バーナデット ママは行方不明のレビュー・感想・評価
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ありえないけど感動した!
ケイトブランシェットが大好き。
本人が原作を気に入って出演を熱望した作品だと聞けば絶対に映画館で観たいと思って夫婦で観てきました。
主婦が現実から逃げ出して南極まで行ってしまうという単純な話なのかな?と事前情報を入れずに観始めました。
天才建築家で将来を期待されていたのにある失敗をきっかけに仕事から離れてしまったこと、唯一の友だちが娘であること、隣人のママ友との関係も最悪で大きな事件を起こしてしまう、インド人の家政婦?にスマホの自動メール作成機能を使って次々に仕事を依頼していく、なんだか現実離れした出来事が重なっていくけど、彼女の孤独には共感してどんどん映画に引き込まれていく…
南極行きは愛する娘からの家族旅行としての提案で、本人は全く行く気がなかったのに、あることがきっかけで行かざるをえないような状況に…
南極での出来事はそんなことはありえないと思うことの連続だけど、これは彼女の再生のため、家族の絆を取り戻すため、映画なんだからと、全てを受け入れて感動に浸りました。
後で、大好きなビフォーサンセットシリーズの監督だと知って、おおお!とさらに感動が増しました!
ありえないけど感動する本作!多くの人に観てもらいたい。
そして必ずもう一度観ます!
彼女は忽然と消えた!?
バーナデットが不自由なく
生活を送っていても、何処か物足りなさを
感じていた!
女性が家庭に入っても建築家の夢をあきらめたくない、再生を描いたストーリーでした。
バーナデットがママ友とかの人付き合い
が苦手なところは自分に重なる部分がありました。
娘のビーと親友のような関係は
仲睦まじい姿を表現していました。
南極を目指したバーナデットは、南極の氷
にクリスタルのような透明な世界を
見ているように思いました。
娘のビーが母親であるバーナデットに
いつも味方でいる信頼できる関係を
心地良く見ることができました。
バーナデットとビーが車の中でシンディー・ローパーの
タイム・アフター・タイムを歌うシーンは
夢を追い続けることが特別な価値だと
思えるストーリーでした。
ユーモラスなケイトも素敵
人付き合いが苦手過ぎる元天才建築家の主婦と、エリートエンジニアの旦那さん、秀才で常識人だけど柔軟性もある素晴らしく良い子な娘。この3人を中心に描くコメディですが、とてもポジティブで温かい家族の映画でした。
特に序盤のバーナデットは、かなりぶっ飛んだ言動を繰り広げていますが、ギリギリ理解できるのはケイトブランシェットの絶妙な演技があってこそ。あの人ヤバくない?でもまぁ分からなくもないか…という感じで、バーナデットの味方をしたくなってしまう。
そして娘のビーが本当に良い子!ママは親友と言ってたけど、本当に素敵な関係性でした。
南極の壮大な景色や、ペンギン・アザラシたちにも癒されましたし、観て良かった!
ぶっ飛び母さんは、正気?狂気?
天才なのか、はたまた精神病なのか?変わった女性は、厄介者の扱いに。自由を求めてるって言うより、思いついたことを表現?行動する人だよね。
面白いような面白くないような映画。
一般の方には不向き。
結局のとこ彼女は正気だったって事かな?
