殺さない彼と死なない彼女のレビュー・感想・評価
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単なるラブコメだと思ってたのに、かなり奥が深い・・・「今からが未来だよ」と言う撫子が好き。
3組の高校生カップルが時間軸を超えて交錯する(SFではありません)。中心になるのは留年高校生・小坂れいとリスカ少女の鹿野なな。高校生で留年するのは海外留学した生徒か、病弱な生徒が定番だったけど、虚無感いっぱいで成績優秀でもある小坂れいはどことなくカリスマ性のある、冷静沈着な青年。「殺す」とか「死ね」が口癖である割にはその本気度も薄いけど、とらえ方次第では「死ぬなんて言うな」という愛情と、「俺にかまうな」という孤立感の両方が受け手によって変化する。一方の鹿野ななは、トイレに行く感覚でリストカットするほど死にたがりなのに、自分の存在に気づいてほしいという潜在意識の中でのかまってちゃんが見え隠れするのです。この二人のやりとりにクスッと笑ってしまい、真逆の口癖が心を通わす原動力となってくるのが面白い。また、泣かないななの心も妙に伝わってくる。
地味子とキャピ子という、これもまったく対照的な女子高生だが、「可愛い」と言われたい症候群に陥ってるキャピ子は地味子を引き立て役として利用していると噂されたりする。恋愛中毒気味だが冷めた部分もあるという、わかりやすい性格のキャピ子に対して、もうちょっと描いてもらいたいくらい興味深い性格の地味子。こんな関係の女子は昔からどこにでもいたような気もします。
撫子と八千代。「好き」を連発して、「好きでいてくれない八千代が好き」という撫子の弁証法的恋愛劇が面白い。逆に考えると、八千代も根負けして好きになってしまうと嫌われるという矛盾から、「好き」とは言えないでいるのだ。ようやく映画館デートへと発展するが、帰り際での会話シーンがなかなか深いのだ。
こうした3人の物語が進み、老舗を手伝う姉弟、地味子と八千代という関係。そして意外にもラスト近くでななと撫子の学年が違うことがわかる。また、八千代にさっちゃんと呼ばれていた女性は5歳くらいの子供を連れていたので、時間軸もややこしくなってきた。産んだのは中学の時か?!となってしまう。この時間軸の波乱はストーリーには影響しないものの、全体を考えると混乱してしまいます・・・俺だけか?(泣)
いわゆる脱力系のゆるい展開の映画ではあるが、デビュー当時の山下敦弘監督や三木聡監督作品とも違い、ハンディカメラ中心で心情表現が上手く撮られている感じがする。シュールな部分、意外な展開、驚愕とまでにはならないが非日常を描くことのできる監督だと思う。
この映画を観たあとは何かが必ず変わるだろう。You can change your mind
かなり前、私が17歳位の事である。植物好きの
父が庭にマスカットを植えた。庭と言っても下町の建売住宅である。50センチの隙間である。
ところがマスカットの生命力は凄まじい!
1日に20センチ以上成長する!朝起きると私の
部屋に侵入している事もあった。植物というより動物だよ!
当然、私の家はマスカットの蔦に覆われ、緑の館になった。「クリープショー」のスティーブン キングの様に私が植物になる恐怖を感じた。
近所の子がからかいにくる。
「やーい お前んち おばけ屋敷!」
その子の名前は確か勘太かな・・・
農薬は使ってないので、芋虫が発生する。しかしその芋虫を狙って捕食者の昆虫が集まって来た!カマキリやアシナガバチだ。小さな生態系が形成された。
アシナガバチはひさしに巣を作った。私の枕元からほんの二メートルの距離だ。雨、風、を凌げ餌も豊富。最高の立地条件。私は・・・正直嬉しかった。可愛いと思った。
8月の最も暑い頃の事である。家には水草用の鉢があった。直径50センチくらい。そこにアシナガバチが水を飲みにくる。一時間に20回
くらい。なんで回数が分かるかと言うとずっと観察してたからだ。
虫も喉が乾くんだね。いや違います。
彼女達は妹達が暑さで死なない様にその水を妹たちにかけ、羽で扇いでいたのです。
気化熱を利用しているのです。
涙が出ます。献身的です。
しかしそういう生き物なのです。
水を飲むのだって命がけです。鉢に落ちたら
死んでしまいます。
アシナガバチ・・・は素晴らしい!
今はマスカットを切ってしまい、アシナガバチも消えた。遠い夏の記憶だ。
蜂の話が多いんじゃー!!
(何故岡山弁?)
