「日本アニメ界はエヴァンゲリオンから脱却すべし」宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第七章「新星篇」 大統領さんの映画レビュー(感想・評価)

1.5日本アニメ界はエヴァンゲリオンから脱却すべし

2021年7月14日
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新たなスタッフで製作した2199の続編。
さらば宇宙戦艦ヤマト愛の戦士たち(1978)のリメイク。
本作は全7巻でその最終巻だ。
「さらば」のレビューでも書いているのだが「さらば」は自分が始めて見たヤマトなのである。
主人公と熱き仲間たちとヒロインとの固い絆、かつての敵との奇妙な和解、主要人物の壮絶な死、巨大な敵を前に古代が出した結断……など小学生だった自分は大人のアニメ&これぞ昭和の日本人と言う概念に強く心を打たれた。
さてそんな名作のリメイクの最終巻は…

日本のアニメ界は終わった。

そう思った。

そもそも「さらば」で心打たれた感動は本作では越えられない…と言うより無しにひとしい。
何故なら‘’最近のアニメあるある‘’ばかりだから。
勿論、全てオリジナルのままだと面白くないし新しい要素も入れるべきであると思っているがこのリメイク作(2199にも言える事でもある)はほとんどヤマトらしくないと思う。

残念だったのは
まずはパワードスーツ。正直、出る作品を間違えた要素。

斉藤の死。原作は爆弾を仕掛ける真田の盾になり、敵の攻撃を受けながらも守り仁王立ちで、戦死する場面はアニメ史に残る死であった。今作でも再現されるがパワードスーツを装着しホストデスラーの息子キーマン乗る戦闘機の上に乗り仁王立ちしたまま 特攻する場面になっている。派手すぎ原作ほど衝撃もない。

ヤマトの特攻。沖田艦長の言葉もなく深みのあったあのシーンがあっさりしている。古代と雪が残り、特攻するのだが原作映画では雪は死亡しており古代は死亡した雪を隣に置き 星になって結婚しよう と言う場面は美くしいどこか最後だけど今作は雪が生きておりラブラブな特攻だ。やはりあれは雪が死んだからこそあの特攻の場面は感動したと思う。(言い方は悪いが)

ヤマトは特攻撃するが何とヤマトは海の底からあらわれた。
さらに古代と雪はなんと別次元にさ迷っている。
…これエヴァじゃん。
エヴァンゲリオン以降あらわれた日本アニメの悪いクセ‘‘エヴァぽいシーン’’がヤマトに出るとはショックだった。

何だか良く分からないで終わってしまった最後だがエンディングが「ヤマトより愛をこめて」(ジュリー)なのはガッカリ。
やはりそれで来るのか

あと個人的にキャラデザイン。
ロリ顔&ボ〇ンな女性キャラはエロすぎてあまりヤマトらしくない。やはりヤマトと言えば松本零士先生のミステリアスでクールな美女絵だろう。

脚本は小説家の福井晴敏さん。空母いぶき(かわぐちかいじ先生原作)で原作漫画の持つリアリティーをぶち壊し批判を食ったがこれも失敗だったと思う。

全体的に見てもやはり中身は最近のアニメでキラキラしたスッカラカンな物。
エヴァに影響されまくったラストはさすがにもう、日本アニメ界はエヴァから脱却してくれと言いたくなる。
庵野秀明さんはもっと他の映画も見ろと言っていた、記憶があるがクリエイターたちは視野が狭いのだろうか。

まだまだ続編は製作されそうで過去の「完結編」はまだ笑って許せるが今後は正直どう評価すればいいか。

大統領