あと、南極から電話してるのだから、終わったらすぐ受話器置いてね(笑)料金が気になってしまった💦
とりあえずシンディーを聴きながら帰ろっと。
ケイトブランシェット演じる母は只者ではない
観る前は女性として母親としての当たり前を押し付けられ、自分らしさが発揮できず、爆発して南極に行く…
と思っていた。自分らしさを発揮できていないのは間違いないが、ケイトブランシェット演じる母親がそんなありきたりなはずはなかった。
天才の拗らせ、偏屈さが大爆発していて天才故の周りから理解されない感じが観ていて楽しい。
理解者である娘や建築家仲間の存在が良い。
なかなか南極行かないなぁと思っていたが、南極に行く前が面白さのピークだった気がした。
【”芸術家に戻る!”天才建築家だった女性が一見幸せそうに送っていた家族との生活。だが・・。彼女が新たなる夢を見つけ”もう自分自身から逃げない!”と言う決意を持つ様をコミカルに描いた作品である。】
■天才賞の異名を持つ「マッカーサー賞」を若くして受賞した建築家バーナデット(ケイト・ブランシャット)は、或るトラブルが元で仕事を辞め、夫のIT企業に勤める有能なエルジー(ビリー・クラダップ)と、一人娘のビー(エマ・ネルソン)と”一見幸せに”暮らしていた。
◆感想
・バーナデットは建築家として、その先を有望視されていたがある事が切っ掛けで仕事を辞めシアトルに越してくる。
で、専業主婦として暮らす日々だが、彼女は臨家のオードリー(クリステン・ウィグ)を始めとして人付き合いは悪く、買い物もネット頼り。
ー 観ていると、彼女が現状に全く満足していないことが分かる。それにしても、あのネットがロシアンマフィアと繋がっていたとはねえ。クスクス。-
・オードリーの隣のバーナデットの家の斜面に蔦が生い茂る中、オードリーはバーナデットに蔦を切って良いか尋ね、バーナデットが了承するシーン。
ー ”だから、蔦が地面を抑えているんだから切ったらダメだって!”と思ったらオードリー家のパーティの際に土砂崩れが起こり、オードリー家は大変な状況に。
バーナデットはそれを見越した上で、了承したのかな。クスクス。-
・夫のエルジーは仕事で忙しく、娘のビーも”私立には行かない!”と言いだし、バーナデットの苛苛は増して行く。
ー この辺りのバーナデットのオカシナ行動が彼女の精神状態を物語っているね。序でにストーリー展開もやや粗い。-
・エルジーとビーはバーナデットに”南極に行こう!”と持ち掛けるが彼女は乗り気でない。だが、”南極に行く=南極点に行く”と思い込んだ彼女は、且つての自分のように一直線である。
ー エルジーとビーとは別の船で、南極に向かうバーナデット。
南極の海をシー・カヤックを漕いでいる時の彼女の表情は、シアトルに居る時とは別人のように爽やかだ。
そして、彼女は南極点に向かう隊に無理やり入隊する。
漸く合流したエルジーとビーも、彼女の活き活きとした表情を見てOKを出すのである。
<今作は夢を失い、退屈な日常を送っていた且つては建築家として名を馳せた、専業主婦バーナデットが新たなる夢を見つけ、”もう自分自身から逃げない”と言う決意を持つ過程に辿り着くさまをコミカルに描いた作品である。>
邦題つける人最悪説
シアトルに暮らす主婦のバーナデット。夫のエルジーは一流IT企業に勤め、娘のビーとは親友のような関係。ケイトはTARとはまた違う魅力ある元天才建築家で主婦の役です。ビー役のエマ・ネルソンは映画初出演らしいが最高に良い。また隣の主婦オードリー役のクリステン・ウィグも嫌な女からバーナデットと打ち解けたシーンなどとてもいい感じです。あと昨日も観たローレンス・フィッシュバーン(ジョン・ウィック)もいい出方してます。舞台となるシアトルは全米で最もリタイア後に住みたい街、ここ数年メチャクチャ地価が上がって、貧富の差が激しくイチローやIT企業の幹部など湖畔の超豪邸も多いが、ダウンタウンのホームレスも多い、雨が多く、ウツ病になる人も多い街です。でも時々映る街並みやスペースニードル(回転するレストランが出てきたタワーです)はとても良いですね。いい作品なのに邦題がアホみたいで残念です。
うーん
もっと軽やかで楽しい映画と
思ってたら、なかなかにこじらせた
主婦が、自分の生き方を取り戻す
ために南極に向かうという話だった。
ウツで人間嫌い、けれど天才建築家と
いうキャラ設定が今ひとつしっくりこな
かったので、僕はのれませんでした。
「6歳の僕が大人になるまで」のリチャード・
クレイター監督がケイト・ブランシェットを
