バーナデット ママは行方不明のレビュー・感想・評価
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井の中の蛙大海を知る
何気なく見始めたがバーナデットに感情移入してしまいしんどくなる映画やった。以下長々とした感想になってしもた💦
芸術家って感受性が強い人が多いんやよね。バーナデットも感受性が強すぎるがゆえ色々なところにこだわり生きづらいんやろうなあと共感。悪いところばかりに目がいくのもそうなんやろうなあ。
完全にうちに籠り、事務的な連絡すらスマホを通じてやり取りをし、社会との関係を遮断している。あれだけ色々なことに神経を使う人やと確かに人付き合いしんどいよね。(周りの人もしんどいやろうが)
私はバーナデットみたいに芸術家ではないし、外では明るく振る舞うが、感受性が強いところは似ているので、ふとした出来事で感情が揺れ動くし、色々なことに自己嫌悪しながら生きている。意図せず相手を傷つけてしまうこともあるやろうし、傷つけられることもあるし人付き合い面倒やよね〜わかるわかると思いながら鑑賞。
自分のウチこそ自分の世界と思っていた彼女が、南極という未知の地へ一人で行き、自分の生きがいを再認識し、家族にも背中を押してもらえ爽やかなラスト。やりたいことを見つけるって人生において重要やよね。
こじらせママは人生迷子。
かつて最年少で賞を受賞し、天才建築家としてその名をとどろかせたバーナデッドは二十年前に突然業界を去り、現在は教護院として使われていた建物を自宅として改修しながら主婦生活をしていた。
一人娘は成績優秀、夫もマイクロソフトに勤めるエリート家族。何不自由ない暮らしのはずだが、彼女の目下の悩みはママ友たちとの確執と娘へのご褒美となる南極旅行だった。
彼女曰く自分は人間嫌いでとにかくご近所づきあいは苦手、大勢の観光客と同じ空間に閉じ込められる旅行を何とかキャンセルしようと考えていた。
とても子供じみた彼女、さすがに度重なるご近所トラブルやその奇行に夫は心配になりカウンセラーをつけようとする。また同じ時期に彼女が唯一頼りにしていたヴァーチャル秘書がロシアンマフィアのダミー会社によるものだとして財産を乗っ取られそうになる。
周りから攻め立てられた彼女は行方をくらまし、向かった先は南極だった。彼女を追う父と娘。
彼女は南極での新基地建設計画を知り、長年眠っていた創作意欲が蘇る。そして家族は南極で無事再会して、壊れかけた家族の絆を取り戻しちゃったのでありましたとさ。
大まかにそんなストーリーだったと思う。土砂崩れで隣の家が汚泥に襲われるシーンやヴァーチャル秘書のくだりなんかは見ていて面白かった。でも肝心の物語には全くはまらなかった。
そもそもこの主人公が掴みどころがないというか、まったく好きになれず、それどころか登場人物誰にも感情移入できなかった。たとえ作り話であっても見ていてリアリティが少しも感じられないと物語には入り込めない。ましてやこの主人公は人間嫌いと言ってるけど単に周りを見下しているエリート意識の強い人間のように感じられた。
昔の恩師に自分が業界から去ったのは受賞した建物を解体されて、腹立ちまぎれにケツをまくったみたいなことを言っている。自分の価値がどれほどのものだったか思いしれみたいな半ば当てつけのような理由で業界を去ったと話していた。それに加えてママ連中をハエ呼ばわりしたり。正直こんな人間を全然好きになれない。観客を笑わせようとしてるのかケイトブランシェットの芝居もちょっと過剰気味で、その演技力が逆効果だったとも思える。
また生意気マザコン娘も何かと父親にかみついてきて本当にかわいくなかった。お父さんもあまり主体性の感じられない人だし。すべてが作り話の域を超えてなくて、ほんと見ていて苦痛だった。時折挿入される娘のナレーションもあまり心に響かなかった。
前作の「ター」はケイトブランシェットの演技が素晴らしかったので、今回も期待して見たけどまったく個人的に駄目だった。「ギフト」の頃の自然な演技が懐かしいな。
ちなみに最後のスタッフロールの基地建設のシーンは実際の建築風景を撮影したのかな、それともわざわざあれだけのためにセット組んだのかな。
こういうチャーミングな天才っているよね
最初の語りがこの映画の全てを語る。
冒頭のこの映画の真髄だから、建築の話やアラスカは言うなら肉付けに過ぎない。
天才で美しいから結果、主人公はうまくいくというご都合主義さは否めないが、肥大する自意識過剰とパラノイドが心を蝕む(少なくとも周りにとっては) 様子はディティールがいいし、近所の人達の描写も上から目線の皮肉が嫌らしくておもしろい。
旦那さんが会社辞めたりとかは本当とってつけた感じで監督変わった?みたいなコテコテの家族の抱き合うシーンとかラストが残念ではある。
新進気鋭の建築家バーナデットの突然の引退は その後の人付き合いにも...
