「今週是非みてほしい映画。とてもお勧め。」10万分の1 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
今週是非みてほしい映画。とてもお勧め。
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※ 12/2 20時24分 誤字脱字修正
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さて、12月になりました。53本目です。
この12月になって、ここまで繊細に作られている映画は正直意外でした。
何を書いてもネタバレになるので、それらにはあえて触れず、この映画が伝えたかったであろう点について主に触れます。
この手の映画は史実に基づいても基づかなくても、その性質上、涙ちょうだいものになる点はどうしても避けがたい部分はあるのですが、結果的にそうなった部分は(不可抗力的に)あろうとは考えられるものの、ALSという難病(2020年12月の時点で333疾患が指定)を真っ向から扱った映画であり、史実には基づかないとは言え、引用されている事実・データ等が極めて正確(国の運営する「難病指定センター」からの引用部分等)であるなど、「お涙頂戴ものであるのに、実際は内容が支離滅裂」ということもなく(これは批難の対象たりうる)、かつ、現在(2019~2020)の現状に合わせて説明が随所にあるなど、いい加減に作ったものではなく、当事者の声なども聴いたうえでかなり精密に作られていることがうかがわれます(厚労省等の後援・推薦ではないようですが(おそらく、史実に基づかないという理由なのでしょうか…)、エンディングクレジットに当事者の会が制作に参加した、と書かれている通り)。
さて、何を書いてもネタバレになると思われるので、さっそく採点に入りましょう。
5.0を超えると思いますが、そのように付けられないので…。
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+0.5: 本映画は史実に基づかないという事情もあるのか、国や公的機関(厚労省、医師会等)の後援はありませんが、当事者の会が作成に参加したとある通り、ALS疾患が進行した後の描写(言葉は伝えられなくなるが、読み上げソフト等の利用で意思疎通は可能で、こうしたソフトの利用で社会参加も可能となる)は極めて正確に描かれていますし、「難病を取り巻く環境は、本人とその保護者、パートナーだけではなく、ボランティアや介護サービス、当事者の会(難病の会等)などで実際は現場が支えられている」と正しく説明がある通り(往々にして、当事者と保護者だけが延々と悩む、というテンプレ図式で描かれがち)、きわめて正確に描かれています。
この手の映画は、とりあえず「お涙頂戴」にした上で説明がいい加減だったり、こうした部分の説明がまったりなかったり…というものも少なくないですが、ここまで詳しく説明されていることに驚きました(後援はもらえなかったものの、当事者の会等が、こうしたかなりの部分で協力したのでしょう)。
ALS等の難病や、(重度)身障など、原因がわからない病気の解明とその治療が今後つながることを期待するばかりです。
+0.3: ラストあたり、高校に難病や身障者の子が入学しても大丈夫なように、手すりや多目的トイレ(最近、悪用する人がいますね…)が設置された部分が描かれます。この部分は大したことがないところとみることも可能ですが、「難病・(重度)身障でも、学業がこなせる限り受け入れるし、その設備も整える」ということであり、「学力に問題がないなら、受け入れるものは受け入れる=できるだけ、進路の幅を広げてあげたい」という点が明確に描かれていた(とはいえ、一瞬ですが…)点は非常に高評価でしょう。
※ これにあたっては、1979年までは就学免除制度を「悪用」して半ば就学免除を言い渡したり(今の中学卒業認定試験が細々とあるのは、実はこれが一因)、79年以降も養護学校の設立で障害の特性に関係せず全て養護学校に統一させた(そのため、障がい区分の違う児童生徒を全部詰め込んだことで現場は混乱し、知的障害のない子の進路選択は著しく狭まった)ことなど、過去にさかのぼればこのような過去もあります(そして、この私もそういった事情の当事者の一人でした。母親が教育委員会に申し入れて何とか普通学級に入ることができました)。
-0.05(軽微な減点): 映画内で引用される資料は、国の難病指定センターのサイトなのですが、逆に「権威のあるサイトからの引用」であるからこそ、断った上で「ちゃんと国などの公的機関の正しいデータ・事実の引用である」点は明記しても良かったかと思います(映画内では引用されているサイトから、難病指定センターである点はある程度判断はつきますが、誰しもそこを知っているわけでもないし、逆に国や行政に許可を求めても「商用目的だから引用も転載もダメ」ということはなかろうと思います)。
※ なので、よく「入場者特典」としてプレゼント等配っている映画がありますが、この映画はこのような特異な事情があるので、会のサイトの病気などのまとめがあれば、映画が始まる前に暗くても見ることができますし、そうしても良かったのでは…とは思います。
(判断保留): 高校をを卒業した後、彼ら、彼女らがどのような人生を歩んだのか、については映画内では触れていません。ALS等、難病・(重度)身障者を取り巻く(医学的)環境が日進月歩で変わっていくこと、また、(映画の長さとは別に)「そこは各自でそのあとのことは考えてね」という点、また、どうしても症状が悪化すると生々しすぎる描写をせざるを得ないという事情もあり、これは判断は難しいですが、視聴者の判断に任せたのは、それもそれでアリなのかな、と思います(ここは減点せず)。
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12月もはじまりあと1か月ほどですが、今年のベストは…あと1か月ほどありますが、これまた良い映画が来ましたね。悩みどころですね。