「生きる意味と死ぬ意味」殺さない彼と死なない彼女 くらげさんさんの映画レビュー(感想・評価)
生きる意味と死ぬ意味
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タイトルからは、まったく内容を想像できずに時間つぶしのつもりで観たら、まさかの事態に動揺するほど心に残る映画だった。
高校生たちの青春とか、ただの恋愛映画ではない。
誰もが抱えているような、生きる意味とは、誰か1人でも自分の存在を認め、許してくれる誰かと出会うことなのかもしれない。そしていつか死にゆく時に、自分を思って泣いてくれる人が1人でもこの世の中にいたら、それは幸せなことなのかもしれない。決して言葉では説明しないけれど、痛いくらいに伝わる思いと、不器用で独特なセリフが、余計に泣ける。
特に桜井日奈子の今までのイメージとは真逆の役で演技だったことに驚いた。
純粋な心を持ち、生き辛さを感じながら、間宮祥太朗に向ける彼女の眼差しが本物な気がした。そして他の2組の話が、繋がっていると気づいたときに、人は自分の知らない間に、誰かの人生に影響を与えているのかもしれないし、誰かを救っているのかもしれない。
自分が生きている意味は、もっと目に見えないところで、あるのかもしれないと思わされた。
今度は原作を読んで、もう一度観てみたい。
映像の光が綺麗で、良質な映画を観れたこの喜びは本当に久しぶりだ。友達とでも恋人でも家族でも誰とでも観れて、語りたくなる。
そして1人で観るのは一番似合っている作品でもある
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