劇場公開日 2019年11月15日

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「衝撃的なラスト30分と、タイトルの真意。予想外の感動を生む群像劇。」殺さない彼と死なない彼女 映画コーディネーター・門倉カドさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0衝撃的なラスト30分と、タイトルの真意。予想外の感動を生む群像劇。

2020年3月9日
PCから投稿

泣ける

悲しい

幸せ

【賛否両論チェック】
賛:高校生達が織り成す青春模様の数々が、観ていて感慨深い。そして油断していると、ラスト30分の思わぬ展開に、ショックと感動が押し寄せる。タイトルの真意も印象に残る。
否:セリフの言い回しなんかが結構小説チックで、現実感はあまりないかも。

 「殺す」が口癖でも心優しいれいと、そんなれいに出逢って変わっていく死にたがり・なな。全人類から愛されようと懸命なきゃぴ子と、そんな彼女を近くで見守る地味子。そして告白が日課の撫子と、彼女からの告白に戸惑う八千代。そんな6人がそれぞれの生活の中で織り成していく人間模様・恋模様に、観ていてどこか心温まったり、逆にちょっぴり切ない気持ちになったりします。
 そして何といっても特筆すべきは、ラスト30分の衝撃的すぎる展開でしょう。完全に予想外といいますか、油断していると、思いもよらないショックと感動に、不覚にも心が激しく揺さぶられてしまいます。同時に、本作の特徴的なタイトルが持つ本当の意味に気づかされ、それもまた感動を深いものにさせているようです。
 登場人物達のセリフの言い回しなんかがやや小説チックで、どことなく説教臭く聞こえてしまう部分もありますが、「生きるいうこと」や「本当の愛」について、不思議な角度から思わず考えさせられるような深い作品ですので、是非チェックしてみて下さい。

映画コーディネーター・門倉カド