バーナデット ママは行方不明のレビュー・感想・評価
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ママだって自分の人生を生きたい
体の構造上、女性がママになるしかないけど、多くの人はママから仕事人に戻ることが心身共に難しくなる。
一卵性母娘って言葉がぴったりの母娘。
どこのママもそうだと思うけど、ママになれたのはとても幸せだし、子どもも可愛くてたまらないけどママ業が好きかと言われたら決してそうじゃない。どうしたって自分が後回しになってしまうから。
彼女はバリバリのキャリアウーマンだったけど、色んな問題から自分が子育てに没頭している中、旦那さんがガッツリ稼いでくれたら、敵の居ない安全な家の中にいるうちに守りに入ってしまったのかもしれない。
結果、彼女が自分を取り戻すために足りなかったのは休息じゃなくて、自分らしく生きる為に創造すること、つまり大好きな仕事に戻ること!
作りたい、と思ってからの行動力が凄かった。もうやるって決めたら絶対にやる人なのがよくわかったわ笑。
そして娘ちゃんのママへの想いが胸に刺さる。
一番近くにいて愛情を注いだ人が自分を理解してくれているというのは、何よりもの幸せだと思うな。
子育てに集中しすぎて外に目を向ける余裕がないママ世代に是非観て欲しい、絶対まだ輝けるチャンスがあると希望がわく!
沢山笑って沢山うるっときた、とても良い作品だった。
こじらせ主婦がアイデンティティを取り戻すまで
個人的にリチャード・リンクレイター作品に好きなものがない…というか、観たいと思わせる“引っかかり”がどうしても生まれてこなかった。そんな自分が本作を観たいと思ったのは、ケイト・ブランシェット主演作だったから。『TAR/ター』で高慢なカリスマ音楽家を演じた彼女が、こちらでは普通の主婦役というのに“引っかかり”を感じたため(製作はこちらの方が先)。いざ観たら、普通どころか結構こじらせた性格の主婦だったので、やっぱりブランシェットらしい作品選びだった。
主婦=バーナデットが何故こじらせたのかを辿っていくのが主なストーリーだが、その理由は誰しも起こり得る事。「社会の厄介者」から脱却するには、喪失したアイデンティティを取り戻す事しかない。
ストーリー自体は原作に概ね沿っているが、細かい点での脚色も。原作では夫エルジーが不倫してしまう件を止めて妻に寄り添う善き夫に変えたり(エルジー役のビリー・クラダップの好演が光る)、バーナデットの生き方を示唆する曲として用いていたザ・ビートルズの『アビィロード』を、映画ではシンディ・ローパーの『タイム・アフター・タイム』にしたのも、作品のテーマをより分かりやすくしていると思う。このあたりは劇伴チョイスに定評のあるリンクレイターらしい。
「人生が面白いかは自分次第」と早く学んだ方が楽しく暮らせる――とどのつまり、リンクレイター作品では一番好みとなったけど、一つ苦言。といっても作品自体ではなく上映形態の事情だが、バーナデットが心のバランスを崩す出来事などの細かい描写が、字幕版だと文字数制限で伝わりにくくなってしまっている。原作で補完できたとはいえ(ただ原作自体も独特の書式になっていてこれはこれで読み辛くもある)、このあたりは残念。吹き替え版とかでそれが解消されてほしいもの。
ケイト様の演技に釘付け
ケイトブランシェット良かった 〜!人間嫌いの主人公バーナデットは、ママ友や近所の人から嫌われていて、色々問題が...この辺りはブルージャスミンを思い出します。家族で南極旅行に行く予定だったはずが、1人で突っ走ってしまったりと、無謀キャラで面白かった。ぜひ日本で上映して欲しい作品です。機内鑑賞
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