劇場公開日 2019年3月1日

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「僕に問いかけるもの」岬の兄妹 ワンコさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0僕に問いかけるもの

2019年3月2日
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この映画の感想を表現するには、僕には言葉が足りない。
社会の片隅とか、社会的弱者といった表現も軽すぎる。
僕が目を背けているものが、そこにはあった。
敢えて、「僕が」と言ったのは、主語が、「私達は」、とか、「社会が」、とか言ったら、自分が逃げているように感じたからだ。

映画を観て、嫌悪感を抱く人もいるに違いない。
そんな圧倒的なストーリーが、そこにはある。
映画の最中は、僕も、二人の結末は悲しいものに違いないと感じていた。

でも、良夫が振り上げたブロックを叩きつけるのを思いとどまったことや、真理子が良夫の苦悩に気付いたこと、エンディングが冒頭のデジャヴのようだが、良夫が造船所の作業着を着ていて、仕事に戻れたんだなと分かったこと、そして、真理子が大人の女性の表情を見せたところに、希望を垣間見て、二人に対して祈らずにはいられなくなる。
生きるとは何なのか意識させられる作品だと思う。

ワンコ