新進気鋭の建築家バーナデットの突然の引退は
その後の人付き合いにも深く影響するも
まさかの人が助けてくれる。その彼女も必死なだけだった😢
子育て、子供との関係性について
相反する2人のママ、ちょっと切なくもなる。
バーナデットをケイト・ブランシェットが
とてもチャーミングに演じているからこそ
見ていられたと言っても過言ではないくらい
痛い人で、彼女みたいなタイプはやはり敬遠されるよね。
抱えているものがあるとはいえ、心開かなきゃ
誰もそばには居てくれないと思ったりするし
とはいえ、ママ友がひとりも居ないわたしも
バーナデットみたいに高くそびえる壁を盾🛡に
していたのかもしれないなぁ🤔
(子供のためにはならなかっただろうけど、後悔はしていない💦)
大小様々な氷山、氷のぶつかり合う音
氷が溶けていく自然の音、そこにカヤックでひとり
美しい大自然と対峙しているシーンは
スクリーンで観る醍醐味。
ちょっと泣けます😢
実話ベースかと思ってたけど、そうじゃなくて
ラストに出てきた南極基地はイギリスの物だと
あとから知ってショックだわ🤣
おまけに
南極には美術館のような素敵な研究所もあって
(2020年)
「コマンダンテ・フェラス研究所」はブラジルの南極基地なんですけど🤣
アメリカのものじゃないんかい🤣
いつか行きたい海外リストに南極も追加したくなりました🗻🛶
居場所
熱演だった。
人それぞれに抱えてるものはあって、意識せずに降り積もるものもあり、生きづらさってのは結局は自分らしさを犠牲にしてるからこそ生まれるものなのかもしれないと思う。
彼女は天才的な建築家でありアーティストであるのだけれど、ある時期からそれを放棄し違う幸せを見出す。
子供を育てる母であり、その子供は4回もの流産を経てようやく授かった娘らしい。
おそらく子育てには一切の疑問も抱かず懸命に向き合ったのだと思う。社会的に成功している夫もいるし、とても穏やかな人物のようだ。
なのだが、娘の成長につれ社会的な煩わしさに付き合わざるを得なくなっていく。
自分の価値観だけで判断しにくい状況にもなる。
面白いのはセラピストの存在だ。
生来、人付き合いを苦手とする彼女は、度重なるトラブルで夫から不信感を抱かれ、入院を促される。
観客は彼女を見てるので、セラピストが断定する症状にこそ疑問を抱く。
既存の枠に嵌めようとする。
何かレッテルを貼りつけマニュアルを強制しようとする。
セラピストは専門家であるから、その言葉の信憑性は夫にも周囲にも影響を及ぼす。
とても、危険な行為だと思うけど、それが蔓延してる社会なのは間違いない。
どんな話しになっていくのかと溜息もでるのだけれど、その窮屈な世界から飛び出した彼女は魅力的だった。
デジタルデトックスなんて言葉があるけど、以降の彼女はまさにソレで、人間関係ごとデトックスしてるようで南極って場所がまたうってつけだった。
非日常が過ぎる。
日常の肩書きなどはクソの役にも立たず、各々が役割を与えられ協力していかないと生活できない。
そこにいる彼女はとても人付き合いが苦手なようには見えず、自分の好奇心に向き合えたようにも見える。
シンプルな生活だからこそ、浮き彫りになっていくものがあるかのように。
そして、かなり大胆な行動力も発揮する。
頭で考えてるだけじゃ、辿り着けないとこもある。
南極点に行く許可が降り、電話口で自分のやりたい事を捲し立てる彼女は生き生きしてた。
家族の許可を得ないと行けないと断言する彼女は頼もしく、その前にあった娘の台詞が頭を過ぎる。
「ママは私と離れるなんて事しない」みたいな事だったかな。羨ましいくらいの信頼関係だ。
歪んでいく妻と向き合う家族の再生の話になるのかと思った中盤とはうって変わり、個人の尊厳をそれぞれが尊重していく結末になってた。
土台からして…天才的な新進気鋭の建築家を一般的な枠組みで推し量ろうなんて無理がある。
それに気づく聡明さを持ってる夫で良かった。
常に柔らかな眼差しの夫が印象的だったし、南極的なロケーションは、なんかもの凄いインパクトだった。
合成のようにも見えるのだけど、バックにペンギンが居るってのが新鮮だったなぁー。
天才的な建築家なんて特殊な才能ではあるけれど、子供に割かれる時間が少なくなって母から自分に戻れるようなタイミングが訪れた女性には、なんか刺さる部分もある作品なんじゃないかなぁと思う。
