは「悪」ということになる。 するとどうでしょう。本来は悪役であったはずのビーストとミスターガラスに肩入れしている自分に気付くはずだ。 「己の身を犠牲にして事を成す」これだけ聞いたらスゴくヒーロー的じゃない?。ヴィランだったミスターガラスがヒーローに見えてくるでしょ。 そして、ミスターガラスの意思を受け取った、残された三人は動画を拡散させ、敵対してもおかしくない者同士、手を取り合い喜ぶ場面で共に喜ばずにはいられない。複雑な引っ掛かりが残っていたとしてもだ。 ミスターガラスの野望はガラスの破片が飛び散るように拡がった。ヴィランの彼が勝ち「悪は成った」
素材はそれほど悪くないのに
[辛口] 飲み放題を頼んだら「生ビールピッチャー全部とフライドポテトボウル一杯山盛り食ってから他の注文頼めます^^」と言われた時を思い出す。 そんな映画。 そこそこ期待に答えてくれるけど大部分が無味乾燥 『アンブレイカブル(2000)』は視聴済み、あの作品は徐々にヒーローとして目覚めていく様子とヒーローとヴィランの関係について描いたところが面白かった。ヒーロー映画としてはトーン抑えめで、地に足のついた展開なのも良かった。 『スプリット(2016)』は未視聴だが高評価らしい、だが、本作を見たらもういいかな・・・ M・ナイトシャマラン監督といえば『シックスセンス』『サイン』『ヴィレッジ』『ハプニング』などなど、どれも嫌いじゃない、映画としてはそこそこのレベルで仕上げてくるし、印象深いオチを必ずつけてくる。 いつも「楽しめたけどまぁ二回は見なくていいかな」という感じだが、本作は視聴中もしんどい ヒーローとヴィランがそろっていて、なんで舞台のほとんどを精神病院みたいなところに缶詰にしたのか・・・正直展開が読めたので「いつになったらこの場面終わるのかな」と思ったら割と終盤までそのままだった。おいおい 本作世界のテーマのひとつは「バランス」にあると思うんだが、その辺を理解しているようで理解していないのがなんなのか、シンプルにがっかりな展開だし、過去作への決着の付け方の中では安易な方法をとっているのも好みじゃない。 オチも某有名SF小説の超能力者が発生する経緯と同じような感じで、個人的にはやや面白みに欠けるし、演出不足。 続編として作品世界に奥行きをもたらすこともなく、浅い設定が増えただけでは不満 あのオチに持って行くなら、そのための伏線として、周囲の人間への影響を描くべきだったし、その結果世界が混乱に陥るということをもっと演出するべきだったのでは・・・(まぁこの監督らしい表現ではあるが) この素材ならもっとずっとうまく料理できただろう、惜しい
二大俳優の無駄遣い
アンブレイカブル、スプリットの続編。アンブレイカブルはそこそこ楽しめ、スプリットはイマイチ、今回は更に酷い映画でした。映画のほとんどが、精神病院の病棟で進みます。展開のテンポが悪く観ていて眠くなりました。内容も退屈な内容でした。終盤に伏線回収やサプライズもありますが、大した驚きはなく、なんとなく後味の悪い終わり方でした。とにかくブルースウィリスとサミュエルLジャクソン二大俳優2人の無駄遣い映画だと思いました。大阪タワーも思わせぶりに何度も紹介しておいて、シーンに全く出てこないんかい!ナイトシャラマン監督作品はシックスセンスは良かったのですが、それ以降の作品はどれも裏切られてきたので、もう観ないかな…残念。
最終作
フィラデルフィアのとある施設に、それぞれ特殊な能力を持つ3人の男が集められる。 不死身の肉体と悪を感知する力を持つデヴィッド、24人もの人格を持つ多重人格者ケヴィン、驚くべきIQの高さと生涯で94回も骨折した壊れやすい肉体を持つミスター・ガラス。彼らの共通点は、自分が人間を超える存在だと信じていること。 精神科医ステイプルは、すべて彼らの妄想であることを証明するべく、禁断の研究に手を染めるが……。(解説より) 3部作の最終作、というより前2作を鑑賞して初めて本作が理解できる作品かと。 いまいち盛り上がりに欠ける展開でなあるな思ったものの、意外にもラストは爽やかな印象。 ミスターガラスの知能すごすぎる。
まさかの展開に感動すら覚えた
自分の能力を否定された者の苦しみ。
自分の信じる者を否定された者の悲しみ。
まさかのまさか、最後はどこかにいる“虐げられた者たち”の(精神的な)解放を予期させる胸熱な展開で、感動すら覚えた。
アンブレイカブルが、このような結末で帰結するとは思わなかった。とにかくおもしろい。随所に何かが起きる予感を張り巡らせたカメラアングルもよく、最後まで緊張の糸がとぎれず、二転三転、どう結末を迎えるのか予想できなかった。
能力あるものは、その驚異を誰かに異常と定義され、平均であれと抑圧され、社会の隙間に落ち込む。平凡な権力者たちは制御しやすい社会を構築しようとする。
そんな現実を物語に投影しつつ、アメコミが人間の妄想ではなく、人間の可能性を示しているという解釈が素敵。そこには善vs悪という単純構造ではなく、人間の可能性そのものを否定する存在との闘いがあった。
アンブレイカブル当初からこの構想があったのか? あったとしてもなかったとしても、ここまでまとめあげて全く予想だにしないメッセージをぶちこんでくるとは!
これは近年最高にお気に入りの映画の一つとなった。マカヴォイの演技も必見!
感想メモ
面白かった
カウンセラー?の女の人の立ち位置がラストでわかり、なるほどねという感じ。世界の均衡のために、正義も悪も関係なく隠滅する組織、良い。
ジェイムズ•マカヴォイの怪演は「スプリット」の時と同じく素晴らしい!
もう少しバトルシーンが欲しかった気もする
警備がザルすぎる
全243件中、1~20件目を表示