組んだので、楽しみにしてたんだけどなぁ。
何だって出来る!家族の愛の物語
何度でもやり直す事は出来ると教えてくれて、元気をもらえるとても素敵で面白い作品でした。かつては天才建築家として脚光を浴びたバーナデットが、やっぱり創造の仕事がしたいと、新しい南極基地の設計を目指してからの行動力が痛快。そして親友のような娘のビーのママを思う気持ちが温かくて可愛かったです。やはり人は自分のやりたいをやって生きて行くのが一番大切。あきらめないで続ける事の大切さを教えてもらいました。
ケイト・ブランシェットはこれまでキャロルしか見た事がありませんでしたが、この作品を見て、改めて素敵な女優さんだと思いました。
ケイト◦ブランシェット、(演技の)極地点はあなたです
天才建築家である妻、Microsoftに自分の開発したソフトごと高額で招かれた開発者(エンジニア?)の夫。
どう考えても自分とは縁のない、とびっきりの才能に恵まれた人たちの話なのに、〝あ、そこ分かる〜〟〝ふむふむ、私の感じてた違和感もそういうことだったのかも〟となんだか腑に落ちるようなシーンに出会えます。
実社会において、みんなそうだから、で済まされていることに何かと違和感を覚えることの多い人、だけどすぐには論理的な反論が浮かばなくて、渋々ながら状況打破ができない人。
いつの間にか、誰かの決めつけや、そういうことにしてしまったほうが周りの人たちが楽。論理的に説明できない自分のいら立ちに対して、良き理解者然として救いの手を差し伸べてくれる人たちがたまらなく嫌。
そんな〝善意〟の人たちに囲まれて息苦しくてたまらない。だから一人でいる方が楽。
そういう方にとってバーナデットは、かつて見た自分、或いは今まさにその中にいる自分、の生き写しのように感じられるのです。
あの立て看板程度の〝毒〟は誰でも持ってるし、吐き出し方がわからないだけ。バーナデットはそんな〝ワタシ〟や〝アナタ〟のために代行してくれるのです。
この映画を観た後、会社や学校で、なんだかイラつくなという時は、トイレや屋上でそっとつぶやいてください。
あー、わたしも南極行きたい❗️
少しはスッキリするかもしれません。
南極での行動が現実離れし過ぎていることもあって、「再生の物語」が心に響かない
主人公のバーナデットは、現状に適合できず、ストレスを溜め込んでいるはずなのに、そのように見えないのは、どうしたことだろう。
むしろ、(少々古いが)豪邸に住み、夫は大企業に勤め、娘は一流の学校に通っている彼女は、人も羨むような生活を送っているように見えて、お隣のママ友とのトラブルはあるものの、決して「鬱」とか「適応障害」とかの心の病にかかっているとは思えないのである。
やがて、新進気鋭の建築家だったバーナデットの過去が明らかになるが、彼女が挫折した経緯にそれほど大きなインパクトはなく、何で仕事を投げ出してしまったのかも納得できない。
そもそも、社会で華々しく活躍していた女性が、仕事を辞めて家庭に入ったことで、精神のバランスを崩すという図式は、少々類型的で、短絡的すぎるのではないか?
いずれにしても、彼女の満たされない現状がなかなか実感できないため、やりたいことをやって自分を取り戻すという彼女の「再生の物語」も、あまり心に響いて来ないのである。
バーナデットが南極に向かう経緯にしても、夫と娘に合流しようとしたからなのに、2人を探そうともせず、観測隊に潜り込んでしまうという展開には、違和感を感じざるを得ない。
そもそも、観光船にしてみれば、乗客がいなくなったら、スケジュールを変更してでも徹底的に捜索するはずで、これほど身勝手で迷惑な行為はないだろう。
当然、近くの観測基地にも問い合わせるだろうから、その時点で、すぐさま所在が判明して、船に連れ戻されることは間違いないし、ましてや、そのまま基地に居座って、南極点にまで行ってしまうことなど絶対にあり得ないだろう。
仮に、彼女が、南極点の基地を設計し、建設するにしても、現実的な手続きや手順を踏まえたものでなければ、それは、「絵空事」にしか見えないし、ラストで出てくる(恐らく)本物の施設の映像に、どこか唐突感を覚えるのも、そうした現実離れした展開のせいに違いない。
それから、母と娘の親友同士のような関係も、「寄宿舎」と「私立の進学校」の違いがよく分からず、実感しづらかったのは残念だった。
20年たってしまったが、バーナデットが新たな1歩を踏み出し、エルジーが気が付いたということで、取りあえずヨシとするか。
