「震えながら流されていく」岬の兄妹 まきさんの映画レビュー(感想・評価)
震えながら流されていく
クリックして本文を読む
障害者の性とか、残飯をあさるほどの貧困だとかに目を向けてしまうと、1800円払って映画を観ることのできる自分には、途端に別の世界の話になりましたが。
何人か書いてらっしゃるかたもいますが、ハロワに行くとか、障害者申請もしないのをみて、「生きることにも死ぬことにも何にもしがみつかず流されるままに生きた過程」として観たら、他人事じゃねーぞ、と思いました。
妹がしていたことが、「売春」にあたると、たまたま知った兄。これは稼げると思ってしまって、流されるように妹を道連れにその道を進んでしまう兄。
あそこで例えば、「全うに生きる」ことにしがみついたとしたら?
妹は「私のこと好き?」と聞く意思を持ち、おそらくコビトさんへの「恋」を知る。兄を置き去りにして。
兄に手を引かれながらも、自ら道を選んでいたのは妹の方だったんじゃないかと思う。
たしかに映画は、しがみつく気力も起きないほどの逆境だけど、「息をするだけの生きている」をしていると、私もいつ引っ張られてもおかしくないと思いました。
コメントする