「殴られた」岬の兄妹 andhyphenさんの映画レビュー(感想・評価)
殴られた
頭をがつんと殴られた気分。長い映画でもないのに観終わったら疲弊しきっていた。
どこからどう見ても救いのない兄妹。所々のコミカルさが余計に殴られ感を増すというか、この兄妹を前にして私に何か言えることなんてあるんだろうか。何を言っても偽善者になってしまうのではないか。こうやってこの映画を映画館で観ていること自体に恐ろしい程の葛藤を感じてしまうような作品であった。
多分理性的な、穏当な意見はいくらでも言える。言えるけど、絶対にそれが届かない何かがある。それをものすごく怖いと感じた。新聞記事やWeb記事を読むよりも生々しい。怖い。
余りの映像、演技の生々しさと、音楽の哀しい美しさ。生きることの滑稽さ。恐ろしさ。無情。
多くの人に観てほしい。
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