気持ちのいい映画
邦題の訳が全然映画とあっていないけど、
なんとかしてほしいけど、
最後はほっこりするストーリーです。
途中までは、割と暗くて、単調で、謎が徐々に解き明かさらながら、の展開だけども、
最終的にはスカッとするし、希望が見えるストーリーでした。
個人的にはもっと終盤のストーリーを見せてほしかった!南極のシーンは映像も綺麗だし、見ていてすごく気持ちがいい。
中年女性エンパワメント映画
リンクレーターの新作として、2019年からずっーっとチェックしてたけど、全然日本公開決まらなかった本作。2023年秋にやっと公開されてみてきました。
土砂崩れで家がめちゃくちゃになったオードリーの描写が良かったです。ただのハッピーアピールがうざいママ友的な側面だけでなく、ぐちゃぐちゃになってからバーナデットと交流するあたり、いいなっておもいました。
マッカーサー天才賞って実在するんですかね?ビッグバンセオリーとボーンズで出てきたワードな気がしてます。個性的な天才建築家だったバーナデットが、ひとつの仕事の挫折と、複数の流産と、やっとできた娘の病気などですっかり人嫌いの変わった母親になってた。
日々の雑事をインドの代行秘書にぜーんぶやってもらってたけど、その代行秘書は詐欺グループ?で、彼らに個人情報をダダ漏れにしてしまって、財産が結構使われてしまって、さらにはFBIが捜査にくるし、精神病院に強制収容されそうになり、家族旅行として行くはずだった南極に逃げてしまう。
で、南極で基地を建てるという夢を見つけて、建築家として復活するストーリーを、ケイトブランシェットが、面白く演じていました。
娘と夫のバーナデット捜索も楽しかったです。
シアトルの図書館、本当にあんな奇抜な建物なんかなぁ?
バーナデットの家のボロボロさは、バーナデット自身のメタファーなんでしょうね。
バーナデットが、編み物しながら考え事するの、面白かったです。彼女の編み方は、日本ではアメリカ式と言われる右手で糸をかけるスタイルですね。
ブルージャスミンやTARのように、ケイトブランシェットにぴったりの役と思いました。
大量のセリフの応酬に、リンクレーターみを感じました。
前日に観た『ロストキング』と合わせて、中年女性エンパワメント映画です。
バーナデット南極物語
前半~中盤の隣人トラブルのところまではさほど面白くなかったのですが、バーナデットが南極に行ってからの後半は俄然面白くなってきた。
生き生きしているバーナデッドも良かったし、南極観測の責任者エレンも良かったし、そして南極のとにかく雄大な景色の映像は素晴らしかったです。そしてエンドロールで感涙。天才と変人って紙一重ですね。
願わくば隣人とのトラブルシーンはもう少し短く南極のシーンをもっと長く見たかったなぁと思ったのですが、前半の苦悩のシーンがあるから後半がよりいきるのかな。後味が良し。
南極である必要は全くない物語です。
まだ、本作を観ていない方で、本作が人生に疲れた主人公が意を決して一人南極へ旅立ち、その旅を通じて立ち直るロードムービーだと想像している方は、全くとは言いませんが、かなりズレてますのハードルを下げて観るか、他の作品を検討された方がいいです。それでも見ようと思う方は以下は読まないでください。
まず、前半から中盤にかけて、会話中心のような感じがだらだらと続いてなかなか話が進まず、いつになったら先に進むのだろうと思いながら、本作への期待度はどんどん下がって行きます。ほぼ、もうどうでもよくなったころにやっと話が動くのですが、そこからは話があまりにもトントン拍子というか超ご都合主義で、南極に行って何故か南極点の基地を設計することになり、めでたしめでたしで終わりです。
ストーリーはつまらない上にいい加減だし、感動もできません。もっと南極への旅を通じて自分を取り戻して立ち直るような物語を想像していたのですが全く違いました。そもそも、主人公は建築物を設計することに飢えていただけで、設計さえできれば南極である必要は全くなく、何で南極へ行く設定にしたのかも意味不明で、観客の気を引くためとしか思えませんでした。
また、CMだとコメディ色が強そうに見えますが、そもそも主人公が精神疾患者であるため意外と内容はシリアスで、内容と演出がチグハグな感じがしました。いっそのことコミカルな部分は無くしてシリアスに作った方が良かったのではと思います。FBIも不要です。