ぶっちゃけて言うとバーナデットは退屈していた。天才とまで言われた才能を埋もれさせ家庭にいるだけの暮らし、生活、人生が退屈でつまらない。息苦しさや、窮屈さも感じてたかもしれない。
バーナデット自身がそれらを感じ、自覚していたかは分からないが、パートナーのエルジーが全く気付かずにいたことだけは間違いない。バーナデットを家庭に閉じ込め才能と創造性を発揮できなくしてしまったことが、彼女の心を乱してしまったとは思っていない。
映画は2つの会話、つまりバーナデットが久しぶりに会った知人とした会話、エルジーとカウンセラーとがした会話を交互に対比して見せることで、エルジーが全く分かってないことを観客に分かりやすく示してくれている。
バーナデットの知人とカウンセラーは真逆の結論を出す。
バーナデットと話した知人は、君はやはり建築家の世界へ戻るべきだ、外の世界へ飛び出すべきだと言う。
一方、エルジーと話したカウンセラーは、バーナデットを家庭から更に閉じ込め入院するように言う。
僕は終盤にバーナデットが南極へ向かい、そこで再出発を決意し家族が祝福する迄の一連の流れより、2人の会話の対比のこの場面のほうが印象に残った。
もっと早く話し合ってこうなってたほうが良かったと思うが、話し合わなかったのは2人の意識の差が原因かもしれない。
あくまでも僕の周りの少数からの伝聞だが、いま具体的に結婚を考えてなくても、いつかは結婚をしようと考える大体のの女性が、出産を機に仕事を辞めるか続けるかという選択を1度は考えるらしい。具体的に考えなくても頭に浮かぶぐらいはするらしい。中学、高校生ぐらいで考えることもあるかもしれない。
対してほぼすべての男性が、パートナーの出産を機に辞めるという選択肢を考えない。辞めるということが思いもよらないというべきか。
相手のパートナーに「仕事はどうする?」とか、「どちらでもイイ」とか、「辞めてほしい」とか言うが、自分が辞めるという選択肢は全く考えない。小さい頃から見聞きしないので全く考えないのだろうか?。 昭和の頃は選択肢はゼロ、今でもほぼゼロだろう。裏付けるデータは調べていないから推測。
イロイロ聞くと、女性のほうが子供の頃から選択したり気をつけないといけないということが多い。だからパートナーだからこそ話し合ったた方がイイのだが、コミュニケーションをパートナーと多くとっていると思える欧米でもこういう現状なのだなあと思う。僕の知ってる欧米はTVドラマや映画のみの情報だが。
あと原題Where'd You Go, Bernadetteが何でこんなコメディタッチな邦題になるんだ?内容と少しずれてないか?と最初思った。
だけど、僕のように「邦題なんか何だろうがケイト・ブランシェット主演なら見に行く」という人は見に行くし、そうでない人用にはコメディっぽい題名にしといたほうが観客数が多くなるような気がする。
・・・というような事ではなかろうか。
ケイト・ブランシェットは凄い俳優さんだ!
「ター」でのケイトさんしか知らなかったので、改めて、どんな役でもできる人なんだなあと感心。
個人的にシンディ・ローパーがかかった時点でやられました。ケニアの音楽(ジャンボブアナ?(こんにちはおじさん?))もよかった。
でも、南極であんな勝手なことしてたら死んでしまうよなあ。
アニメですが「宇宙より遠い場所」もとてもいい作品なので、この作品で南極に興味を持った人はぜひ!
南極
映画館で予告編を観て、ケイト・ブランシェットが珍しくコミカルなので観賞。
そしたら、これまた好きな、クリステン・ウィグとジュディ・グリアも出てきて、得した気分♪
ローレンス・フィッシュバーンも(笑)
シンディ・ローパーの「Time After Time」が使われてます。
笑えて考えさせられます。
オチが好き(笑)
怖い役が多いケイト・ブランシェットですが、こんな役も、いいですね(笑)
ハイテンション鬱
「天才建築家」も、鬱でハイテンションの「主婦」も、ママを一筋に信じる「娘」も、IT長者の「夫・父」も単純で表面的な人物造型で説得力がなかった。バーナデットがどういう建築家で今に至ったかの経緯も、検索したり誰かが作った動画でわかるレベルで説明おしまい!にしてたのはがっかりした。
彼女を「天才」建築家にする必要は果たしてあったのか?「優秀な」で十分だと思った。そういう人で色々な理由で仕事の一線から退いた女性は沢山いたし今もいるだろう。それとも人嫌いとかママ友との付き合いが苦手なのは「天才」を理由にするときれいにまとまると考えたのだろうか?