さて長いまくらが終わり、ここから映画の感想に入りますが、この先は読む必要がありません。ネタバレせずにこの映画の素晴らしさを伝える自信がないのです。泣いて笑って喧嘩して・・・その位しか言えない。チョー気持ちいい、
何もいえねー・・・やはりその位しか言えない。今すぐにシアターへゴーです。
物語の主要な登場人物は6人です。
小坂れい(間宮祥太朗)と鹿野なな(桜井日奈子)
地味子ちゃん(恒松祐里)とキャピ子ちゃん(堀田真由)
撫子ちゃん(箭内夢菜)と八千代くん(ゆうたろう)
この三組の微妙でユニークなやりとりが暖かく描かれます。れいくんは無気力で口癖が「殺すぞ」です。ななちゃんはいじめられっこでトイレに行くのと同じくらいリストカットをしています。口癖は「死ぬ」です。
ある日教室にアシナガバチが迷い込みました。
別の生徒がそれを殺し、ゴミ箱に捨てます。
ななちゃんはアシナガバチを手にしてお墓を作りに校庭に行きます。
もうね、この時点で大共感!
ぼっけえ(凄く)いい子すぎるんじゃ!
アシナガバチだって生き物じゃ!
れいくんは、何故か気になって後を付いて行きます。これをきっかけにこの二人はつき合うというか一緒にいるというか・・・そんな関係になります。
便宜上ななちゃん、れいくんと書きましたが、二人とも相手の事を「お前」と呼んでいます。
会話も「なんだお前殺すぞ」「じゃあお前殺してみろよ」こんな感じです。結構笑いました。
場内は笑いに包まれていました。
ここから先は書きません。皆様方のこの映画を観た時の楽しさ、悲しさ、感動、を奪いたくないからです。
他の二組の関係も最高です。この映画のビジュアル、タイトルから観る前はかなりナメていたのを告白します。その頃の私を殺したい!
映画を観たあと丸善(書店)に行きました原作の漫画を買う為です。しかし見つかりませんでした。勇気を出してレジに行き、お兄さんに聞きました。タイトルが長いのと気恥ずかしいので
買ってきたパンフレットを見せて、聞きました。
「あのう、この映画の原作の漫画なんですが、
有りますか?」お兄さんは快活に答えた。
「 はい!有りますよ!」売り場まで行き。
「最後の一冊ですよ。良かったですね」
なんと平積みにしてあり、低くなっていたので
視界に入らなかったのだ。お兄さんの気持ちが伝わった。(また売れた!また仕入れなきゃ)
映画鑑賞後、本屋に駆け込んだのは「海街diary」以来だ。4コマ漫画で脱力系の絵だ。普段なら絶対に手に取る事のない漫画。会話中心の漫画。
一読してビックリ!今観てきた映画が忠実に再現されている!いや逆か。
きっとこの漫画は私の宝物になる。ギュッと抱きしめたくなる感じだ。
そしてこの映画を見終わった後、なにかが変わるだろう。私は変わった。
沢山お礼を言いたい人がいる。
まず漫画家の世紀末さん。こんな素敵な漫画を描いてくれて、ありがとうございます。好きです。
監督、脚本の小林啓一さん。原作への深い愛情とリスペクトを感じました。ありがとうございます。好きです。
スタッフの皆さん。撮影のソフトフォーカスと逆光素晴らしいです。音楽の使い方もいいです。ロケーションも気に入りました。ありがとうございます。好きです。
俳優の皆さん。瑞々しく自然体の演技。何回も笑い、何回も泣きました。ありがとうございます。好きです。
高く評価して私をこの映画に導いてくれた皆さん。ありがとうございます。好きです。そして今、今です。
私のこの、長文、拙文、駄文を読んでくれている皆さん。お付き合い頂きありがとうございます。好きです。
この映画を本当に観て欲しい方々は三組います。現在高校生の皆さん。かって高校生だった皆さん。これから高校生になる皆さん。しかし一番観て欲しい人がもう一人います。それは・・・
あの夏の日、飽きもせず、ずっとアシナガバチを見ていた私に・・・
おじさんにはとてもついていけませんでした
不思議な後味
ただの青春恋愛映画じゃない
やばい。観終わってからずっと鼻の奥がツーンとしてる。安直に泣ける映画ですよ〜とかは言いたくないんだけど、想像以上だった。全然ただの泣ける恋愛映画じゃない。
映画を観ているというよりは、劇を見ている感覚。登場人物たちの言動も、哲学的で、どこか非日常。だけど自分たちの周りにも当たり前に居るような不思議な感覚。そしてそれに体が慣れてきたかな〜と思ったらラスト30分で怒涛の展開。123分があっという間だった。映画をみてこんなに心揺さぶられたのは久しぶりだぁ。