ケイト・ブランシェットが出演していなければ観には行かなかったので、ケイト・ブランシェットの起用はある意味正解かも知れませんが、無駄遣いとも言えます。「TAR」を観た時は映画というものは演技だけでも見る価値はあるものだなと思いましたが、流石にストーリーがつまら過ぎると演技だけではカバーできないですね。
奇蹟の修道女ベネデッタ
ケイト・ブランシェットはこんな役も上手いんだなぁ。こんな役と言っても元天才建築家ではあるが。
人間嫌いで人付き合いが悪く、広い敷地の雨漏りだらけのお屋敷にマイクロソフトのやり手エンジニアの夫と一人娘と暮らす。話し相手はネット上のインドの秘書。手入れをしていない庭から隣家へ蔓延ったブラックベリーの件で隣と揉め、更に車で娘を中学に迎えに行った時にその隣人と会い、急発進して足を引いてしまう。
娘は優等生で志望校の入試に合格し、そのお祝いに南極に家族旅行したいと言う。旅行、しかも南極なんて、という感じだったが娘に負けて了承する。
ある日たまたま図書館で声をかけられたことから、建築家だった時のテーマをネット検索し、過去をまとめられた動画を見て当時の自分を思い出す。そんな時、当時の恩師と会う機会を得、その当時、仕事のために16回流産した話をする。
一方土砂降りの天気の日、バーナデットは招かれなかったママ友のパーティーが隣家で行われていて、ブラックベリーを根絶やしにしたために起きた地滑りが隣家を襲い、家もパーティーも台無しになる。知らされたバーナデットは一旦謝るが、責められ続けて最後はキレる。
ある日突然FBI捜査官がやって来て、バーナデットが秘書として使っていたネット上の相手がロシアのスパイだったということで、情報漏洩した容疑がかかり、南極旅行の期間はバーナデットだけ精神病院で過ごすことを提案される。こっそり窓から逃げ出して土砂を掃除中の隣家へ逃げ込み、匿ってもらう。そしてそのまま南極へ向かったのを、探し回っていた夫と娘は隣家から聞き、追って南極へ向かう。
一人南極でカヌー?に乗っていると、調査隊の調査員に会い、研究所の建築物の建て直しを知り、建築家の自分がムクムクと目覚める。建築設計に必要な情報を得るため何とか潜り込んで頼み込む。
原作はベストセラー小説だが、温かさとユーモアがこの監督らしいと思った。
娘のビーが尺八を演奏して子どもにエレファントダンスの振り付けをする、というのは童謡「ぞうさん」なのだった。
【”芸術家に戻る!”天才建築家だった女性が一見幸せそうに送っていた家族との生活。だが・・。彼女が新たなる夢を見つけ”もう自分自身から逃げない!”と言う決意を持つ様をコミカルに描いた作品である。】
■天才賞の異名を持つ「マッカーサー賞」を若くして受賞した建築家バーナデット(ケイト・ブランシャット)は、或るトラブルが元で仕事を辞め、夫のIT企業に勤める有能なエルジー(ビリー・クラダップ)と、一人娘のビー(エマ・ネルソン)と”一見幸せに”暮らしていた。
◆感想
・バーナデットは建築家として、その先を有望視されていたがある事が切っ掛けで仕事を辞めシアトルに越してくる。
で、専業主婦として暮らす日々だが、彼女は臨家のオードリー(クリステン・ウィグ)を始めとして人付き合いは悪く、買い物もネット頼り。
ー 観ていると、彼女が現状に全く満足していないことが分かる。それにしても、あのネットがロシアンマフィアと繋がっていたとはねえ。クスクス。-
・オードリーの隣のバーナデットの家の斜面に蔦が生い茂る中、オードリーはバーナデットに蔦を切って良いか尋ね、バーナデットが了承するシーン。
ー ”だから、蔦が地面を抑えているんだから切ったらダメだって!”と思ったらオードリー家のパーティの際に土砂崩れが起こり、オードリー家は大変な状況に。
バーナデットはそれを見越した上で、了承したのかな。クスクス。-
・夫のエルジーは仕事で忙しく、娘のビーも”私立には行かない!”と言いだし、バーナデットの苛苛は増して行く。
ー この辺りのバーナデットのオカシナ行動が彼女の精神状態を物語っているね。序でにストーリー展開もやや粗い。-
・エルジーとビーはバーナデットに”南極に行こう!”と持ち掛けるが彼女は乗り気でない。だが、”南極に行く=南極点に行く”と思い込んだ彼女は、且つての自分のように一直線である。