鬱の初期に怒りっぽくなることはあると思うので他人に対するアグレッシブさはよくわかった。でも理不尽な対応であってもバーナデットは行動力あるし、家事ができず家の中がカオス状態であっても、自分の外見はきちんとできているのはちぐはぐだった。
仕事がしたい自分に向き合い本心を認めるのに20年かかるのか・・・?現場から20年離れてすぐ戻れる程、現場は変化していないのか・・・?疑問が溢れ出る映画だった。
ママだって自分の人生を生きたい
体の構造上、女性がママになるしかないけど、多くの人はママから仕事人に戻ることが心身共に難しくなる。
一卵性母娘って言葉がぴったりの母娘。
どこのママもそうだと思うけど、ママになれたのはとても幸せだし、子どもも可愛くてたまらないけどママ業が好きかと言われたら決してそうじゃない。どうしたって自分が後回しになってしまうから。
彼女はバリバリのキャリアウーマンだったけど、色んな問題から自分が子育てに没頭している中、旦那さんがガッツリ稼いでくれたら、敵の居ない安全な家の中にいるうちに守りに入ってしまったのかもしれない。
結果、彼女が自分を取り戻すために足りなかったのは休息じゃなくて、自分らしく生きる為に創造すること、つまり大好きな仕事に戻ること!
作りたい、と思ってからの行動力が凄かった。もうやるって決めたら絶対にやる人なのがよくわかったわ笑。
そして娘ちゃんのママへの想いが胸に刺さる。
一番近くにいて愛情を注いだ人が自分を理解してくれているというのは、何よりもの幸せだと思うな。
子育てに集中しすぎて外に目を向ける余裕がないママ世代に是非観て欲しい、絶対まだ輝けるチャンスがあると希望がわく!
沢山笑って沢山うるっときた、とても良い作品だった。
こじらせ主婦がアイデンティティを取り戻すまで
個人的にリチャード・リンクレイター作品に好きなものがない…というか、観たいと思わせる“引っかかり”がどうしても生まれてこなかった。そんな自分が本作を観たいと思ったのは、ケイト・ブランシェット主演作だったから。『TAR/ター』で高慢なカリスマ音楽家を演じた彼女が、こちらでは普通の主婦役というのに“引っかかり”を感じたため(製作はこちらの方が先)。いざ観たら、普通どころか結構こじらせた性格の主婦だったので、やっぱりブランシェットらしい作品選びだった。
主婦=バーナデットが何故こじらせたのかを辿っていくのが主なストーリーだが、その理由は誰しも起こり得る事。「社会の厄介者」から脱却するには、喪失したアイデンティティを取り戻す事しかない。
ストーリー自体は原作に概ね沿っているが、細かい点での脚色も。原作では夫エルジーが不倫してしまう件を止めて妻に寄り添う善き夫に変えたり(エルジー役のビリー・クラダップの好演が光る)、バーナデットの生き方を示唆する曲として用いていたザ・ビートルズの『アビィロード』を、映画ではシンディ・ローパーの『タイム・アフター・タイム』にしたのも、作品のテーマをより分かりやすくしていると思う。このあたりは劇伴チョイスに定評のあるリンクレイターらしい。
「人生が面白いかは自分次第」と早く学んだ方が楽しく暮らせる――とどのつまり、リンクレイター作品では一番好みとなったけど、一つ苦言。といっても作品自体ではなく上映形態の事情だが、バーナデットが心のバランスを崩す出来事などの細かい描写が、字幕版だと文字数制限で伝わりにくくなってしまっている。原作で補完できたとはいえ(ただ原作自体も独特の書式になっていてこれはこれで読み辛くもある)、このあたりは残念。吹き替え版とかでそれが解消されてほしいもの。
ケイト様の演技に釘付け
ケイトブランシェット良かった 〜!人間嫌いの主人公バーナデットは、ママ友や近所の人から嫌われていて、色々問題が...この辺りはブルージャスミンを思い出します。家族で南極旅行に行く予定だったはずが、1人で突っ走ってしまったりと、無謀キャラで面白かった。ぜひ日本で上映して欲しい作品です。機内鑑賞
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