「この歳まで生きてて良かったよ。マジで。コレだけは。」宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第七章「新星篇」 equinoxさんの映画レビュー(感想・評価)
この歳まで生きてて良かったよ。マジで。コレだけは。
wiki見てびっくり。
その一、
子供が古代と雪より歳上だった。
その二、
自分が沖田と土方より歳上だった。
小学生の時に映画館まで観に行ったリアルさらば世代です。
自分の何割かは今も「ヤマト」で出来ています。
何年かの間部屋の壁は全部「ヤマト」、
レコード全部買っちゃいました。
でやっぱり、テレビの2で愕然として
Ⅲで辛くなった一人です。
でもやっぱ音楽は最高でした。今でも最高です。
実は劇場さらばでもラストには抵抗ありました。
この艦と古代と雪の為に他の人が死んだ感じがしました。
「特攻」と云う単語は今でも色んな方々が書込みされますが
今でも自分には、否定的な、自分で死に方も選べない
愚かな響きしか感じられないから使いたくないんです。
2201年にまた人間はそんな愚かな生き物になるんですか?
「さらば」の頃は戦後30年。今はそれから更に50年(!)。
日本人はそんなに時間を無駄にしたんですか?
「自殺」です。全く。
古代は地球に帰りたくなかったんだろうな、としか
「さらば」の古代にはそれ以上は考えられません。
この歳ですし、色んな人にも逢ったし、
世の中変わったし・・・というか、
あの頃が異常だったのかも。
で、「2202」ですが、そりゃ泣いたよ。
爆泣き。声を上げて泣いた。声を押し殺してても漏れてた。
どうしたのかって心配されるくらいに。
二十六話が要らないって人も居て驚きました。
「2199」から「2202」に至って尚続く総てが
あの話にあると感じたので。
死んだ人達が皆古代に優しく語り掛けてるのに、
古代は後悔の深いところに沈んで
更に絶対帰りたくない、帰らないつもりでいる。
皆が「まだ未来はある」と語り掛ける。
で、やっと「未来がつながった」。
しかもこの一言をミルが語ってる。
その後はミルとサーベラーの二人だけで。
これは泣くだろう。観てるコッチも
やっと赦された気がした。
彼らは自分達が自分達を赦してもいいんだと
今やっとそう思えたんだろうなと感じて。
で「帰ろう、雪」からの「ヤマトより愛をこめて」。
あ、この唄はここで流れる為につくられたんだ。
「いくら探しても見つからないんだ。
ヒキガネを引き続ける未来しか。」だった古代が
それでも帰って来た。
生き残った仲間が、古代と一緒にヒキガネを引き
あまりに多くの仲間を見葬った仲間達が、
暖かく迎えてくれた。
これ以上この唄が相応しい場面は絶対に無い!!!!!
だから「今は、さらばと言わせないでくれ」だったのか!
更に!更に!その後ズウォーダーが
最高の喜びを、優しさを込めて語るあの台詞が
マジでグッ刺さった。
「無限に広がる大宇宙。
そこには様々な生命が満ち溢れている。
死にゆく星、生まれ来る星、
命から命に受け継がれる
大宇宙の息吹は、永遠に終わることは無い」
千年も絶望した男が、今やっとそう思えた。
薄々気付いていながら、それでも絶望から逃れられずに
自分の心を壊し続けるしかなかった男が。良かった。
オレも半世紀の絶望から解放されてよかった!!!
さすがつくってる側の人達も世代を跨いで、
一人の子供がオッサンになるまで抱えていた重大な疑問を
払拭ってくれました。解決しました。納得致しました。
アタマ捻っててくれてたんだろうな。半世紀の間ずうっと。
「2199」でも酔いしれた。
ガミラスの軍人達とその家族達の心のヒダに。
キャラ一人一人の迷いと確信に。
世界中の人に観て欲しい。
スター・ウォーズやらアベンジャーズやら
そんなアホな呑気なモン観てる場合じゃない筈。
個人の叫びとか直接感じた事はこのくらい。
なんか色んな人が製作サイドの内部事情に詳しくて
その割に想像力が乏しい人達ばかりで。
考察するなら読む人の気持ちも考えておくれな。
世間に晒すなら発言には責任を持つべき。
わかんないなら仕舞っとけ。
&
ズウォーダーとサーベラー、ミルの三人家族
(それぞれ何代目?何十代目?か知らんが)、
宇宙最高に哀れな家族とも見えるかも知れんが、
地球上世界中何時の何処の家族でも
同じくらいの悲しみを背負ってるのかも知れない。
と、そう思った。
マジ重いって。世の中。
自分の罪に毎日向き合ってなきゃいかん。
自分達に未来が無いと解ると人間は・・・、
それでも「運命に抗え」ってか。
よし、解った。抗おう。
&
何観てもエバを持ち出さんと語れない、
自分の愚かさを晒す事に何も抵抗を感じない人は
コレ観て反省しな歳。