ー エルジーとビーとは別の船で、南極に向かうバーナデット。
南極の海をシー・カヤックを漕いでいる時の彼女の表情は、シアトルに居る時とは別人のように爽やかだ。
そして、彼女は南極点に向かう隊に無理やり入隊する。
漸く合流したエルジーとビーも、彼女の活き活きとした表情を見てOKを出すのである。
<今作は夢を失い、退屈な日常を送っていた且つては建築家として名を馳せた、専業主婦バーナデットが新たなる夢を見つけ、”もう自分自身から逃げない”と言う決意を持つ過程に辿り着くさまをコミカルに描いた作品である。>
20年たってしまったが、バーナデットが新たな1歩を踏み出し、エルジーが気が付いたということで、取りあえずヨシとするか。
ぶっちゃけて言うとバーナデットは退屈していた。天才とまで言われた才能を埋もれさせ家庭にいるだけの暮らし、生活、人生が退屈でつまらない。息苦しさや、窮屈さも感じてたかもしれない。
バーナデット自身がそれらを感じ、自覚していたかは分からないが、パートナーのエルジーが全く気付かずにいたことだけは間違いない。バーナデットを家庭に閉じ込め才能と創造性を発揮できなくしてしまったことが、彼女の心を乱してしまったとは思っていない。
映画は2つの会話、つまりバーナデットが久しぶりに会った知人とした会話、エルジーとカウンセラーとがした会話を交互に対比して見せることで、エルジーが全く分かってないことを観客に分かりやすく示してくれている。
バーナデットの知人とカウンセラーは真逆の結論を出す。
バーナデットと話した知人は、君はやはり建築家の世界へ戻るべきだ、外の世界へ飛び出すべきだと言う。
一方、エルジーと話したカウンセラーは、バーナデットを家庭から更に閉じ込め入院するように言う。
僕は終盤にバーナデットが南極へ向かい、そこで再出発を決意し家族が祝福する迄の一連の流れより、2人の会話の対比のこの場面のほうが印象に残った。
もっと早く話し合ってこうなってたほうが良かったと思うが、話し合わなかったのは2人の意識の差が原因かもしれない。
あくまでも僕の周りの少数からの伝聞だが、いま具体的に結婚を考えてなくても、いつかは結婚をしようと考える大体のの女性が、出産を機に仕事を辞めるか続けるかという選択を1度は考えるらしい。具体的に考えなくても頭に浮かぶぐらいはするらしい。中学、高校生ぐらいで考えることもあるかもしれない。
対してほぼすべての男性が、パートナーの出産を機に辞めるという選択肢を考えない。辞めるということが思いもよらないというべきか。
相手のパートナーに「仕事はどうする?」とか、「どちらでもイイ」とか、「辞めてほしい」とか言うが、自分が辞めるという選択肢は全く考えない。小さい頃から見聞きしないので全く考えないのだろうか?。 昭和の頃は選択肢はゼロ、今でもほぼゼロだろう。裏付けるデータは調べていないから推測。
イロイロ聞くと、女性のほうが子供の頃から選択したり気をつけないといけないということが多い。だからパートナーだからこそ話し合ったた方がイイのだが、コミュニケーションをパートナーと多くとっていると思える欧米でもこういう現状なのだなあと思う。僕の知ってる欧米はTVドラマや映画のみの情報だが。
あと原題Where'd You Go, Bernadetteが何でこんなコメディタッチな邦題になるんだ?内容と少しずれてないか?と最初思った。
だけど、僕のように「邦題なんか何だろうがケイト・ブランシェット主演なら見に行く」という人は見に行くし、そうでない人用にはコメディっぽい題名にしといたほうが観客数が多くなるような気がする。
・・・というような事ではなかろうか。
ケイト・ブランシェットは凄い俳優さんだ!
「ター」でのケイトさんしか知らなかったので、改めて、どんな役でもできる人なんだなあと感心。
個人的にシンディ・ローパーがかかった時点でやられました。ケニアの音楽(ジャンボブアナ?(こんにちはおじさん?))もよかった。
でも、南極であんな勝手なことしてたら死んでしまうよなあ。
アニメですが「宇宙より遠い場所」もとてもいい作品なので、この作品で南極に興味を持った人はぜひ!
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