個人的おすすめポイントは、光の演出。
小林監督は自然光撮影にこだわっていて、この映画には照明部がいないそう。だから全編通してすごく優しい柔らかい雰囲気が出ているように感じた。さらに画質がめちゃくちゃ良い。
あと、間宮さんが舞台挨拶で言っていたように、監督は女の子を綺麗に撮るのがすごく上手いなぁと思った。桜井さんのファンとしてはものすごく可愛く撮っていただいて嬉しかったし、もちろん他のキャストの方も漏れなく全員可愛くて上映中ずっと「監督凄え…」ってなってた笑
これは完全に俺の趣味ですが、鹿野の役が俺が観てきた桜井さんの役の中で1番好きでした。寂しがり屋でかまってちゃんで口が悪いし不器用なんだけど小坂といる時は本当に幸せそうな顔をするのがめちゃくちゃツボでした。良い演技だった!CMのイメージしかないなぁって人にこそ観てもらいたいなぁ。
永遠に続きそうなのでこの辺でやめます。
原作を買ってあったのですがあえて読まずに封印していたので今から読もうと思います。
おやすみ〜
じんわりするストーリーだが惜しい
ケータイ小説みたいな話
素晴らしい
レビュー無しあらすじ無し前知識無しで観て欲しい
評判が良いので鑑賞。
個人に、映画は、レビューもネタバレもあらすじも読まないで鑑賞するのが1番楽しめるりもちろん原作は映画の前には読んでも何も得しないと思います。良かったらあとから読めばいい。
この映画は特に何も知らない状態で観て欲しい。以下、ネタバレ無しで触りだけ。でもこれから映画を見る人は読まない方がいい。
と、前置きしつつ。
初めの90分くらい、四コマ漫画原作ということで、テンポよく短いシーンが続きます。ちょっと理屈っぽいが、詩的で小気味いい会話劇。
「死ね」「殺す」「死にたい」などの言葉がちょっと気になりつつ、まさに高校生っぽい。
「死ぬとか殺すとか簡単に言ってはいけない」なんて、大人に言われれば、本気でそんなこと思ってないし。とか返ってきそう。
ドラマチックな展開はないが、それが逆にリアルっぽくて良い。人によっては退屈に思うも知れないけど、時々、とても心に響く言葉もあり、良い映画だなぁと、、、。ホンワカします。
若い俳優陣も演技というよりは日常っぽく良かった。特に間宮祥太朗はカッコイイ。桜井日奈子は演技下手だと思っていたけどこの映画で好きになりました。
ここまでは星4つ。
最後の30分は、ここでは書きません。
ただ、星5つ。高評価納得。
最後に、、、千葉県のポテンシャル凄いな。
都会から田んぼ、ららぽーとまで、なんでも撮影出来るので、今後も千葉での映画を楽しみにしています。柏の葉で見れば良かった(--;)
死ねないくせに、殺せないくせに、、、
2020/04/26追記
原作未読。予告をみて、見に行ってみよーと思いふらっと劇場に足を運んだ。
なんて不思議な映画なんだ。
なんて悲しい映画なんだ。
殺すぞ、殺せないくせに。
死ぬぞ、死ねねぇくせに。
好き、好き、好き、大好き。
好きって行ったじゃん。
誰しも自分の方を見て欲しくて、
なんとか自分を見てくれるように相手を仕向ける。
3つのストーリーが同時に進んでいく
4コマの良さを生かしているのかな
喜びも憎しみも悲しみも全部感じられる
大好きな人には態度を変えちゃう
好きって気付いてよ。ねえ。
過去一映画で泣いた、、、
自然と涙が溢れ出る
ネタバレはしないが、せめて言わせて欲しい
恋をしてる人は絶対にみて下さい。
デジタル配信でもう一度鑑賞したので改めて。
チョイと中身に触れるので、まだ鑑賞していない人はご注意を。
何がすごいかって、伏線回収が綺麗過ぎる。
ハチに大声に未来の話に...。
見終わった後はしばらく止まってしまう。
ラスト40分(それは果たしてラストなのか)は泣けるのに、それまで声が出るくらい笑える。
4コマ漫画の良さを引き出せていて、テンポよく気持ちよく笑える。ちなみに4コマ漫画の方も読みました。最高でした。
単純な恋愛映画では無い。
今までに無く、
そしてこれからも現れることがないだろう。
登場人物6人全員に共感できるし、
一人一人の言葉に重みを感じる。
特に一番好きな言葉は
「私のこと好き?って聞いて好きじゃないよって返ってくるのが怖くてきけなくて、私のこと嫌い?って聞いて嫌いじゃないよって言葉に安心するの」です。
恋愛というのがメインの映画ではダントツで1位。
もう大好き、この作品。好き!好き!
〝感情移入〟というより〝同期〟
泣けるからいい映画とは限らないけれど(愛くるしいワンちゃんとの交流と別れとか、前後のストーリーと関係なく映像的に刺激されてウルっときちゃうことがよくあります)、この映画は登場人物の出会いと心の交流の過程が丁寧に描かれていて、〝感情移入〟というよりほとんど登場人物の気持ちと同期する感覚になります。なので、全ての大事な言葉や傷みや一緒にいる時の幸福感がストレートに自分のことのように感じられます。
思春期に、自意識過剰でウジウジ悩んだり、気持ちがうまく言葉にできなかったり、相手に伝えるのが不器用だったりする(伝えたい気持ちと正反対の言動をして後悔したり)のはいつの時代の若者も変わらなくて、昔の自分の面倒くささやウザったさなども思い当たるところがたくさんあって恥ずかしさを覚えるほどでした。
鑑賞後、原作の4コマ漫画の内容が気になってシネ・リーブル池袋を出た直後、ルミネのくまざわ書店に寄って購入(税込1100円)。
驚きました。サイコキラーも含めて、3つのカップルのそれぞれのキャラクターの独特な味わいの映画における再現率が半端ありません。ラストにそれぞれの物語が繋がるのは映画オリジナルでありながら、原作のキャラクターを少しも損なうことなく、映画としての完成度も高いという離れ業をやってのけてくれてます。
原作と映画、どちらも素晴らしい点、『愛がなんだ』や『この世界の片隅に』などと比べても全く遜色がありません。
(どうでもいいことなのですが、どれほど感動したか、将来自分で思い出せるように追記します)
鑑賞後2日経ったのに、八千代くんと映画館(イクスピアリ)で再会する短いシーンだけの端役のさっちゃんのことまで、鮮明に思い出せるのです。そして、彼女のこれまでと現在の心のありようのことまで想像が膨らんで泣けてきそうです。これだけすべての登場人物に等しく、必要以上に寄り添いたくなる映画って、凄いと思います。ついでに言えば、小坂くんにライン🆔を拒否られてた女の子のこともなんだか愛おしく思い出せます。
こういう映画を待っていた
4コマの良さを生かしつつ、リンクする映画の物語
まさか、こんなに泣ける映画だとは思っていませんでした!
久々に目が腫れるほど泣いた(T-T)
とりあえず原作本を即買ww
もし私のように何も知らずに見る方は「原作は4コマ漫画」これだけは知っておいて観ていただきたいです!
それを知らないと、エピソードがブツブツ切れる感じや、女子高生の独特な言葉遣いやモノローグが気になってしまうと思うので。
私なんて序盤から、ソフトフォーカスがかかったような画面が気になって、
「“殺す”とか“死ぬ”とか、とっかかりだけ過激な、いい雰囲気美男美女青春ラブストーリー映画かぁ?」と思ってしまいました。すみません;
それもこれも、4コマ漫画っぽさと、原作の持つ世界観を大切にした表現だったのだと思います。
しんどい物語を、みつはしちかこ先生のチッチとサリーをヘタウマにしたような絵柄で語る原作の魅力を映像化。すごいチャレンジです。
そしてラストの多すぎるブラックアウトは、4コマ漫画の読後感を表しつつ、映画としても観客が心で余白を補う間となっていて、より主人公の気持ちに寄り添えた気がします。
3組みのヤバくてクソ面倒な登場人物たちが繰り広げる、クソ面倒くさいエピソードを見せられるのですが、会話の中にハッと気付かされる瞬間があり…
いつの間にか、みんなが愛おしくなっていました。
そして、ちょっと唐突に思えるセリフやエピソードは、全てラストに繋がっていて…。
3つの物語が繋がることで、改めて語られるのは
誰かと一緒にいること。ただそれだけでお互いが影響しあって生まれる化学変化な気がします。
「死にたい」「愛されたい」「スキだと伝えたい」それぞれ自分の主観のなかで生きてきた少女達が、他者と一緒に時間を過ごすことで影響を受け、他者に目を向ける事ができるようになり
何でもないけど、かけがえのない時間だったと気づく日が来る。
彼から受けた影響で彼女は変化して、それがまた他の人に影響を与えていく。
絶望した人を救う希望の言葉となって、出会った人のなかで生きていく。
撫子ちゃんは、未来を作る為に何度でも八千代くんにスキだと伝えるでしょう。
私も彼女たちの青春と一緒に居て、彼女たちから影響を受けたと思えます。
追記:撫子ちゃんが超絶可憐で、八千代くんビジョンの連続告白シーンに悶絶(≧∀≦)
でも、自分に自信があるはずも無いのに、あんな可愛いコに告られたら、何かの罰ゲームかと思うわなσ^_^;
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